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G【虹のシンフォニー】  作者: 左と右(SATOWU)マコト
第一章:止まない雨の島(全22話)001-022
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第021話:モーレツパスタ


第一章:止まない雨の島


―前回のあらすじ―


《神秘のマナ》の製作に失敗したグローブは、【緑】と【紫】の《エデンの実》にまつわる過去をマリヤから教わった。


そしてマリヤは、今度はグローブに『オパールマウンテン』で何があったのかを尋ねた。



グローブは《カリバーン》を抱えて、二階から戻ってきた。


=

*グローブ:

『オパールマウンテン』の山頂で聞こえた声が、この聖剣を持っていきなさいと言ったんだ。

だから、預かってきたんだよ。

=

*ナギ:

預かってきた?

=

*グローブ:

うん、これを必要とする人に渡せって。

=

*ナミ:

そう……。

あんたがもらったわけじゃないんだね。

=

*グローブ:

それと、このブローチも……。

《コードリンク》っていう紋章なんだけど……。

=

*チサト:

ダメ……!

それはグローブから離れると危ないから、絶対に触っちゃダメだよ!

=

*ナギ:

どういうことだ?

=

*チサト:

私が最初に触ったら、「バチィッ!」ってなったんだよ。

それで、気絶したんだから!

……精霊さんたちに助けてもらったんだけど……。

=

*ナミ:

まあ……それは危ないねぇ。

=

*グローブ:

うん。

なぜか、ボクが身につけている間は大丈夫みたいなんだけど……。

だから置き忘れてても、触らないでね。

あと……これを身につけてたら、ボクを待ってる人が分かるらしいんだ。

=


マリヤは《カリバーン》と《コードリンク》を、どこか懐かしむような眼差しで見つめていた。


=

*グローブ:

それに……。

この諸島の八つの都市を巡り、そこで暮らす人々を見て、「罪悪」を感じなさいって言われたんだ。

そうすれば、『グレーダイヤモンド島』の雨が止むかもって……。

=

*マリヤ:

……そうかい。

ありがとう、話してくれて……。

=


マリヤはグローブの目を真剣に見つめた。


=

*マリヤ:

グローブ……。

それじゃあ、『グレーダイヤモンド島』を出て行くんだね。

=

*グローブ:

うん……。

=

*マリヤ:

ああ。

だけど、私からも頼みたいことがあるんだ。

=

*グローブ:

えっ、おばあちゃんからも……?

=

*マリヤ:

お前のお母さんにはねぇ……。

お兄さんがいてね。

=

*グローブ:

お母さんのお兄さん……?

=

*マリヤ:

そう……お前のおじさんだよ。

そのおじさんが『メロディア島』にいるんだよ。

=

*グローブ:

『メロディア島』……。

=

*マリヤ:

『メロディア島』には一つだけ街があってね。

その街に、おじさんが住んでるんだ。

ガクトって言うんだけど。

お前が持ってる《虹の笛》を、ガクトに見せてほしいんだ。

=

*グローブ:

うん……分かった。

=


グローブは大きく深呼吸して、マリヤの目を見た。


=

*グローブ:

それじゃあ、ボクがこれからやらないといけないことは――

この聖剣を必要としている人に届けること。

『メロディア島』に住む、ガクトおじさんに《虹の笛》を見せること。

そして、八つの都市を巡って「罪悪」を感じることだね。

=


マリヤは大きく頷いた。


=

*マリヤ:

そうと決まったら、さっそく準備しなきゃねぇ。

=

*グローブ:

えっと、何をすればいいの?

=

*マリヤ:

そうだねぇ。

これから向かう『ジュエリオ島』や『メロディア島』は、ここ『グレーダイヤモンド島』とは違うんだよ。

人の物を勝手に持って行ったり、強引に奪い取る人だっているんだ。

=

*グローブ:

……人の物を……奪う……?

=

*マリヤ:

ああ、お前のその《コードリンク》は大丈夫だろうけど……。

他のものは、そうはいかないよ。

だからね……どこでもここでも、ものを置きっぱなしにしちゃダメよ。

=

*グローブ:

そっかー、そうなんだ……。

……それじゃあ、バッグを作るよ。

盗まれないようにするか、盗まれてもすぐに見つけられるように工夫するよ。

=

*マリヤ:

それがいいねぇ。

=


グローブが立ち上がり、さっそく準備をしようとすると――


=

*ナギ:

おいおい、グローブ!

マリヤさんに言われたそばから、大事な聖剣を置きっぱなしじゃねえか。

=


ナギは立てかけられていた《カリバーン》をグローブに手渡そうと、その柄を握った。


――だが、ピクリとも動かない。


=

*ナギ:

なんだあ?

この重さは……。

お前、よくこんな重てえもん、持って帰ってきたな。

=

*グローブ:

持つだけなら、そんなに重くないよ。

=

*ナミ:

ちょっと、私にも貸して。

=


ナミも聖剣の柄を持ち、引いてみるが、やはり動かない。


=

*ナミ:

あら……本当にビクともしないわね。

=

*マリヤ:

聖剣も、置きっぱなしにしても大丈夫って分かったけど……。

用心しなさいよ。

=

*グローブ:

うん、そうだね。

=


マリヤは一言も喋らないチサトをチラッと見た。


=

*マリヤ:

それじゃあ、今日はみんなでパスタでも食べましょう。

まだたくさん、素材があるからねぇ。

《スウィートウィート》で麺。

《カウカーム》のミルクでクリームソース。

《ヘンブレス》の卵でオムレツ。

《エンジェルティア》で味を調えれば――

《モーレツパスタ》の完成だよ。

=

*グローブ:

えっ、なにそれ?

=

*マリヤ:

えっ、聞くのかい?

牛さんの「モー」とオムレツの「レツ」で「モーレツ」だよ。

=


その意味を聞いたチサトが少し笑った。


=

*チサト:

ふふっ。

名前は面白いけど、普通に美味しそう。

=

*マリヤ:

ホホホ、いいだろう?

さっき思いついたんだけどねぇ。

=

*グローブ:

おばあちゃん、ボクも手伝うよ!

これは《共鳴窯》で作るの?

=

*マリヤ:

どっちでも作れるよ。

だけど、お前が作り方を覚えられるように、今日は普通に作りましょうね。

=

*グローブ:

うん!

=

*チサト:

私も手伝いたい!

=

*マリヤ:

じゃあ、みんなで作りましょう!

=


やがて、美味しそうな匂いがしてきた。


=

*マリヤ:

さあ、できたわよ!

=


テーブルの上に、湯気の立つ大皿が置かれた。


=

*ナギ:

おお、これはうまそうだな!

=

*ナミ:

ふふっ。

量もモーレツね。

=

*グローブ:

ボクも手伝ったんだよ!

=

*チサト:

うんうん。

グローブも頑張ってた。

=

*マリヤ:

さあ、いただきましょうね。

=

*グローブ:

それじゃあ、いただきまーす!

=


グローブはフォークで麺をすくい、大きな口を開けて頬張った。


=

*グローブ:

ん~っ、おいしい!

=

*チサト:

本当……フワッフワで、トロットロだよ……。

=


マリヤも、ナギもナミも、みんな笑顔になった。


挿絵(By みてみん)


画像はイメージです。

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