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第一話 魔法と銃火器

これは、カクヨム甲子園2026に向けて書いている作品です。

せっかくなので、こちらにも投稿することにしました。

少しで面白いと感じていただけたら、幸いです。

魔法、それは誰もが扱うことができ、誰もが憧れるもの。


だが今となっては、銃火器の劣化である、と言われるようになってしまった。





少し、雨の匂いを漂わせる朝、


王国本都の探索者組合の二階、アウラの部屋で私、アヴェーレはいつものように、アウラに朝の支度を手伝ってもらっていた。


「なぜ、魔法は銃に劣るのですか?」


ずっと気になっていたことを、いつもお世話をしてくれる受付嬢のアウラに聞いてみた。


「そうですね、アヴェーレももう十五歳、この国の歴史について知っておいた方がいいかもしれませんね」


私の朝の支度を済ませたアウラは、一冊の分厚い本を取り出し、その中身を私に見せながら説明してくれた。






今から約30年前、この世界の常識を覆すほどの物が発見された。


それは、火薬と呼ばれるものと、インキュラムサイトである。


火薬の発見によって、今まで魔法を使って、使っていた銃火器が火薬で代用できるようになった。


だが、問題はそこではなく、インキュラムサイトの方であった。


この鉱石は魔法を吸収してしまうのである。


この鉱石の発見及び利用によって魔法を使う価値が急激に下がり、代わりに銃火器が台頭するようになった。




「それと、この王国が魔法を軽蔑するのとなんの関係があるの?」


私は不思議でならなかった。だって、インキュラムサイトが出てきて、銃火器が主流になったとしても、魔法を軽蔑する理由にはならない、


「この国は、軍事国家なの。力を手に入れるためなら、魔物だって従えてしまう、だからインキュラムサイトで吸収されてしまう魔法など価値がない、と言ってきたのよ」


「それで…」


へえ、と思いながら、時計を見てみるともう8時を回っていた。


「やっば、もうこんな時間。アウラ続きは帰ってから聞かせてね!」


私は、用意された鞄を持って、学校へと走っていった。


「急がないと!」


アヴェーレの通う本都学校は探索者組合から少しいったところにある。


学校は王城の次に大きく、闘技場や運動場、寮まである。


国中から、生徒が集まる学校である


「ふう、危ない、危ない、みんなおはよう!」


元気に教室に入っていくと、教室の雰囲気がいつもと違うことに気が付いた。


「ねえ、どうしたの?元気ないけど」



私はいつも元気はつらつで教室で話しているはずの、ノーヴァに聞いてみた。


「前の紙を見てみればわかるよ。この部屋の空気が重い理由が」


言われるがままに教卓においてある紙を見る


「え、これって…」


紙を見た私は、言葉を失った。


そこにはこう書いてあった。


【国王より、全国民に通達。戦争開始に伴い、戦争人員を募集する。】


「え、でもこれ、強制って書いてないから、私たちには関係ないんじゃないの?」


「ばかね。一番下を見てみなさい」


よく見てみると、下の方に小っちゃく何かが書いてあった。


【なお、実技の成績が優秀な生徒も人員として派遣することがあるので準備しておくように】


「そんな…」


確かにこれは皆の顔が暗くなるわけだ。自分の意志と関係なく、戦争に駆り出される可能性があるのだから。


「はーい、みんないるね、朝の集会を始めるよ」


みんなの顔が暗い中、私たちの担任、容姿端麗で女子生徒からも女の先生からも人気がある、この国では珍しい赤髪のスコラ先生だけは明るい顔で教室に入ってきた。


先生はまるであの紙に触れたくないかのように、違う話を続けていた。


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