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【伝わるものは④】

この物語はフィクションであり、実在する人物などとは関係がありません。

「はい…!中級クラスE組は射的ですね…!分かりました…!ありがとうございました…!」

 

 ミリアは中級クラスまでの確認を終えて手元の資料に丸をつけようとする。

「…あれ?書けない。わっ、インク切れ…かな…?しょうがない、一度生徒会室に戻ってペン変えてこよう」

 

 ミリアは一度生徒会室に戻る。

 

 〖ガチャ〗

「あれ~ミリアっち?もう仕事終わったの~?」

「あら!ミリアちゃんじゃない♩さっきぶりねー♩」

 生徒会室に入るとそこにはリリーとジルがいた。

「お、お二人も生徒会室に用が…?」

「そ~だよ~♡ゴミ袋の補充~♡」

「私はパンフレットが足りなくなってきたから残りを取りに来たの♩ミリアちゃんは?」

 

「わ、私はペンのインクが切れてしまったので…」

 

「わ~!そうなんだね~♡」

「ミリアちゃん♩替えのペンはそこにあるから、好きに取って行っていいわよー♩」

 

「は、はい…!」

 

 〖ピンポンパンポーン〗

「間もなく、学園祭の本命イベントであるドレスアップコンテストが開催されます。出場者の方はステージ裏に、ご覧になられる方はお早めに会場にお越しください。

 繰り返します。

 間もなく、学園祭の本命イベントであるドレスアップコンテストが開催されます。出場者の方はステージ裏に、ご覧になられる方はお早めに会場にお越しください」

 〖ピンポンパンポーン〗

 

「わ~♡もうそんな時間~?」

「ミリアちゃん!急がなきゃ!」

 

「そ、うですね…」

 

「私とジルちゃんはそれぞれゴミ袋とパンフレット補充してから行くから、先に行っててねー♩」

「ミリアっち、ステージ裏で待ってるよ~♡」

 

 そう言い残してリリーとジルは生徒会室を後にした。

 

 

「ドレスアップ…コンテスト…、私が…、」

 

 

 〖学園祭ステージ裏〗

「みなさん、大変です。ドレスアップコンテストがそろそろ始まってしまいますよ。心残りにはなってしまいますが、棄権しますか…?」

「ルーク…。まってくれ、まだ間に合うはずなんだ…」

「んも~!ミリアっちどこ行っちゃったの~!?」

「なんでミリアちゃん、来ないのかしらね…。生徒会室で会った時はいつもと変わらなかったと思うんだけど…」

 

 ステージ裏に集まったのは焦る表情を浮かべる、リリー、ジル、ハル、ルークの四人だった。なんとコンテストの時間が迫っているというのに、この場に本命のミリアが居ないのだ。

 

「ちょっと~!どうするの~?ミリアっち居なきゃ意味ないじゃん!」

「そうね、例え私があのドレスを代わりに着たとしてもやっぱりミリアちゃんじゃなきゃ、しっくりこないわ」

「ハルさん。決断はハルさんに任せます」

 ルークの一言で三人の目線がハルに集まる。

ハルは沈黙を作るも、その目に迷いは無かった。

 

 

「──────探そう。ミリアを」



「ミリアっち~?ど~こ~?」

「ミリアさん、何処にいますか?」

「ミリアちゃーん!居るー?」

「ミリアー!聞こえていたら返事をしてくれー!」

 

 四人は手分けして校内、校外を見てまわる。

 エントランスの柱の裏に…居ない。ミリアの教室に…居ない。机や教卓の下にも…居ない。廊下の階段裏に…居ない。すれ違ったかもとステージ裏に戻るも…居ない。校庭の木々の死角には…居ない。

 ────探しても探しても、ミリアの姿が何処にも無い。

 

 四人は一度校内のエントランスに集まる。

 

(わたくし)の方では見つかりませんでした。みなさんは?」

「ダメだった~。ミリアっち見つけられなかった~」

「こっちにも居なかったわ…ハルは?」

「…。」

「ハル?」

 

「だれか、図書室に見に行った人は居る?」

 ハル以外の三人は一度顔を見合せた後、ハルに向かって首を横に振った。そしてハッとする。

 

「えっ!確かに見ていないわ!」

「あたしはまだ見てないよ~?」

(わたくし)も図書室は見ていません」

 

 その言葉を聞いたハル、そして三人は一瞬目線を合わせてから何も言わず一斉に図書室目掛けて無我夢中で走り出した。

 

 

 

 〖ガチャッ〗

 勢いよく図書室の扉が開く。

 図書室は普段とは違い誰の足音もしないシーンとした空気で包まれていた。

 

「居ま、せんね…」

「うっそ~、ミリアっち居ないの~?」

「やっぱり、ルークの言う通り今回は棄権するしか─────」


 「いや、少しだけ待ってくれ」

 ハルが長いローブを揺らしてゆっくりと歩き始めた。その足取りには迷いが感じられなかった。

 

「────ミリア。そんな所で何してるんだい?」

 ハルは暖かく柔らかい声で、奥の本棚の裏で蹲り頭を抱えながら「どうしよう。どうしよう…」と呟いているミリアを見つけ出し、声をかけた。

 

「あっ…ハ、ハルさん…すみま───」


「ミリアちゃん!?そこにいるの!?」

「ミリアっち~探したよ~」

「良かったです。見つけられて」

 

 ハルの様子を見た三人も駆け出してミリアの元へと走って来た。

 

 不安げな表情でジルが問いかける。

「ミリアっち、コンテスト出ないの…?」

〖作品を読んでいただいた方、少しでも覗いてくださった方へ〗

読んでいただき、ありがとうございました。

小説を書くことに慣れていないため、拙い部分もあったと思います。

ですが、少しでもこの作品を読んで良かったと感じていただけたら幸いです。

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