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私と川と動物と  作者: ゆめしょー
まえがき
6/19

風間の過去(2)

「じゃあお母さん、行ってくるね。」

「うん、気をつけてね。

 遅くなるようなら連絡してよ。」

「はぁい。」


今日は風間と約束したお墓参りに行く日だ。

爽子は親に心配かけたくないのできちんとその旨を話した。

お父さんもお母さんもわかってくれて

快く行く事を承知してくれた。


朝の9時に駅前で約束したがまだ10分前だ。

もう着くところで

「おーい!」と風間が手を振っている。



「おはよう。待った?」

「いや、俺が30分も前に来ちゃっただけさ。

 じゃあ、行こうか。

 はい、切符」

風間なりに気を使って早くきて切符を買っておいてくれたのだ。

「ありがとう」

爽子はここはありがたく貰っておくことにした。


下りの電車なので空いている。

2人は腰を下ろした。

「今日は朝から悪いね。

 ありがとな」

「ええ、いいのよ。

 気にしないで」

「墓参りに行くのは小学生以来なんだ。

 両親は毎年お盆にはお参りしていたんだけどね」

「そうなの」


なんで風間君は行かなかったの?

と聞きたかったけれど聞かないことにした。


その後の電車内では全く関係ない話しをして

過ごしたが風間は話しながらもどこか遠くを見ている気がする。


到着すると、風間の叔父さんが車で迎えに来てくれていた。

「雄馬、久しぶりだな」

「はい、ご無沙汰しています。

 今日は急なお願いをしてすみません。」

「なぁ〜に、いつでもおいで。

 このお嬢さんかい?

 雄馬が話していたのは。

 こんにちは。遠い所までよく来てくれたね」

爽子と来ることをあらかじめ話していたらしい

「初めまして。木野原 爽子と申します。」

挨拶をかわし叔父さんの車でお墓まで連れて行ってくれた。

叔父さんは車中でいろいろな話しをしてくれた。

風間のお父さんは次男らしくこの叔父さんが長男で今、おじいちゃんとおばあちゃんが住んでいた家に家族で住んでいるらしいとのこと。

叔父さんには2人の子供がいるようだがみんな成人して今は独立して仕事をしていること。

奥さんと畑で野菜などを作って生活していること


昔の風間君はよく裏山へ行って迷子になり、

みんなで探したこと。

「ヤンチャだったのね フフ」

「へへ、そうみたいだね」

風間は恥ずかしそうに顔を赤めた。


お墓に着くと叔父さんは水を汲んできて

綺麗に墓石を拭いて家で摘んできたお花を

供えお線香をあげた。

風間君はおじいちゃんとおばあちゃんが好きだったというクッキーをリュックから取り出しお供えした。

「おじいちゃんとおばあちゃんは洋菓子をあまり

 食べなかったんだけどここのクッキーを

 お土産に持ってきたら喜んでおいしいって

 食べてくれたんだ」

「そうなのね、きっと孫から貰うから

 嬉しかったのよ」

2人もお線香をあげて手を合わせた。


ここから叔父さんの家まで30分程走ったが辺りは

田畑ばかりでたまにポツリポツリと家があるが

人は見かけなかった。

「田舎だろ?驚いたかい?」

と叔父さんがいうので

「いえ、自然豊かで落ち着きます」

爽子は本当にそう思っていた。

時々、動物達の声が聞こえるわ。

みんな楽しそうに話してる!



叔父の家に着くと

玄関がガラッと開き、叔母さんが出迎えてくれた。

「よく来たね、お疲れ様、さぁ上がって」

爽子も軽く挨拶しておじゃました。

木造の2階建てで庭も広く、いろんな野菜が実っているのが見えた。

昔ながらの一軒家だ。


みんなで座りテーブルを囲んだ。

叔母さんがお茶を入れてくれ

「雄馬君大きくなったねぇ」

と話し出す。

頂きます、とお茶を頂いて

「ご無沙汰していました。今日は

 ありがとうございました」

と改めて礼を言った。

「これ両親からです」

と、お菓子を差し出した。

みんなでしばらく話してから風間君が

「裏山へ行ってきてもいいですか?」

と切り出した。

「おう、行って来い!

 迷子になるなよー」と叔父さんが笑った。


「木野原さん、一緒に来てくれるかい?」

「ええ、では一度失礼します。

 おじゃましました。」


こうして2人は裏山へと入っていき

しばらくするとと川の音が聞こえてきた。


「川があるの?」

「そうなんだ、俺のお気に入りの場所なんだ。

 おじいちゃんとおばあちゃんと

 よく遊んだ場所なんだ」

「鳥の声もいっぱい聞こえるし、本当素敵な所ね」

「そう言ってくれると思ったよ。

 気に入ってくれたなら良かった」


川へ着くと風間は顔を洗った

「気持ちいいぜ!」

爽子もそっと手を入れてみる。

「少し冷たいけど気持ちいいね」

ふぅ〜っと一息ついた


「疲れたかい?

 今日は付き合ってくれてありがとう」

「無事、お墓参りできて良かったね」

あぁ、と風間は胸を撫で下ろした。


「実はずっと来る気にならなかったんだ。

 おじいちゃんが俺が幼稚園の時に亡くなって

 その時にお葬式にきたんだけど、

 その時おばあちゃんの後ろが真っ黒に

 見えたんだ。

 その後1年も経たずにおばあちゃんも

 亡くなったんだ」

「そうだったのね、、、」

「その時はよく分からなかったんだけど

 その後も同じような事が続いてね、、、

 友達の後ろがグレーっぽく見えたんだ。

 その瞬間友達は自転車と接触して大怪我を

 したり、他にも同じようなことがちょくちょく

 起きて、俺、人と会うのが恐くなったんだ,

見えてわかっても何もしてあげられない、

 助けてあげられない自分が嫌になったりして」


「そう、でもそれは違うわ!

 風間君のせいなんかぢゃない!」


「わかっていてもさ、なんか・・・」

爽子は何も言えなかった。


「今日はさ、木野原さんに話しを聞いて

 欲しかったんだ。

 俺にできることはないかもしれないけど

 あの時おばあちゃんを助けられなかったから

 ここへきておばあちゃんに謝りたかったんだ。

 1人で来る勇気がなかったからさ。

 だから君には感謝している」


バサバサ、


その時1羽のカラスがやってた。

そして爽子の目をじっとみて

(空をみなよ)


「えっ、空?」

「ん?どした?空か?」


2人は空を見上げた。


「おじいちゃんとおばあちゃんだ・・・」

「えっ?」

爽子には見えなかったが風間には見えているのだ


「じいちゃーーーん!!!

 ばあちゃーーーん!!!」


大きく手を振る


「ばあちゃん。助けられなくて

 ごめんよーーー!!!」


あっ、


おじいちゃんとおばあちゃんがニッコリ

笑うのが見えた。


ツゥーと風間の目から涙がでた。










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