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G【虹のシンフォニー】  作者: 左と右(SATOWU)マコト
第一章:止まない雨の島(全22話)001-022
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第007話:共鳴窯


第一章:止まない雨の島


―前回のあらすじ―


グローブとチサトは、逃げ出した《カウカーム》の仔牛を無事に捕まえ、ラテラからミルクを受け取った。


しかし帰り際、ラテラの口から「ジェンド」という人物の名前を聞いたグローブは、心に引っかかるものを感じていた。



『ミルキークォーツの丘』の帰り道――


=

*チサト:

まただ、また誤魔化された。

=


チサトは不満をこぼした。


=

*チサト:

でも……私、ジェンドさんって聞いたことあるよ。

たぶん、グローブのおじいちゃんの名前だよ。

=

*グローブ:

えっ……。

ボクのおじいちゃんの名前……?

=


突然の言葉に、グローブは足を止めた。


=

*チサト:

ごめん……たぶんだよ。

たぶん。

それ以上のことは知らないんだ。

=

*グローブ:

あ……そう……。

ありがとう。

=


そのあと二人はチサトの家の前で別れ、グローブは一人で家へ帰った。


=

*グローブ:

ただいま。

=

*マリヤ:

おかえり。

どうだったかい?

=


元気のないグローブの様子を見て、マリヤが心配そうに声をかけた。


=

*マリヤ:

ん?

……なんか、あったのかい?

=

*グローブ:

おじいちゃんの名前って、ジェンドなの?

=


マリヤの眉が、ほんの一瞬だけ動いた。


=

*マリヤ:

……ああ、そうだよ。

=

*グローブ:

チサトからおじいちゃんの名前だって聞いたから……。

=


グローブは一度息を呑み、意を決したように続けた。


=

*グローブ:

島の人が誰も昔のことを話したがらないのは、何かおじいちゃんと関係があるのかなって……。

=

*マリヤ:

……おじいちゃんはね。

とても手先が器用でね。

人々の暮らしを変える指輪なんかを生み出した人なんだよ。

=


マリヤは部屋の隅に置かれた古びた窯へ、視線を向けた。


=

*マリヤ:

そして……この《神秘のマナ》を完成させるための装置――

《共鳴窯》も作ったんだ。

=

*グローブ:

……《神秘のマナ》?

=

*マリヤ:

ええ。

でも……その《神秘のマナ》が完成する前に、事故が起きてね。

……それで命を落としてしまったんだよ。

=


マリヤの視線は、雨に煙る窓の向こうへと静かに流れていった。


=

*マリヤ:

だから島のみんなは、隠していたわけじゃないんだよ。

お前につらい思いをさせないように、気を遣って黙っていてくれたんだよ。

=

*グローブ:

そう……だったんだね。

=


グローブが素直に頷くと、マリヤは少しだけ安心したように微笑んだ。


=

*マリヤ:

その背中のミルク……。

すごいじゃない。

=

*グローブ:

うん。

ラテラさんって人がくれたんだ。

=


グローブがボトルを下ろすと、マリヤはロープで器用に編まれた即席のホルダーに目を細めた。


=

*マリヤ:

このロープもラテラさんがやってくれたのかい?

=

*グローブ:

ロープはもらったけど、自分で編んだんだ。

=

*マリヤ:

そうかい……。

お前は本当に、ジェンドの手にそっくりだねぇ。

=


マリヤは優しく微笑んだ。


=

*マリヤ:

……それにしても、ミルクも、昨日の卵も、こんなにたくさんあるし……。

今夜は夕食後に、プリンキャラメルでもどうだい?

=

*グローブ:

え……どんなの?

でも、絶対に食べる!

楽しみだなあ……。

=

*マリヤ:

あの《共鳴窯》を使って、作ってあげるからね。

=


マリヤは嬉しそうに笑うと、さっそく夕食の準備に取りかかった。


そして夕食後――


=

*マリヤ:

ほら、これがデザートのプリンキャラメルだよ。

=

*グローブ:

わあ……美味しそう!

=


――パクッ。


=

*グローブ:

美味しい……。

味はプリンだ!

=

*マリヤ:

ほほほ。

私も初めて食べた時は驚いたよ。

あまりの美味しさにね。

=


そして食事が終わり、グローブが一人になると――


=

*グローブ:

おじいちゃんか……。

=


グローブはベッドに入ったものの、初めて聞いた祖父の話が頭を離れず、なかなか眠れなかった。


=

*グローブ:

どんな人だったんだろう……。

=


胸元の《虹のオーブ》にそっと触れた、その瞬間だった――


◇◇◇


=

*???:

行きなさい……。

『オパールマウンテン』の山頂へ行きなさい。

=

*グローブ:

また、この声だ。

=


意識が吸い込まれるように深い闇へと沈んでいく。


=

*???:

これを持って行きなさい。

=


闇の中から現れたのは、八色の笛だった。


=

*???:

これは《虹の笛》です。

今は、あなたの祖母――

マリヤが持っています。

=


八色の笛は、呼応するように淡い光を放った。


=

*???:

この笛を携え、『オパールマウンテン』の山頂を目指しなさい。

=


笛の放つ八色の光が、視界を埋め尽くすほどに強くなっていく。


その眩しさに、グローブが目を細めた。


◇◇◇


次の瞬間――

ハッと目を開けると、ベッドの中だった。


=

*グローブ:

……《虹の笛》?

=


挿絵(By みてみん)


画像はイメージです。

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