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第11話

「えっとつまり…」


「私達は教師だけど、貴方達の先輩でもあるってことだね!」


 その後の、生崎先生の説明により…ある程度分かってきた。


 例えば…俺の部屋があんな風(執務室みたい)になったのは、そこの男の先生二人と、他教師数名による悪乗りが原因だとか…


 先生達の避難所になる予定だった修練場が、「屋外で休むとか論外だろ」という一言で全天候ドームに改修されることになったとか…


 その余波で、木吹き荘も避難所認定されることになったとか…


「いや、自由か!」


「…確かに…無茶苦茶…」


 二人でジト目を向けていると、慌てた様に言い訳を始める。


「かっ改修は、業者じゃなくて生徒がやるから割安だし…」


「木吹き荘弄ったのだって、新作のじっけ…ゲフンゲフン…生活環境を向上させるためだし…」


「べっ別に?ここら辺の権利を握ってる、旧寮総長が昏睡状態だから好き勝手にやった訳じゃないし…」


 おいおい…やってる此方が驚くレベルでボロが出てくるじゃねぇか!


 って言うか何?旧寮総長?そんなのになった覚えないんですけど!


「おい、赤上…それまだ説明してない…」


「赤上?先生?ご説明宜しいですか?」


「ヒィ!目が据わってる!」


「ありゃ、全く説明を受けてないパターンだな…この際に全部絞りだそうという考えが滲み出てるぞ…」


「学園長…面倒くさがったな?」


「それで…説明は?」


「ヒィ!やります!やるからその目を止めて!トラウマが蘇る!」



 そうして、先生達をじんも…ゲフンゲフン…説明をしてもらった結果、色々と見えてきた。


 その昔…旧寮側の生徒と、新寮側の生徒で争いがあったと…


 旧寮の寮長を束ねていた生徒を旧寮総長、新寮の方を新寮総長として、学校側もそれなりの権限を与えていたと…


 旧寮が使われなくなってから形骸化していたけど、保全費という名目で毎年ある程度資金がプールされていたと…


 それに目を付けた教師達が、旧寮に新総長が出来て、しかも昏睡してるという好機に色々はっちゃけたと…


 結果、全天候ドームが作られることになったり…後1日遅ければ、旧校舎の全面改修も行われる所だったと…


「自由すぎない?」


「安心しなさい!プール分と本校から引っ張って来た分で予算は十分よ!」


「なにも安心できない!?」


 その後、様々な補足説明でもう少し見えてきた。


 それを説明するには、もう少しこの学園…というか我々戦闘員について話さなければならない。


 俺が普段使っている武器の発現は、出きる人が物凄く限られた技能だ。


 で、あるならば、他の…もっと言うなれば、武器の発現が出来ない人はどんな武器を使っているのかという話しになる。


 そこで出てくるのが、『技師』と呼ばれる存在だ。


 彼・彼女らは、その人が発現する権利を持っている武器を読み取り、再現する事が出来る。


 と言っても、劣化版となることは否めなく、それを理由に全く違う武器を使う人もいるのだが…


 で、だ。


 他人の武器を、それもまだ発現出来ていない武器を読み取ることは、並大抵ではない。


 技師の卵である学生すらも、かなりの高能力を求められる。


 ごく稀に例外もいるが、それは戦闘員とて同じなので割愛するとして…


 かなりの高能力を求められる…そして例外もいる…


 どこかで聞いたことがあると思わないだろうか?


 そう!この学園である!


 この学園には大きく二つの学部があり、その片方が我等『戦闘学部』、そしてもう片方が『技師学部』となっている。


 無論、実力・素質があれば入れることに変わりはなく、レベルはとてつもなく高い。


 それで…どうしてこんなことを説明したかというと、旧校舎を改修しようとしていた理由に大きく関わるからだ。


「近年、技師学生を道具のように扱う生徒が増えてなぁ…」


「流石に、実力で戦闘学生には敵わないからね…なんとかしてあげたかったんだけど…」


「校舎と技師工房が繋がってるからなぁ…」


「逆らうなら工房を占拠してやる、とか言われた生徒もいるみたいでね…」


「止めようと口出ししても、戦闘学部が学部のある校舎にいて何か問題でも?の一点張りでな」


「そこで、旧校舎を改修して工房にしてしまえば…ということなんですね」


「「そうそう!」」


 確かに、そうすれば戦闘学部生の言い訳は無に帰すけど…


「そんなことしたら、技師学生を下に見る風潮が加速しません?」


「そこは心配しなくていいわ!」


「奴等の監視さえなくなれば、此方のものだからな!」


 おい!技師学部教師!生徒の事を奴等とか言うんじゃありません!


「まあ、そう言うことなら、手伝うのもやぶさかではないですけど…」


「「おお!」」


「まずは、ソフィと相談してからですね」


 俺はそう言って、幸せそうに眠るソフィを指差した。


 まあ、つまらなかったんだろうね…

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