第二十五章~京都旅行と多面宿儺~
T霊界探偵事務所に届いた5人一組のトーナメントバトルの招待状には一言
「予選として貴チームは京都へ行って下さい。
そこで貴方達を試させて頂きます。」
と書かれてあった。
Tさん
「京都、か。あそこの怪異は年季が違うからな。
まぁそんな事言えば古代からのヤツらはもっと年季入ってるが、
中途半端に古都としての歴史がまだ数百年前だから、
強い思いのまま残ってるヤツらもいる。
あそこにいる強い怪異は最近の常世と霊界の裂け目からでは無く、
元々そこにいたヤツである可能性が高い。
どんなヤツがいるかもわからんから、基本的にはあまり近づかない
そんな聖域のようであり、魔境のようでもある場所だ。」
黒みぎゃ子
「ま、行ってみようニャ~ン。
アタシ達二人が付いてるし、大丈夫でしょv」
みぎゃ子
「何か黒みぎゃ子、段々と自分のキャラを出して来てるね(笑)」
春の陽気の中で、京都に辿り着いた一行はまず、着物レンタルに向かった。
みぎゃ子
「わ~、アタシ、一回着物って着てみたかったんだよね~、
どうかな、似合う?」
ユキちゃん
「えぇ、可愛らしいですよ、みぎゃ子さん(ニッコリ)
私は祖母の影響で何回か着た事がありますよ。
自分で着付けまでは出来ませんけれど。」
白みぎゃ子
「何かコレ、面白いですね。
スースーする所とギュっと締め付けられる所の差で、
他の衣服には無い独特な着心地がします。」
黒みぎゃ子
「さぁ、じゃあ早速、美味しいモノとお土産を見に行こう~。」
Tさん
「何かオレ、今回はお守り役でもやるか。
着物の女の子達と一緒にいると周りから浮きそうだし、
少し離れた所から見守る事にするぜ。」
T霊界探偵事務所〜京都旅行編
みぎゃ子
「ねぇ、このコケシなんかどうかな?」
黒みぎゃ子
「え~、何かそういうの置くとそこに霊が宿ったりもするよ?」
白みぎゃ子
「そういった意味では、こういった扇子みたいなものが、
魔除けにもなりますし、事務所に置くには良いかもですね。
悪魔の黒ちゃんには辛いかも知れないですけど。」
黒みぎゃ子
「アタシはそんなので祓われるほどヤワじゃない~!」
ユキちゃん
「(何だか皆アッチで盛り上がってるし、私はこのカンザシが欲しいけど、
後で一人で買いに来ようかな。)」
遠くからTさんが4人の様子を眺めている。
Tさん
「4人とも、京都旅行って楽しんでるけど、コレは前哨戦だ。
いついかなる時も警戒を怠らず、怪異が現れたらすぐにでも
臨戦態勢に入らないとな。」
ーその時、急に暗雲が立ち込め始め、そこら中に小さな怪異が
湧き始めた。ー
「キャアァァッ!!」
そこら中で悲鳴があがる。
Tさん、みぎゃ子、白・黒みぎゃ子はそれぞれに、すぐにそれらの収拾に
怪異を退治し始める。
その時、けたたましい怪音と共に、向こうの方から大きな怪異が現れた。
Tさん
「何だ、コイツは・・・。霊力は・・11200!?」
京都の怪異と戦うT探偵事務所のみぎゃ子達
黒みぎゃ子
「コイツ、東洋の黒魔術書で見た事あるかも。
確か、多面宿儺。
人々の負の感情を凝縮して仮面が作られるんだけど、
一つの仮面では感情を吸い取り切れなくなった時、
また新たな仮面が現れる。そうして仮面が増える毎に
霊力も増して行く。厄介な怪異だよ。」
みぎゃ子
「これは・・・かなり強そうだね。白・黒みぎゃ子達の霊力を超える
こんな怪異、皆で協力して戦わないと勝てそうにないね。」
ユキちゃん
「まずは、結界を張りますね!」
ユキちゃんが両手を組んでから、それをゆっくりと左右に伸ばす動作をし、
するとゆっくりと結界がみぎゃ子達の前に作られた。
白みぎゃ子
「更に、皆さんに霊的防御力を上げる魔法をかけますわ!」
白みぎゃ子が両手を上に上げて、それを半円を描くように降ろすと
全員にキラキラとした粉が舞い降りるような光景が見えた。
Tさん
「よし、物理的な防御はオレに任せろ!
みぎゃ子、前衛で攻撃を任せたぞ!」
みぎゃ子
「オッケー!霊力で作った剣で、コイツのハラワタをブチ抜くよ!」
黒みぎゃ子
「ふっふ~ん、アタシの攻撃魔法でコイツを弱らせてあげるよ。
いきなりトドメ刺しちゃったら、ごめんね?」
ペロッと舌を出しながら、黒みぎゃ子は胸の前で小さなボールを持つように
両手を組み合わせて、その中に霊力を込め始めた。
「いっくよー!ブラストシャドウーーーー!!!!!!!!!!」
それは多面宿儺のボディに見事にヒットし、一瞬宿儺の動きが止まる。
しかしまた、宿儺は動き始める。
黒みぎゃ子
「あちゃ~、感情無い系か~、痛がってくれないと、やり甲斐が無いな~。
まぁでも、さすがに効いてるでしょ。それにしても、感情を吸い取る割に
感情を表に出さないんだね、コイツ。」
みぎゃ子が霊力で作り出した剣を手に、宿儺の懐に飛び掛かる。
「うおぉぉぉりゃあ~~~~~!!!!!」
宿儺は自身の腹部に目をやるが、どうやら動きが遅く、
それよりも早くみぎゃ子の一撃が入った。
「hrthdhmどg」
人語では無い言葉、いやむしろ悲鳴のようなものをあげながら、
宿儺が後ろずさる。
そこを逃さず、みぎゃ子は追撃をかける。
「オラオラオラオラ!!
目覚めたばかりで足がおぼつかないのかな!?」
みぎゃ子の勢いある攻撃に、宿儺はついに後ろに倒れ込んでしまう。
しかしそこで破れかぶれなのか、火の玉を吐き出した。
すぐに後ろに飛びのくみぎゃ子。
更に火の玉は結界に当たりその力の99%が弱まり、
結界内にいるユキちゃんには頬を強く打たれたくらいのダメージだった。
更に、倒れ込んだ姿勢のままで腕を前に出して、見えない場所で
ものを探るような動きで誰かを捕まえようとする宿儺。
その腕をTさんが、霊力を込めた木の棒で思い切り叩いた。
「げwgじょgjgpsご」
またも奇妙なうなり声をあげて宿儺が狼狽える。
続けて、黒みぎゃ子が叫ぶ。
「皆、どいて!強烈なの、かましちゃうんだから~!!」
黒みぎゃ子は飛び上がり、両手をいっぱいに広げた。
その中で黒い球がバチバチと電撃を帯びながら、膨らむ。
「ブラック・ディザスター(黒い災害)!!!!!!」
それを宿儺に向けて放ち、宿儺は防御姿勢を取る間も無く、
まともに喰らってしまう。
「gwrgjwpgjwpjgpwjgぽwjgぽえjごj」
コレが致命傷となり、宿儺はやがて最後の一言のようなうめき声を上げ、
完全に動きを止めた後、砂が風に舞うように散り散りに霧散した。
みぎゃ子
「やった、勝った・・・。」
白みぎゃ子
「一人一人では勝てませんでしたわ。
全員で挑んだからこそ、格上の相手でも勝てた・・・。」
黒みぎゃ子
「まーでもアイツ、何か寝起きだったみたいだし、
本気で来られたら結構ヤバかったかも?」
Tさん
「何はともあれ、全員無事で良かった。」
ユキちゃん
「はじめて、一緒に戦いの場に居ましたけど、今なんだか
物凄い心臓がバクバクしています・・・。」
すると、風に乗って一枚の紙が流れて来た。
みぎゃ子がキャッチし、書かれた内容を読み上げた。
「あなた達は試験をパスしました。
トーナメント本戦へご招待致します。
QRコードの場所へお越し下さい。」
全員が口を揃えた。
「風情ある古都で、QRコードって・・・・・。」
ユキちゃんがそのQRコードをスマホで読み取り、
Tさんに伝える。
「場所は、山梨県の山中みたいです。行けますか?」
Tさん
「行くしかねぇだろ。ここまで来て、もう引き下がれねぇ。
ションベンしてぇヤツは、着物めくってそこら辺でしろ!」
みぎゃ子
「ちょ、Tさん、大きな戦いの後だからって、何でそんな乱暴に!?
普通に行こうよ、大体あそこにトイレあるし、さすがにそこら辺は
ヤバいっしょw」
Tさん
「あぁ、すまん。言われた通り、少し気が高ぶってしまっていたな・・。」
こうしてTさんはテンションが上がるととんでも無い事を言ってしまう癖を
見せてしまい、一行はトーナメントの本番会場へと向かうのだった。




