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G【虹のシンフォニー】  作者: 左と右(SATOWU)マコト
第一章:止まない雨の島(全22話)001-022
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第009話:虹の笛


第一章:止まない雨の島


―前回のあらすじ―


グローブはジェンドの研究ノートを見つけ、《神秘のマナ》を完成させることを決意した。


そして、その素材の一つである《エンジェルティア》を『ダイヤモンドビーチ』で採取した。



=

*グローブ:

おばあちゃん!

《エンジェルティア》、採ってきたよ!

=


家に駆け込むと、マリヤは椅子に座って、静かに待っていた。


=

*マリヤ:

ああ、早かったねぇ。

……私の方も、ちょうど見つかったところだよ。

=


そう言うとマリヤは、八色に輝く笛を取り出した。


=

*グローブ:

すごい、すごいよ!

これ……本当に夢で見たものと、まったく同じだ!

=

*マリヤ:

そうかい。

それじゃあ、《エンジェルティア》はそこのテーブルの上に置いて、これを受け取っておくれ。

=


グローブがテーブルに《エンジェルティア》を置き、マリヤから《虹の笛》を受け取った。


その瞬間――

三つの美しい旋律が、一気に頭の中へと流れ込んできた。


これまでに一度も笛を吹いたことのないグローブだったが、笛を口元へ寄せ、指先がひとりでに動き始めた。


一つ、二つと旋律を奏で――

気がつけば、グローブは三つの旋律を奏で終えていた。


しかし――

その神秘的な音色は、完全なものではなく、特定の響きだけが抜け落ちて消えていた。


=

*マリヤ:

やっぱり……音が途切れてしまうみたいだねぇ。

=

*グローブ:

な、何これ……。

ボク、一回も笛なんて、吹いたことないのに……。

=

*マリヤ:

……今、お前が奏でた最初の旋律――

それは《昇華のプレリュード》と言うんだよ。

=

*グローブ:

……《昇華のプレリュード》?

=

*マリヤ:

二つ目は、《安寧のノクターン》。

そして最後が、《疾風のエチュード》。

=

*グローブ:

なんで、いっぺんに三つも旋律を覚えられたんだろう……?

=

*マリヤ:

それはね……。

笛が旋律を記憶してるからだよ。

笛から選ばれた者にだけ、その旋律を伝えてくれるのさ。

=

*グローブ:

そうなんだ……。

おばあちゃんも吹けるの?

=

*マリヤ:

もちろん……吹けるよ。

=


マリヤは目を細めた。


=

*マリヤ:

……『オパールマウンテン』に行きたい気持ちは変わってないかい?

=

*グローブ:

うん。

=

*マリヤ:

それなら……。

ちょっと、チサトを呼んできておくれ。

……あと、ナギさんとナミさんもね。

=

*グローブ:

分かった。

すぐに行ってくる!

=


グローブは深く頷くと、勢いよく家を飛び出していった。


=

*グローブ:

はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……。

=


『ダイヤモンドビーチ』まで、全力疾走したグローブは、そのままチサトのもとへ駆け寄った。


=

*チサト:

ちょっと、どうしたの!?

グローブ?

そんなに息を切らして……。

=

*グローブ:

行けるかも……。

はぁ、はぁ……。

『オパールマウンテン』に!

だからチサトは、お弁当の準備をして!

それから、えぇっと……。

=

*チサト:

え、え、え、えっ……!?

ちょっ、ちょっと待って!

急に言われても意味が分からないよ。

なんでいきなり、お弁当なわけ!?

なんかテンション高いし……怖いんだけど……。

=

*グローブ:

ああっ、ご、ごめん……。

おばあちゃんから山の話が出たから……。

嬉しくなっちゃってつい……。

=

*チサト:

ふーん……そういうことね、

それで、さっき「チサトはお弁当の準備をして」って言ってたけど……。

私はお弁当だけ、準備すればいいってこと?

それとも、私も一緒に行くってこと?

=

*グローブ:

う……ご、ごめん、違うんだ。

まだ何も決まってないんだ。

おばあちゃんから、チサトたちを呼んでくるように言われただけなんだ。

=

*チサト:

じゃあ、お父さんとお母さんと一緒にグローブの家に行けばいいってこと?

=

*グローブ:

うん……ごめん。

=


グローブは空を見上げて、大きく息を吐いた。


=

*チサト:

おとーさん!

おかーさん!

=


チサトの大きな声に、ナギとナミが作業の手を止めて、振り返った。


=

*ナギ:

んー?

どうした?

=

*チサト:

マリヤさんが呼んでるって!

=

*ナミ:

えっ、村長が……?

いったい、何事だろうね。

=


それから四人は、グローブの家へと向かった。


=

*マリヤ:

急な呼び出しだったのに、みんなすぐに集まってくれて、ありがとうねぇ。

=


マリヤは、グローブが不思議な声から『オパールマウンテン』へ行くように言われていることを、三人に説明した。


=

*マリヤ:

……というわけなんだよ。

それで……。

チサトにもグローブと一緒に『オパールマウンテン』へ行ってもらいたいと思ってねぇ。

=


話を聞き終えたナギとナミは、顔を見合わせた。


=

*ナギ:

村長……。

二人にはまだ、早いような気がします……。

=

*ナミ:

山はずっと雲に覆われたままですし……。

心配ですよ……。

=


二人の当然の懸念を聞いたマリヤは深く頷いた。


そして「プリンキャラメル」を取り出した。


挿絵(By みてみん)


画像はイメージです。

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