第二十二章~皆で遊園地に行こう!~
「さぁてぇ、私達が仲間に加わったと言うことはぁ~?」
「言うことはぁ~?」
黒みぎゃ子の言葉に続き、白みぎゃ子が言葉を繰り返す。
「え、加わったと言う事は、何?」
みぎゃ子がシンプルに聞き返す。
「えー、わかんないのー?
遊園地だよ、ゆ・う・え・ん・ち!」
「ゆーえんちーゆーえんちー♪」
「いや、お前ら、明らかに幼児退行してねぇか?
さすがにそんな風に甘える年じゃねぇだろ?」
Tさんがツッコむも、二人の勢いは止まらない。
黒みぎゃ子が言う。
「えー、だってさー、霊力を二倍にする秘薬を飲んだみぎゃ子より
もっと、もーっと、強い私達がだよ?仲間になってあげるって
言ってるんだからさ、遊園地くらい、当然じゃない?」
「じゃない?」
白みぎゃ子が、黒みぎゃ子の言葉をいちいち繰り返して遊ぶ。
「良いじゃないですか、連れて行ってあげればどうですか?
それに、私だって皆さんと行きたいですよ。」
ユキちゃんが言った。
「イエーイ!そうと決まれば、浮き輪浮き輪~♪」
黒みぎゃ子がウキウキではしゃぐ。
しかし、みぎゃ子が釘を刺す。
「いや、遊園地で浮き輪って、そもそも今の季節、プールやってないよ。
そもそもジェットコースターとか、身長的に乗れるのかな?」
「ブー!大丈夫だもん!そこの女子高生のユキちゃんより、
実は身長高いもん!」
黒みぎゃ子が不服そうに言った。
Tさんが続ける。
「よし、そうと決まれば今日は早く寝るぞ。
明日、朝イチから全力で楽しめるように、
今夜は夜更かしすんなよー。」
こうして5人は、翌日へのワクワクを抱いたまま眠りに付いた。
(Tさんはあまりワクワクしていないw)
~翌朝~
「おはよーおはよーおはよーおはよーおはよー!!!!」
黒みぎゃ子のうるさい挨拶から朝が始まった。
Tさんとみぎゃ子は事務所の二階にある居室から起き出しており、
ユキちゃんも早朝に身支度を整えて事務所に来ていた。
黒みぎゃ子の後ろでは少し眠そうな白みぎゃ子の顔。
「オイオイ、夜更かししちまったのか?」
「あ、いえ、私、常に少し眠いんです。
天使ってあまり気を張るのが苦手で、出来れば平和の中に居たいもので、
そういった環境の中でのんびりしている存在なんです。」
「ホゥ、そんなもんなのか。」
黒みぎゃ子がウキウキを抑えきれずに叫ぶ。
「さぁ、夢の国へとレッツ・ラ・ゴー!!!!」
Tさんの運転で、5人は一時間ほど掛けて遊園地へと向かった。
遊園地は人の入りもそこそこで、それほど混雑していなかった。
「ねーねー、アレ乗ろうよー!!」
黒みぎゃ子が指差した先には絶叫コースター。
Tさん、ユキちゃん、白みぎゃ子が拒否した。
「イヤ、オレ、昨夜の酒をゲロっちまうかも知れねぇから。」
(みぎゃ子:いや、昨夜飲んでないじゃん(汗)
「あ、あの、ホラ、私、来年受験だから、落ちるものってあんまり、
演技が悪いって言うか、・・。」
「私は、普通に怖いからパス~。」
黒みぎゃ子が言う。
「ちぇ、皆つまんないの~、じゃあ、みぎゃ子ちゃん、乗ろ~。」
「OK、アタシは絶叫系は結構平気だから、一緒に行こうか。」
3人は下からキャーキャー楽しむ黒みぎゃ子を眺めた。
横に乗っているみぎゃ子は特別騒ぐでも無く、普通の顔だ。
信じられない、何故コレに平常心で乗れるんだ、と3人は思った。
「あー、楽しかったー!ね、ね、次はアレ乗ろう?」
指さした先には、水を掛け合うウォーターバトルというアトラクション。
コレにはユキちゃん、
「あの、服が濡れたら、その、透けちゃうから・・・」
「良いじゃん、そんなの、すぐに乾くってば!
ホラ、行こー行こー!!」
黒みぎゃ子の勢いに乗せられて全員列に並んだ。
しかし、一番青ざめていたのはみぎゃ子だった。
「Tさん、どうしよう。アタシ、服濡らされたら、
アレがバレちゃうんじゃ・・・。」
みぎゃ子は恥ずかし気に言ったのだが、すぐに黒みぎゃ子が言う。
「え、みぎゃ子ちゃん、中身男って事でしょ?
別にそんなのバレちゃったからって何なの?
楽しけりゃ良いじゃんー。」
あまりにもデリカシーが無いかのように思えた言葉だったが、
黒みぎゃ子が言うと不思議とみぎゃ子も、そんな気になった。
「そっか、別にアタシは自分の事を隠す必要は無いか。
よーし、ビショ濡れになって、黒みぎゃ子を打ちまくるぞー!」
Tさんは普段、霊気の玉を敵に投げたりしている割には案外、
銃状のものの扱いが下手で、濡らされてばかりだった。
ユキちゃんは前半は上手く立ち回り逃げていたが、後半はバテてしまい、
見事に服がビショ濡れになり、うっすらと透けてしまっていた。
みぎゃ子もそれはもう、クッキリと形がわかるくらいに透けてしまったが
「ま、すぐに乾くでしょ」と、気にも留めない様子。
その後も5人は遊園地を堪能し、結局閉園まで楽しみ尽くしたのだった。
「今日はありがとねー★
アタシの我がままに付き合ってくれて、優しいんだね、皆。」
黒みぎゃ子が最後に3人にお礼を言うと、Tさんが答える。
「ま、コレからまた強い霊と戦わなければいけないわけだしな、
次にいつゆっくり遊べるかもわからねぇ。
こういうのは、出来るうちにやっとくってなモンだよな。」
みぎゃ子が繋げる。
「キミ達と仲良くなれて良かったよ。
コレから一緒に戦う仲間なんだから、最初にこうやって距離を縮めて
本当に今日は楽しかったよ。」
満足して帰った5人。
その背後には、着々と強力な霊達の影が忍び寄っていた。




