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G【虹のシンフォニー】  作者: 左と右(SATOWU)マコト
第一章:止まない雨の島(全22話)001-022
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第014話:落下の記憶


第一章:止まない雨の島


―前回のあらすじ―


グローブとチサトは岩屋の外で、満天の星と三日月の夜空を眺めた。


そして眠りについたグローブは、八色の光をまとった不思議な存在から、『ジュエリオ島』と『メロディア島』を巡る使命を託された。



=

*グローブ:

おはよう、チサト。

=

*チサト:

うん、おはよう。

……って、人の寝顔ずっと見てたんじゃないでしょうね!?

=

*グローブ:

うん、見てたよ。

=

*チサト:

ちょっとぉー、やめてよー!

=

*グローブ:

違うんだ……昨日の夜、不思議な八色の光が現れて、『ジュエリオ島』と『メロディア島』の「罪悪」を感じろって言われたんだ。

=

*チサト:

ふーん……何が違うのか、分かんないけど……。

「罪悪」って何?

=

*グローブ:

正直、ボクも分かってないんだ……。

=

*チサト:

なにそれ。

それで……島から出るの?

=

*グローブ:

うーん……まだ分かんない……。

とりあえず、山頂に聖剣があるみたいなんだ。

=

*チサト:

そう……。

=


チサトはグローブが遠くへ行ってしまうような気がした。


=

*チサト:

あ……そうだ!

朝日、朝日を見よっ!

=

*グローブ:

そうだね。

=


グローブはチサトと一緒に、明るくなり始めた岩屋の外へ出た。


=

*チサト:

たぶん、もうすぐだよ。

太陽が昇るのは……。

=

*グローブ:

どこから昇るの?

=

*チサト:

きっと、あのあたり。

=


二人は肩を並べて、東の空が白むのを待っていた。


=

*チサト:

すぅーっ……はぁー……。

ねぇ、グローブもやってみてよ。

=

*グローブ:

すぅーっ……はぁー……。

=

*チサト:

ねっ。

=

*グローブ:

なにが?

=

*チサト:

気持ちいいでしょ!

=

*グローブ:

うん……そうだね。

=


朝の光が『オパールマウンテン』の八色の岩肌を鮮やかに照らし出した。


=

*チサト:

うわぁ!

岩が光ってる……。

世界中が輝いてるみたいに……まぶしいよ。

=

*グローブ:

本当だ……。

それに……なんか、顔が温かいね。

=


今まで感じることができなかった、本物の太陽の温もり。


二人はそれを全身で確かめるように、しばらくの間、無言で朝日を浴びていた。


=

*グローブ:

じゃあ……そろそろ行こう。

=

*チサト:

うん!

あとちょっとだもんね。

山頂まで。

でも、どうやって行くんだろう……?

=

*グローブ:

岩屋の裏に道があるよ。

=


二人が岩屋の裏手へ回り込むと――

そこには、不気味な石像が立っていた。


=

*チサト:

きゃあぁぁぁ!!

=


そこにあったのは、人の背中に翼が生えたような、異様な姿の石像だった。


=

*グローブ:

な、なんだこれ?

……なんで、こんなところに、こんな不気味なものがあるんだ?

=

*チサト:

こ、これって……まさか……。

=


チサトは青ざめた顔のまま、言葉を失ってしまった。


グローブが、その石像の手に握られた杖を見ていると――

先端が一瞬だけ淡く輝いた。


それと同時に、グローブの腰に差してあった《虹の笛》が、まるで石像の杖に応えるように淡い光を放った。


笛から放たれた光は大きくなり、グローブの身体をすっぽりと包んだ。


目の前の景色が歪み、グローブの意識は遠い過去へと引き込まれていった。


その瞬間――

グローブの意識は、『オパールマウンテン』の遥か上空にあった。


◇◇◇


=

*グローブ:

これは……前に見た光景と同じだ……。

=


グローブは真っ逆さまに落下しながら、無意識に指を動かしていた。


=

*グローブ:

あっちが北だから……。

=


北から、西へ。

西から、南へ。

南から、東へ。

そして東から中央へ――

円を描くように指先を走らせた。


=

*グローブ:

やっぱり……【G】……だ。

=


次の瞬間――

猛烈な勢いで真っ逆さまに落下していく。


=

*グローブ:

うわあぁぁぁーーーっ!?

=


地面が、急速に迫ってくる。


その時――

《疾風のエチュード》の旋律と、聞き覚えのある二つの声が響いた。


=

*ラテラ:

ルアン~、いくよ~!

=

*ルアン:

いいわよ。

=


火の精霊ラテラと水の精霊ルアンが、ものすごいスピードで、水蒸気を発生させていた。


グローブの身体が地面に叩きつけられる直前――

――ふわっ……。


水蒸気のクッションが、グローブの身体を優しく包み込んだ。


その直後、旋律は《安寧のノクターン》へと変わった。


二つの旋律には、グローブが奏でた時とは違い、抜け落ちた音がなく、美しく完全な響きが満ちていた。


◇◇◇


=

*チサト:

グローブ、グローブ?

大丈夫……?

=


チサトの声に目を覚ましたグローブは、自分が地面に倒れていることに気づいた。


=

*グローブ:

う、うん……。

大丈夫……。

=

*チサト:

なんか、すごくまぶしかったよ。

それで目を閉じてたんだけど……。

目を開けたら、グローブが倒れてたから……。

本当に大丈夫?

=

*グローブ:

ちょっと……昔の記憶が、少しだけ戻ったんだ。

ボク、ここに来たことがあるみたい……。

=

*チサト:

えっ!?

=

*グローブ:

……ここで、ルアンさんとラテラさんに助けてもらったみたいなんだ。

=

*チサト:

そうなの!?

じゃあ、ルアンさんとラテラさんは、昔からグローブのこと知ってたんだ……。

=

*グローブ:

そうみたいだね……。

それより、早く山頂に行かないと……。

=


グローブは立ち上がり、山頂に視線を移した。


挿絵(By みてみん)


画像はイメージです。

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