友達?
高校生になった爽子初めて自分のことを話す友達ができた。
「おはよ。」
「おはよ、爽子。
今日は学校の日?」
「うん、そうよ」
小学校、中学校と不登校になっていた爽子が
両親と話し合い、あまり学校に通わなくても
卒業できる高校を選んだ。
今はいろんなスタイルの学校があって
ありがたい。
「学校はどう?楽しい?」
母の恭子は少し心配気味に聞いた。
「う〜ん、まぁまぁね。
それなりに話す子もできたわ」
「そう、それなら良かったわね」
母の安心そうな顔をみて爽子も嬉しかった。
今まで不安にさせてきたことも分かっては
いたのだがやはり学校では居場所がなかったのだ。
今はこうしてたまに学校へ行き、日常の事を話したり、好きなテレビのことを話したりする友人もでき
普通の日常を送れている。
これがどんなにありがたいことか、、、
そう、私さえ動物の声が聞こえるなどと話さなければいいのだ。
少しモヤモヤした気持ちではあったが
普通が1番ね。と自分に言い聞かせ、
朝食を食べて登校する。
今まで自主学習をしていたので勉強はそれなりにできた。
しかし、あまり外に出ていなかったせいか
体育は苦手だ。
この日も体育は見学することにした。
木陰で友達が汗をかいているのを見ていた。
すると
「君も見学?」
木の裏から声がした。
見ると同じクラスの風間 雄馬がいた。
「風間君よね?
そうよ。私も見学。運動は苦手なの。」
「名前知ってくれてるんだね?
ありがとう。
君は木野原さんだっけ?」
「ええ。そうよ。
木野原 爽子。宜しくね。」
「宜しく、俺も運動は苦手」
風間らペロリと舌をだしハハと苦笑いした。
しばらく何気ない会話をして、
あー男の子友達ってこんな感じなのかしら?
と思いながら会話を楽しんでいた爽子だが
(痛い、、、)
えっ?!
「風間君何か痛いの?」
「うん?痛いなんて言ってないよ」
「そう、 ごめんごめん」
(痛いよ、、、)
やっぱり聞こえるわ!
爽子はパッと立って辺りを見渡した。
すると校庭の隅に猫の姿が見える。
あっ、あの子だわ!
爽子は猫をめがけて走り出した。
慌てて風間も追いかけて行く。
「木野原さん、どうしたのー!?」
爽子は猫へ近より話しかけた。
「どうしたの?痛いの?」
(うん、痛いんだ)
風間はその様子を伺うようにみていたが
猫の方へ手をそっと近寄らせた。
「大丈夫だよ。すぐよくなるさ」
爽子は頭に?がよぎったが
そう、と言うと近くにいた先生に事情を話し、
猫を預けた。
「風間君、先生が病院に連れて行ってくれるって」
「そうか、良かったな」
2人の間に少し沈黙が流れた。
すると俺さ、と風間が小さな声で話し始めた。
「俺さ、小さい頃から霊感ってか、
この人はもう少しで亡くなるとか、
助かるとか感じるんだ。
言葉にすると難しいんだけどさ、、、
だからあの猫はきっと大丈夫だよ。」
「そうなの、、、」
「気持ち悪いだろ?ごめんよ。」
「えっ!?
気持ち悪くなんか全然ないよ。」
「・・・ありがとう」
「わ、私もね、動物の声が聞こえるの。
怖いよね?」
「あっ、だからさっきの猫ちゃんか。
全然怖くないさ。
いい力だね」
「・・・ありがとう」
2人は顔を見合わせて照れ臭そうに微笑んだ。
爽子は忘れていた、晴れ晴れした気持ちに
自分が高揚していることに気付いた。




