↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
2/12

第二話 どうにもならない真実

そして最後に


「はあ、もうみんなこの紙を見て知っていると思うが、この国がまた戦争を始めることになった。次はここから南の国、スキエンティアだそうだ」


スコラ先生は言いにくそうにしながら続けて言った。


「このクラスからも3名ほど、人を出すことになった。決め方はあちらの指示により、実技の成績上位三人となった」


「「なんで!」」


うしろの二人の声が見事にはもった。


「もちろん、嫌なことなのは、こっちも重々承知しているし、できるなら私の可愛い生徒を戦場になど出したくない。だがこれは、国の決定なのだ」


後ろの女子二人はもう泣き崩れそうになっている。だけど、実技成績一位の男子、もといヴィアだけは、まるで予想していたかのように、すました顔をしている。


「それが、国の決定ならば、私たちは従うほかありません。先生、私たちはどうすれば?」


「明日の朝、迎えが来るそうだ。出立の準備をしておいてくれ」


二人の美少女、カーラとサーラは先生がいなくなった後も泣いている。


それを周りの女子たちが慰めている。


「まさか、本当に招集されるとは」


二人と仲が良かっただけに、私も悲しかった。


もう二人と会うことが出来ないかもしれないから。


その日の授業は皆静かだった。休憩時間もいつもならもっと賑やかなのに、今日だけは追悼式のように、しんとしていた。




授業が終わり、やることもないので帰ろうとしていた時、ふと職員室から、話声がした。



まあ、先生がいるので当然といえば、当然だが。


だけど、私はそこでとんでもないことを聞いてしまった。


「どういうことですか!あの子たちはまだ15歳。戦場には立たせないと、約束してくれたのではないのですか!」


すっと、物陰に隠れ、聞き耳を立てると、スコラ先生が誰かに怒っているようだった。


内容は、今朝の件だろうか。


「事情が変わった。あちらには強力な銃撃手がいるらしいのでな。こちらも優秀な者を戦場に立たせることにしたのだ。その方が他の兵士たちの士気も上がるしな!」



「ふざけないでください!まだ、子供ですよ!」


「その文句は国王と国の重鎮に言ってくれ。私に言われても困る」


私は、自分の背筋が凍っていくのを感じた。


(まずい。本当に二度と会えなくなってしまう)


だが、銃の実技赤点の私が騒いだところで変わらないのは分かっていた。




探索者組合までの帰り道


なにか、何かできないのかと自分で考えてみる。


結局、なにも浮かばないまま、家についてしまった。


「あ、おかえり。ってその顔は、何か悲しいことでもあった?」


帰ってくるなりアウラに気づかれてしまった。自分では隠していたつもりなのに。


そう、この人は昔から人の感情に敏感だった。



「今日、学校でね…」


私は、アウラの部屋で今日あったことを、全部話した。


「そうだったのね。ついに、そっちにまで招集がかかっていたのね」


「え、ついにってことは、こっちにも?」


「ええ、一週間ぐらい前に紙が届いたわ。私も、ここの組合長も行かねばならなくなるかもしれない」


「いやだあ!」


私は、アウラに抱き着いた。このまま離したくなかった。


(学校の友達の次は、義母?この国の王は絶対どうかしてる)


だけど、私が一人わめいたところでどうにもならない。


王に面と向かって反論できるのは、宰相か家族、上位貴族ぐらいだろうから。


それから、最後になるかもしれない家族との夜ご飯を食べ、私は床についた。

今回の章はいかがでしたか?

面白かったり改善点等があればぜひ感想欄で教えてください。

今後ともよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。