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G【虹のシンフォニー】  作者: 左と右(SATOWU)マコト
第一章:止まない雨の島(全22話)001-022
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第011話:緑の実の謎


第一章:止まない雨の島


―前回のあらすじ―


《ヘルプリン》によって、火の精霊ラテラと水の精霊ルアンを呼び出せることが分かった。


チサトもグローブとの旅を決意し、二人は『オパールマウンテン』へ向けて準備を始めた。



翌朝――

グローブ、チサト、ナギ、ナミの四人は、自宅の前でマリヤに見送られていた。


=

*マリヤ:

グローブ、チサト。

気をつけて行くんだよ。

ナギさんとナミさんは、登山口の門のところまでお願いしますね。

=


マリヤはそう言うと、「山門の鍵」をナギに手渡した。


=

*ナギ:

よし……じゃあ、そろそろ行くか!

=


『オパールマウンテン』は、自宅の裏に広がる『カオスの森』を通り抜け、『アレキサンドライトの泉』を越えた先にある。


=

*グローブ:

この『カオスの森』って、なんか出てきそうだよね。

……ボクの家のすぐ裏だけど、おばあちゃんに「入るな」って言われてたから……。

森に入るのは今日が初めてなんだよね。

……ちょっと怖いかも。

=

*チサト:

大丈夫だよ。

何にも出ないよ。

=

*ナギ:

だが、この一本道を真っ直ぐ行けば、危険はないけど……。

道から外れると、どこを歩いているのか分からなくなるからな。

=

*ナミ:

でも、道を外れさえしなければ、危険はないわ。

……迷ったら抜け出せないって意味で『カオスの森』っていうのよ。

=

*チサト:

私は何度も、お父さんとお母さんと三人で、『アレキサンドライトの泉』まで行ったことあるから――

今は一人でも、泉まで行けるんだよ。

=


胸を張るチサトの頼もしい言葉に、グローブの引きつった顔にも、ようやく笑みが戻った。


そうしているうちに、目の前に広がる光景に、グローブは思わず息を呑んだ。


=

*グローブ:

す、すごい。

ここがチサトが前に教えてくれたところだよね。

昼は【緑】で――

夜は【紫】って。

=

*チサト:

うん、そうだよ。

でも、私も夜に来たことないから、【紫】になった泉は見たことないんだけどね。

=

*グローブ:

……そういえば……ここ……。

ボクが夢で見た場所と、まったく同じだ。

=


ぽつ……ぽつ……ぽつ……。


グローブは周囲に耳を澄ませると、どこか不思議そうに小首を傾げた。


=

*グローブ:

あれ……夢の中では、川と同じ「しゃん、しゃん、しゃん」って音がしてたんだ。

この泉の水が、川に流れているんだよね?

=

*チサト:

そうだよ。

だけど……グローブが言うように、川と同じなら、ここも「しゃん、しゃん」って音がしてもいいはずだよね。

何度か来たことあるけど、気づかなかったよ。

=


景色の完璧な一致と、音の不一致。


グローブは胸の奥に小さな違和感を覚えたが――

それよりも前方にたたずむ神秘的な大樹の存在が気になっていた。


=

*グローブ:

泉の真ん中に、ものすごく大きな木が立っているよ。

=

*チサト:

あれは『ガイアの木』だよ。

=

*グローブ:

じゃあ、あの木に《エデンの実》が実ってるの?

=

*チサト:

そうだよ。

=


そんな会話を交わしながら、四人は『ガイアの木』の根元へとたどり着いた。


見上げれば、【緑】の《エデンの実》が、無数に実っていた。


=

*グローブ:

……確か……。

【緑】の《エデンの実》は危険だから、採らない方がいいんだよね?

=

*チサト:

えっ、なんで!?

=

*グローブ:

おじいちゃんの研究ノートに書いてあったんだ。

「【緑】の《エデンの実》で戦争が始まって」……。

「【紫】の《エデンの実》で戦争が終わった」って。

=

*チサト:

えっ、ウソ!?

【紫】の実もあるの?

……知らなかった。

でも、【緑】の《エデンの実》は危険じゃないよ!

=

*グローブ:

なんで、危険じゃないって、言い切れるの?

=

*チサト:

それは、食べたことがあるからだよ!

=

*グローブ:

えっ!?

=

*ナギ:

なるほど……。

ジェンドさんのノートに、そんなこと書いてたのか。

じゃあ、昔、何かあったのかもしれないな。

だけどな、グローブ。

この【緑】の《エデンの実》は、本当に危険じゃないぞ。

=


そう言うとナギは、【緑】の《エデンの実》を一つもぎ取って、かぶりついた。


=

*ナギ:

うん、美味い!

=

*グローブ:

本当に大丈夫……?

=

*ナギ:

ああ、何ともねえぜ。

なんなら、目が覚めるみたいに、頭が冴えわたってきてるぜ。

=

*チサト:

それにグローブも、もう食べてるんだよ。

=

*グローブ:

えっ、どういうこと?

=

*チサト:

グローブの誕生日のお弁当に使った隠し味って――

この【緑】の《エデンの実》だもん。

=

*グローブ:

えーーーっ!!

そうだったの?

あの頭が「シャキーン」ってなる隠し味って、これだったの?

=

*チサト:

そうだよ。

=

*グローブ:

それじゃあ、おじいちゃんは、なんでノートにあんなことを書き残したんだろう……?

=

*ナミ:

グローブ……。

アンタ、ジェンドさんのノート、何か読み飛ばしたんじゃない?

=

*グローブ:

うーん……そうなのかな……。

でも、そうかも。

急いで読んでいたから、何か大切な部分を読み飛ばしちゃったのかも……。

=


グローブは、お弁当の美味しさの秘密に納得しつつも、祖父が残した不穏な言葉が頭から離れなかった。


あの「戦争」という二文字。


なぜ、【緑】の《エデンの実》で戦争が始まったのか?


なぜ、【紫】の《エデンの実》で戦争が終わったのか?


《神秘のマナ》の素材をすべて集めれば、その理由が分かるのだろうか?


そして――

『オパールマウンテン』には何があるのか?


グローブは目の前にそびえる巨大な山を見上げていた。


挿絵(By みてみん)


画像はイメージです。

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