いろんな出会い
「あっ、爽子ちゃん」
「みくちゃん!」
風間と話した日から爽子は少し明るくなったきがする。
家族以外に自分のことを話したのは自分にとって大きな一歩になったんだなぁと実感している。
それからというもの友達と話す楽しさがわかって
気がするのだ。
そしてそれがどんなにありがたいことかということも。
みくちゃんという友だちもでき、学校に行く機会もだいぶ増えた。
このみくは少しふくよかでさっぱりした性格で
とても話やすかった。
話が好きで駅前のコンビニの店員さんがかっこいいとか、あの俳優さんと結婚したい!とか。聞いていて飽きなかった。
そして爽子には何か人に言えない何かがあると感じながらもあえて聞いてはこなかった。
それは爽子にとってはありがたかったし、いつか自分から話そう。という気持ちにもさせてくれた。
風間とも顔を合わせると他愛もない話しをして、
いい男友達として付き合っていた。
下校時間2人で下駄箱で話していると、
「あっ、いたいたー!
風間君、木野原さーん!!」
振り向くと悩み相談室の田中先生という
若い女の先生が走ってきている。
この学校には悩み相談室といって、いつでも話しを聞いてくれる先生がいるのだ。
田中先生は30歳になったばかりらしく可愛くて優しいと評判の先生。
この間の猫の病院も田中先生が連れて行ってくれた。
「この間の猫ちゃんね、あのケガしてた。
どうも車に接触したみたいだ足の骨
折れちゃってたみたいなのよ。」
「そうだったんですね。
ありがとうございました。」
爽子はペコリとお辞儀した。
「それでね、この近くの病院に入院してるんだけど
今日、退院で今からお迎えに行くの。
良かったら2人とも一緒に行かない?」
「行きます!」
「俺も行きます」
病院に着くと獣医さんから退院できるけど
まだ安静にしてあげて下さいね。
また2週間後に来て下さい、との説明があった。
「良かったわね、無事、退院できて。
これも2人が気付いたからよ。
とても素晴らしいことしたわね。」
2人共少し恥ずかしくうつむいた。
「それでね、先生この猫ちゃん
飼ってもいいかな?」
「いいんですか?」
「先生のお母さん、猫アレルギーでね、
昔飼いたかったんだけど無理だったのよ。
だから大人になって独り暮らししたら
飼うのが夢だったのよー!」
「先生がそう言って下さるのなら
ありがたいです。宜しくお願いします。」
爽子は深々と頭を下げた。
続けて風間もお願いします、と頭を下げた。




