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G【虹のシンフォニー】  作者: 左と右(SATOWU)マコト
第一章:止まない雨の島(全22話)001-022
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第020話:神秘のマナ


第一章:止まない雨の島


―前回のあらすじ―


『アレキサンドライトの泉』で、グローブとチサトは初めて唇を重ねた。


無事に《ハルモニアの水》も手に入り、《神秘のマナ》の素材がすべて揃った。



グローブはテーブルに並べられた素材を、丁寧に混ぜ合わせていった。


《ヘンブレス》の卵。


《カウカーム》のミルク。


《エンジェルティア》。


《トラベリー》。


《スウィートウィート》。


《ハルモニアの水》。


【緑】と【紫】の《エデンの実》。


そして――

ついに一つの生地が練り上がった。


=

*グローブ:

よし、出来たよ。

おばあちゃん!

=

*マリヤ:

ありがとう、グローブ。

それを《共鳴窯》に入れてちょうだい。

=


グローブは生地を《共鳴窯》へと入れた。


=

*マリヤ:

それじゃあ、グローブ。

私が合図したら《昇華のプレリュード》の旋律を奏でるんだよ。

=


グローブは静かに頷いた。


マリヤが合図をして、《共鳴窯》を起動すると同時に、グローブの演奏が始まった。


途切れ途切れの旋律が、リビングに響く。


次の瞬間――

《共鳴窯》の隙間から黒い煙が立ち上った。


ナギとナミは小さく頷く。


グローブはがっくりと肩を落とし、途中で演奏をやめてしまった。


《共鳴窯》の中からは、黒く焦げついた苦い匂いが漂っていた。


=

*マリヤ:

グローブ、ごめんねぇ。

原因は、その《虹の笛》なんだ。

お前のせいじゃないんだよ。

=

*グローブ:

……音が途切れちゃうから?

=

*マリヤ:

ああ、そうだよ。

=


その時――

グローブの目に【緑】と【紫】の《エデンの実》が映った。


=

*グローブ:

……おばあちゃん。

聞きたいことがあるんだ……。

=

*マリヤ:

なんだい?

=

*グローブ:

ノートに書いてあったことなんだけど……。

【緑】の《エデンの実》で戦争が始まって――

【紫】の《エデンの実》で戦争が終わったって、どういうこと?

=

*マリヤ:

そのことだね……。

……分かったよ。

【緑】と【紫】の《エデンの実》で出来上がったマナのことを、ちゃんと話すよ。

=


マリヤはグローブを優しく見つめた。


=

*マリヤ:

ジェンドはまず――

【緑】の《エデンの実》を使って、《神秘のマナ》を作ったんだ。

ジェンドに勧められて、私もそれを食べた。

すると、驚くほど「やる気」が上がったんだよ。

私たちは喜んだ。

ついに完成したんだって。

それで、この諸島にある八つの都市のリーダーに配って回ったんだ。

ところが、それから数ヶ月後――

八つの都市を巻き込む戦争が始まってしまった。

=


グローブたちは固唾を飲んで、その話を聞いた。


=

*マリヤ:

私たちは考えた。

もしかしたら、戦争の原因が《神秘のマナ》だったんじゃないかって。

それで次に――

【紫】の《エデンの実》を使って、《神秘のマナ》を作ったんだ。

まず、ジェンドが食べたんだけど、あの人の「やる気」は、みるみる下がっていったよ。

私は戦争を止める方法は、これしかないと思って、再び八つの都市のリーダーたちに、それを配って回った。

すると――

戦争は、少しずつ終息へ向かっていった。

=


グローブはテーブルに残っていた二つの《エデンの実》を手に取った。


=

*グローブ:

それだと【緑】の実も【紫】の実も危険だよね。

=

*マリヤ:

確かに、そう思うよねぇ。

でも、そんなに単純じゃないんだよ。

お前たちも《エデンの実》を食べて、頭が冴え渡ったり、感情が高まったりしたことがあるだろう?

《共鳴窯》で出来上がる《神秘のマナ》は、それとはまったく違う作用を持っているんだよ。

=

*グローブ:

そうなんだ……。

=

*マリヤ:

ああ。

《神秘のマナ》は本来――

「人が人を思いやるもの」でなければならない。

だから、どちらも私たちが本当に目指していた《神秘のマナ》ではなかったんだ。

=

*グローブ:

じゃあ……本物の《神秘のマナ》なんて、おとぎ話なの?

=

*マリヤ:

そうかも……しれないねぇ。

だけど、私もジェンドもずっと信じていたんだ。

いつか、本物が必ず出来るってね。

=


マリヤはグローブの目を真剣に見つめた。


=

*マリヤ:

グローブ……今度は私から質問するよ。

『オパールマウンテン』で何があったか教えてくれるかい?

=


グローブは静かに頷くと、『オパールマウンテン』で手に入れた《カリバーン》を取りに二階へと駆け上がっていった。


挿絵(By みてみん)


画像はイメージです。

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