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G【虹のシンフォニー】  作者: 左と右(SATOWU)マコト
第二章:自由の国ルビスタン(全16話)030-045
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第031話:五つの色


第二章:自由の国ルビスタン


―前回のあらすじ―


グローブは『ジュエリオ島』へ向かう船の中で、出発前夜に交わしたチサトとの約束を思い出した。


デッキに出た彼の目の前には、『オパールマウンテン』でしか見ることができなかった青空が広がっていた。



ヴォォォォォーー。


船から響き渡る汽笛の音。


ぼんやり地平線を眺めていたグローブに、不意に誰かが声をかけてきた。


=

*男性:

オイッスー!

もういっちょ、オイッスー!

=

*グローブ:

うわっ……!?

=


その声にグローブは、驚いて振り返った。


=

*男性:

グローブ、どうした?

そんなにおっかない顔して……。

船酔いでもしたのか?

=

*グローブ:

あっ、イカリヤさん。

いえ……大丈夫です。

ただ、島の外に出るのが、生まれて初めてなので……。

=


声をかけてきたのは、船長のイカリヤだった。


イカリヤは、グローブの背中の聖剣に目を留めた。


=

*イカリヤ:

おい、グローブ。

マリヤの婆さんから、大陸に旅立つとは聞いてたが……。

お前さんが背負ってるその聖剣、どうしたんだ?

=

*グローブ:

あっ、これは……預かりものなんです。

=

*イカリヤ:

ほお……預かりものねえ。

だけどよ……そりゃあエルヴィスが持ってたもんだぜ。

=

*グローブ:

えっ!?

エルヴィス……さん?

=


イカリヤは一瞬、気まずそうに視線をそらした。


=

*イカリヤ:

あ……いや、何でもねえ。

悪りぃ、悪りぃ。

勘違いだ。

忘れてくれ。

=


それからイカリヤは、慌てて話題を変えた。


=

*イカリヤ:

それより『ジュエリオ島』に着いたら、ビックリするぜぇ。

なんたって、あっちの奴らは髪の色が違うからな。

まだお前さんは、このグレーの髪しか見たことないだろう?

=


イカリヤが自分の髪を触りながら言うと、グローブはコクリと小さく頷いた。


=

*イカリヤ:

髪の色は母親から受け継がれるものなんだ。

だから俺のかーちゃんも、お前さんのかーちゃんも、髪の色はグレーってことさ。

=


グローブは興味津々といった様子で、続きを待った。


=

*イカリヤ:

さらに言うと、瞳の色は父親から受け継がれるんだ。

=

*グローブ:

ボクの瞳はグリーンで、おばあちゃんの瞳はパープルだ。

でも、チサトたちは三人ともグレーの瞳だったよ。

=


イカリヤは頷き、話を続けた。


=

*イカリヤ:

髪と瞳の色は、それぞれ五種類あるんだぜ。

今は、いろんな色が混ざり合ってるけど、それぞれの色には、もともとの起源があるのさ。

ブラウンが東。

ネイビーが西。

グリーンが南。

パープルが北。

そして俺たちグレーが、中央ってわけだ。

=

*グローブ:

……ということは、ボクのお父さんは南の国の出身ってこと?

=

*イカリヤ:

まあ、そういうことになるな。

お前さんの、とーちゃんのとーちゃんが、他の国へ移ってなけりゃな。

色が違うからって、特に違いはねえけど……。

今みたいに、ルーツが分かるんだよ。

ただし、グレーの髪だけは特別な波長を持ってるんだぜ。

まあ、俺は使えねえけど……。

お前さんのじいさん、ジェンドは得意だったみたいだけどな。

=

*グローブ:

おじいちゃんに、お父さん、お母さんか……。

=


グローブは自分の手のひらを見つめ、少し考えてから頷いた。


=

*グローブ:

そうなんですね。

すごく勉強になりました。

ありがとうございます。

=

*イカリヤ:

ちなみに、大陸にはグレーの髪は滅多にいないから、めちゃくちゃ目立つぞ。

=

*グローブ:

えっ……。

目立つなんて、嫌だなぁ……。

=


イカリヤの言葉に、グローブは思わず自分の前髪に手をやった。


グローブは「目立つ」という言葉が気になって、イカリヤが話しかけても、もう聞こえなくなっていた。


=

*イカリヤ:

ダメだこりゃ……。

=


イカリヤが苦笑いして、グローブの肩を軽く叩いた。


=

*イカリヤ:

じゃあな、俺は仕事に戻るぜ。

いい旅にしなよ!

=


そう言うとイカリヤは、足早に去っていった。


グローブは自分の前髪をくしゃくしゃと掻き回しながら、大きなため息をついた。


快晴の空を見上げると、聖剣の柄が頭に当たった。


=

*グローブ:

そういえば……。

エルヴィスさんって、いったい誰なんだろう……?

この聖剣を持ってたって言ってたけど……。

=


水平線の彼方に『ジュエリオ島』の姿が――

うっすらと見えた。


=

*グローブ:

あれが……『ジュエリオ島』か……。

そして――

あそこには、いろんな髪の色の人たちがいるんだ……。

どんな人たちに出会えるんだろう。

楽しみだな……。

=


ヴォォォォォーー。


挿絵(By みてみん)


画像はイメージです。

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