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第五話 本と杖そして魔法

「実習、ね」


私には実習なんてほとんど意味がないので、やりたくないのだが、点数のためには仕方がない。


拳銃を片手に狙撃場に向かう。


もうみんな着いていたようで、各々練習を始めている。


「はあ、やるかー」


銃を構え、狙いを定める。


そして一発


「はずれだね」


「わかってますよ」


外れたのをわざわざ先生が言いに来た。


言われなくてもわかっているのに


「もっと練習しなさいよ。自衛のためにも」


「自衛なんて、これで十分ですよ」


私は手のひらから、炎を出して見せた。


「はあ、何度も言っているだろう。インキュラムサイト製の鎧の前では無力であると」


「そう、かもしれませんね」


手のひらに浮かぶ炎を消し、もう一度銃を構える。


「狙いを引き絞って、撃つ!」


結構自信はあったがまた外れてしまった。


「この調子じゃ、試験に受かれないぞ」


「うう、なんとかします」


そういうと、先生は他の生徒を見に行ってしまった。



(ずる、しちゃおうかな)


それはだめだ、と首を横に振り、こっそり魔法の練習をすることにした。


だって、こっちの方が楽しいんだもの。




家、という名の探索者組合に帰って来て、アウラの部屋に入る。


その時、なにか妙な気配を、押し入れの中から感じた。


「なんだろ」


引き寄せられるように開けてみると、一通の手紙と、分厚い本、そして凄そうな杖がご丁寧に置いてあった。


「もしかして、アウラ姉さんが?」


手紙を見てみる。


その内容は、アウラが戦争に呼ばれることを察していたこと。私がいなくなった時、これに気づいてくれるようにしておいたこと、本と杖について書かれていた。


「この本、本当に魔法について書かれている。もうないと思っていたのに」


この国にある本は私が持っている一冊と、学校で保管されている物を除いて、すべて処分されてしまった。


だから、もう新しい魔法を覚えることはできないと思っていた。


「これで、新しい魔法を覚えれる」


私は、新しい魔法には目がないのだ。



夕飯を食べるのも忘れて、魔法の勉強に没頭していた。


寝る前、空を見上げていた私は何か妙な胸騒ぎがした。

(なんだろう。この気持ちは)




次の日


今日も学校でこっそり魔法の勉強をしようと思った時、本都に警鐘が鳴り響いた。


「な、なに?」


学校に行く途中だったので、急いで向かう。


校門まで行くと、先生がいて生徒を誘導していた。


「何があったのですか?」


「魔物だ、魔物の軍勢がこちらに向かってきている」


急いで、屋上に向かう。


みんな、すでに避難しているようで人っ子一人いなかった。


「魔法は想像。飛べよ。飛行魔法」


空に飛び、周りを見る。


「強化せよ。身体強化魔法 目」


視力を強化してみると、遠くに、確かに魔物の軍勢が見える。


「この世にたった一つの杖「始まりの杖」を使う時がこんなにも早くくるとはね」


杖を構え、魔力を込めていく。


激しい爆発音が聞こえてくる。戦闘が始まったのだろう。


私は、アウラ姉さんから貰った一着の服を羽織る。


フードを被り、顔を見えないようにしてから、戦場へと飛んでいった。

今回の章はいかがでしたか?

面白かったり改善点等があればぜひ感想欄で教えてください。

今後ともよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
近未来的な設定と王道ファンタジーの融合が魅力的なエピソードでした。 主人公が苦手な銃の代わりに、時代遅れとされる「魔法」で戦場へ赴く姿に胸が熱くなります。姉アウラから託された「始まりの杖」と魔導書を手…
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