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G【虹のシンフォニー】  作者: 左と右(SATOWU)マコト
第一章:止まない雨の島(全22話)001-022
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第013話:三日月


第一章:止まない雨の島


―前回のあらすじ―


『オパールマウンテン』を登るグローブとチサトは、ついに雨雲を抜けた。


そこで二人が目にしたのは、藍色と茜色が混ざり合う、美しい夕空だった。



=

*チサト:

昔、見た空と同じだ……。

=

*グローブ:

うん、そうだね。

=

*チサト:

えっ?

=

*グローブ:

この空、見た瞬間に――

なんか「見たことある」って感じがしたんだ。

=


チサトは、驚いたように目を見開いたあと、どこか安心したように微笑んだ。


それから、下から吹き上げる風を感じて視線を落とした。


すると、灰色の雨雲が島を包み込むように広がっているのが見えた。


=

*チサト:

グローブ……下……。

下を見て。

=

*グローブ:

本当に島全体が、雲に包まれてるんだ。

=

*チサト:

少し……怖いかも……。

=

*グローブ:

ボクは全然怖くないよ。

……なんだか、雲が守ってくれてるみたいだから。

=

*チサト:

……そう……?

=


日が沈むにつれて、あたりは急速に暗くなっていった。


=

*グローブ:

急がなきゃ……。

=

*チサト:

あっ、あそこじゃない?

お母さんが言ってた岩屋って。

=

*グローブ:

たぶん、そうだよ。

走ろう。

=


二人が岩屋にたどり着いた時には、すっかり日も落ちていた。


=

*グローブ:

はあ、はあ、はあ。

=

*チサト:

あー、疲れたー。

……とりあえず、火、点けるね。

=

*グローブ:

うん、お願い。

=


チサトは小さなランプに火を灯した。


=

*チサト:

なんかさぁ……。

すごい、静かだよね。

=

*グローブ:

うん……。

雨の音に慣れてるから、静かすぎて、怖いよ。

=

*チサト:

ふふっ、グローブって面白いね。

あの島を包む灰色の雲は、怖くないのに――

静かなのは、怖いんだ?

=


そして――

食事を終えた二人は、気分転換に岩屋の外へ出てみることにした。


=

*チサト:

す、すごーい……!

キラキラしてる。

=

*グローブ:

本当だ……。

ひとつだけ、大きいのがあるけど……。

あれが「月」だよね。

=

*チサト:

うん。

あれはたぶん、三日月だね。

=

*グローブ:

三日月?

=

*チサト:

月は毎日、形を変えるんだよ。

=

*グローブ:

えっ、そうなの?

ボクが見たことある本では、あの形しか載ってなかったよ。

=

*チサト:

えっと……満月って聞いたことない?

まんまるの月のことなんだけど。

=

*グローブ:

あっ、ある……。

=


二人は初めて並んで見上げる夜空に、夢中になっていた。


=

*グローブ:

夜って、こんなに綺麗だったんだね。

=

*チサト:

うん。

=


二人は眠くなるまで夜空を眺め、やがて岩屋に戻り、眠りについた。


◇◇◇


=

*???:

よくぞ、来てくれました。

グローブ。

=


グローブはハッとして、身体を起こした。


導かれるように岩屋の外に出ると――

そこには、淡い八色に揺らめく神聖な光が漂っていた。


それは鳥のようでもあり、獣のようでもある。


形があるようで、形がない。


近くにいるのか遠くにいるのかさえ、分からない。


不思議な感覚だったが、恐怖はなかった。


=

*???:

私があなたを呼んだのは――

この諸島にある「罪悪」を感じてほしいからです。

=

*グローブ:

「罪悪」……?

=

*???:

この諸島には、『グレーダイヤモンド島』のほかに、二つの島があります。

『ジュエリオ島』と『メロディア島』です。

そこには、あなたの知らない「罪悪」があります。

=

*グローブ:

『ジュエリオ島』と『メロディア島』……。

=


グローブは、目の前に揺らめく八色の光を見つめた。


その光は、まるで何かを訴えかけるように、静かに明滅していた。


=

*???:

その二つの島には、八つの都市があります。

一つ一つの街を訪れ、そこで暮らす人々を見てきなさい。

そして感じなさい。

=

*グローブ:

どうして、ボクが……?

=

*???:

そうすれば、この島の雨を止めることができるかもしれません。

明日、山頂の祠に向かいなさい。

そこには《カリバーン》という聖剣があります。

=


その言葉が消えると同時に、八色の気配は、強烈な光を放ち始めた。


あまりのまぶしさに、グローブは思わず目を閉じた。


◇◇◇


グローブはいつの間にか、岩屋の中で横になっていた。


そして、あの不思議な気配は、完全に消えていた。


岩屋の外は、ぼんやりと白み始めていた。


=

*グローブ:

聖剣、《カリバーン》……。

なんで、ボクに剣なんだろう?

戦わなきゃダメなの?

ボクには、絶対に無理だよ……。

=


グローブは胸の鼓動を抑えながら、チサトが目覚めるのを待っていた。


挿絵(By みてみん)


画像はイメージです。

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