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第十話 救世主

戦況は最悪だった。


敵軍は総勢10万に対し、私たちはたったの3万。


どう考えても勝ち目などなかった。もし、魔法が使えたら、と考えてみるが出来ないな、とすぐに考えるのをやめた。


「お前たち!最後の勝負だ!数で負けているならこちらは質で勝て!」


「「「「「「「うおおおおお!!!」」」」」」」


「行くぞ!カイントス王国軍の意地を見せてやれ!全軍、」


「突撃!」そう言おうとした瞬間だった。


空から、大量の爆弾?が降ってきたのだ。



「な、なんだ」


降り注ぐ爆弾はまるで星の雨のように輝いていた。


「アウラ隊長。これはいったい…」


「こっちが聞きたいくらいだ」


もしや、と思い空を見上げてみると


「鳥?いやあれは、桃髪の…」


ローブの隙間からかすかに見える髪の色は、伝説に謳われる桃髪だった。


「伝説は本当だったのか?」


だが、隣にいたヴィアは苦虫を嚙み潰したような顔をしている。


「あの伝説は魔法を使っていました。しかし、今はインキュラムサイトがある。魔法ではどうにもならないはずですが」


「あの子ならできるさ」


カーラがはっとしたように


「まさか、アヴェーレが来ているというのですか?」


「今時、あんなド派手な魔法使えるの、あの子ぐらいでしょ」


「だけど、あの子は少し怖がりだし、第一ここまで来るのに2週間以上かかるのですよ?」


まあ、そうだよねと思いつつ戦場に再び目を向ける。


「この状況。好機とみるべきか。だがもう一度あの爆撃が来たらわが軍も被害を被ってしまう。どうしたものか」



そう言いつつ、ヴィアになにか策を考えてくれと言おうとしたが、すでに一計出来ているようだった。


まだ傷が完治していないというのに。


「おそらく、大丈夫かと。あのお方は確実にスキエンティア王国軍を狙っておりました」


ならば、と息を吸い


「お前たち!今が好機だ!反転せよ!」


今日一番の大声で叫び、号令をかける。


「アウラ様に続け!カイントス王国軍の強さを見せてやるのだ!」


突撃していく兵士の勇敢なる後ろ姿を見ながら


(アヴェーレ。元気にしてるかな。まだ、魔法に夢を見ているのだろうか)


自分も死を覚悟で、馬に乗った。





「うちの軍師は優秀なんだね」


私の攻撃を見るや否やすぐに攻勢に出るあたり、数々の死線をくぐり抜けてきたのだろう。


私の攻撃によって、敵軍は陣形が崩壊しているが、カイントス王国軍は陣形を整えて、確実に潰しにかかっている。


「次の段階に移行しようか」


杖を振りかざし、極大魔法を唱える。


「降り注ぎたるは矢の雨 守りたるはかけがえのない人々 唱え 現れ 荒れ狂え! 召喚魔法 シレンテ・ベネウォルス!」


私の背後に魔法陣が描かれ、そこから荘厳なる竜が姿を現した。




「な、なんだあれは!」


「わ、わかりません!」


「爆撃の次は竜だと!カイントス王国軍め。とんでもない隠し玉を持っておったな」


スキエンティア王国軍も突然の攻撃に驚き、さらに追い打ちをかけるように竜が現れたことで大混乱となっている。




「いくよ!荘厳竜シレンテ・ベネウォルス!」


「承知!」

今回の章はいかがでしたか?

面白かったり改善点等があればぜひ感想欄で教えてください。

今後ともよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
設定が現代的×ファンタジーで面白くって、話も程よい長さで読みやすかったです!これからも応援してます!
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