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第十四話 メインウェポンの製作

作中、作業BGMは、松任谷由実 『リフレインが叫んでる』


本文にうまく挿入できなかったので、此処に書いておきます。


多分、ひたすらグラインダーをかけている場面を少し描写すれば、

--

「……れたカセットを ひさしぶりに……」

作業を始める前からずっと流してるBGMに脳内でハモりながら、鮫槍の穂先にグラインダーを当てる。

--

とかなんとか書けると思うのですが、削るだけの作業なんて、これという場面を選べないので、一切省略しました。


それに、それだと何の歌かさっぱり分ってもらえませんし。

でも判るように歌詞を引用したら、運営から消されるだろうし。

読者の皆さんは、よろしかったらBGMとして掛けて下さいね。


さて── 後回しにしてしまった一番の懸案である、『鮫槍さめやり』からの刃の削り出し。

つまり、『鮫剣さめけん』の製作。


単なる金属塊だったので、やろうと思えば出来ない事もない、でも、一旦諦めた。


折角せっかくの謎の金属材料。

グラインダーで無駄に大量に削り捨てるなんて、とても勿体もったい無い。


本当はねっしてトンカントンカン打つのをやりたかった。

でも、きたえる場所も道具も、ゆだねられる伝手つてもないのだから、加工する手段が一つあるだけでおんの字。

(´・ω・`) 業者に依頼したかったよ、お金があればね……

グラインダーでけずるのだって騒音に気をつけなきゃならないのに、ましてガンガンぶっ叩いて音を立てるとか、ご近所的に到底とうてい無理。


上手うまく行くならば大量の金属粉が出る予定なので、その対処が問題だった。

家人かじんの手前もあるので、全て自室で。

ただでさえ日頃から片付いてる自室を更に整理して場所を空け、作業場所を可能な限り広くとり、周囲に粉塵が飛散しないようにビニールで気密室みたいな感じに高くおおい、引火しないようにパネルを横と作業台の足元に張る。

エアロックめいたちり落しのまで準備した。

家にガレージが欲しかったなあ。

作業ツナギを着込み、日頃使ってない防護シューズ、面体型の防塵マスク、革手袋をつけた。

できるだけ音を抑えて、その分だけ長時間の作業になるのを覚悟して、入室。


最初は柄のはしを低速回転のグラインダでギーン…と細く削ってみた。

高速回転はうちでは使えない。

それなりに硬く、かなり時間がかかった。

5mm以上削っても層構造が全く見られなかったので、次に尖端から30cmの所を試しに削って、そこも同様だったので、思い切って尖端も削ってみて、そこも同じだった。

この段階まで試みて、単なる均一な金属塊と判断して、改めて考えた。


鮫槍は言って見れば、握るあたりの太さが5cm強~6cm弱、長さ約2mの金属のくい


挿絵(By みてみん)


これを平たい刀剣状にするには、たとえ頑丈さ優先で切れ味を落とし、両刃でなく片刃にして、更に蛤刃はまぐりば気味にして済ませる場合でも、最低でも刀身の最も厚いところで約2cmになるまでは削りたい。


それだけでも物凄く大量に金属粉が出る。

つまりそれだけの謎金属資源を、俺が無駄にしてしまう。


グラインダーの砥石といしだって、そんな使い方は想定してないんだから、厚刃を交換せねばならなくなる。

(´・ω・`) 赤字が増える……

ずっと削り続ければ、モーターや軸受けの負担も莫迦ばかにならない。

下手すりゃ新たに電動グラインダを買ってこなくちゃならなくなる。

作業的にも色々無理があるんだよってなわけで、やめた。


長柄出刃(でば)が当座のメインウェポンで、鮫きりをサブウェポン。

そういうことにしよう。

残されたでっかくて重ったい鮫槍、どうしよっかなあ……。


----


そう決めはしたものの、なんだか迷いが残り、部屋に設置した作業空間もまだ撤去せず、そのまま残していた。

とても邪魔だったが、どうにも踏ん切りがつかなかった。


新しくサブウェポンとするつもりが、いきなり主兵装となった長柄出刃(でば)

鮫きり(ナイフ)とともに数日間、毎日たっぷり素振りしてみたのだが……。


うーん。

どっちも、劣化(おの)って感じがすんだよねえ。

槍と違って、これで『斬り捨てる』っていう触れ込みなんだけどさあ……

剣というには刃渡りが短くて、斧よりかは重さが足りないから、どうしても腕で体重をかける必要があるんだよねえ。

薙刀なぎなたと違って、大したいもとれないのに。

長柄なしの純粋な出刃でばだのナイフだのよりゃ、そらマシではあるけどさ。


斧として重さが足りないというのは、たとえば刃と柄とが接合されている箇所をもっと補強して、重量を増やしてやれば、或る程度は解決する。

当然、片手で振う場合その分だけ腕力が必要になるが、叩きつけるうえではバランスもよくなる。


でも、短い刀身を標的に当てに行かないといけない。

それがガンなんだ。


間合いの外で届かないのは論外だが、あまり踏み込んで間合いを縮めても、木製のが棍棒よろしく標的にぶつかるだけ。

さっき書いたように補強して重量増加させれば、色々巻きつけたりすることで、どうしてもそこが太くなるから、猶更のことやいば以外の箇所かしょあたりやすくなる。

武器の性質を斧に近づけてゆくわけだから、振った時の慣性が大きくなり、刀のような細かな操作も難しくなる。

鋭くいであるが標的にちゃんと当たらなければ、あの半魚人のようなのが相手なら、多少の打撲は与えられても、基本的にただね返されるだけ。

弱小ゴブリン程度ならそういう適当な武器だっていいかもしれない。

けれど、鮫剣が振り回せない場所で半魚人と遭遇したら、先手必勝のつもりがね返されました、では次の瞬間にこちらが殺されてしまう、下手すれば。

ただでさえ相手は槍なのだ。

相手の動きを把握できていなければ、あっという間どころか声も出ない、「ッ」の刹那に突き刺してくるのだ。

鮫剣がブン回せない程度に狭い場所で、左手に盾を握りしめ、たとえ盾でらせた場合でも強烈な打撃でもある槍の一撃がとんでくる。

鉄鎖を張った扉のような障害物ごしでない場合なら、体重かけて身体ごと。

それをどうにか受けとめる盾に左肩を押し付けて身体全体で強引にらすか、或はどうにかかわして、そうしながら右腕では鮫きりなり長柄出刃(でば)なりを力いっぱい振り回してまとに叩き込んで、切り裂かねばならない。

たとえサブウェポンであっても、右手一本でブンと振り回した時、重い刃が急所をザックリ切り裂けるのでなければならない。

たとえ盾を放り出して両手で振り回す場合でも、威力こそ増せ、小さな刃を命中させねばならぬ事情は同じ。

たかだか14cm程度の刃渡りで、間違いなく切り裂かなければならない。

一振りするごとに斬り捨てるか、最低でも殺到しようとする相手が追撃して来られない程度のダメージを与えねばならない。

それができなければ、数の力でお終いだ。

こっちは未だにソロなんだ。


このあいだの死闘を振り返ると、そんなことがあんな状況でできるのか、はなはだ疑問を感じる。

余裕がある状態ですら、防具は窮屈きゅうくつなのだ。


俺は剣術家じゃあ、ないんだよ。

帝国海軍流の面打ちだけは幼い頃から仕込まれてるけど、あくまでも早朝の健康体操の一環だしな。

俺が本当に身体で覚えてる振り方、咄嗟とっさに出る剣は所詮はチャンバラ剣法(笑)。

敵味方が入り乱れる中、遊ぶ都度かわる色々な重さ長さ堅さの棒切れを肩にのっけてうろうろして、すきをみせる奴の懐へ一気にびこんで、まとを逃がさないように左肩から右腰へ斜めに切り下げる袈裟懸けさがけ。

それしか出来ない。

咄嗟とっさに間合いも見ずに大雑把おおざっぱにザッと切り払えないようじゃあ──切り払って敵を薙ぎ払い、斬り捨てることができないのであれば──『斬る』にこだわる意味がないよなあ……


やっぱサブだなあ、これ。

メインには、できない。


これじゃあ、思った通りのいくさができねえんだよ。

無駄を勿体もったい無がってる場合じゃあねえんだよ。

粉塵たんまり出ても散らばらないようにしたんだから、少しくらい無駄になっても、集塵して貯蔵しておけるだろ。

空きびんならいくつもある。

もしも金属自体に何がしかの価値があるなら、その時それを使えばいいだろ。


よし、やっぱり作ろう!


そう決意した俺は、作る鮫剣の長さを再考してみた。

今は2mほど。

やっぱりちょっとデカすぎる。重すぎる。

少し切り落とそう。

尖端を? 柄の元を?

あまり細い尖端は切り落としても良いだろ。それほど長く切り落とさないけど。

やはり大きく変化つけるなら石突き側で切り落とすべきだな。

両方でも良い。

尖端は少し削ってあるし、そこで切り落とせばよさげ。

全体の長さは……はかなり長めにとるべきかと思う。

でないと、ブン回す時のバランスがとれない。


要するに、鮫剣で目指してるのって、長巻だな!


そうか、とに落ちて、それならそれぞれ三(じゃく)ずつの大物で良いと決めた。

で、それなら多少刃が長くてもいいので、結局切り落とさなくても良いとした。

重い分は、それだけ削ればよい。

大は小を兼ねる。

後日、できあがったものを振り回してみて長すぎると思えば、その時点でまた切り落とす。


----


やる、とはらが決ってからは、ひたすら削る。

電動工具はあるが、作業時間が大変なことになるのはわかってるし、砥石といしも買い足さないといけない。

下手するとモーターが焼ける。 そこはクーラー効かせて室温下げまくるしかない。

粉塵も小まめに掃除しないといけない。


とにかく目的達成するまでゆっくりでもいいから作業が途絶してしまわないように、急がずに一定のペースで削り続ける。



一日のうちで作業にかけられる時間が限られていることもあり、思った通りに削りあげるだけで二ヶ月かかった……


そして長大なはまぐり刃を研ぎあげるのに、更に一週間かけた。







拙作を御読みいただき、まことに有難うございます。

こちら、後書き、でございます。


見切り発車の弊害で、ストックが尽きてしまい、内容が整理不足の回が続いてしまいました。

『俺』は頭が切れないし、三歩進んで二歩下がる試行錯誤ばかりしている、その『俺』の現実のもどかしさというものを如実に伝えたいので、もともと相応に読みづらい拙作なのですが、この度は『俺』でなく俺の所為で読みづらさに拍車がかかってしまいました。

どうかご容赦下さい。


今後の更新間隔は未定ですが、できるだけ短くしたいところです。

少しだけ書き進めましたので、とりあえずあと三回分 は連日予約入れます。

その後は10日間くらいは最低でも投稿できないと思います。


作品版なので、或る日突然テキトーに家族構成などの設定を次々ぶち込んで行くかもしれません。

とはいっても、幾つか考えたりはしてますが、今のところあんまりこれというのが思いつけません。

そのうち本当にテキトーーな設定でやってしまうかも。


多分まだ

--

 翌日。

 押入れの中の扉は消えうせていた。

 「うせやろ?」

 と俺は呟いた。

 ~END~

--

とはしないと思います。


でも唐突にそういう終わり方にして、

「よーし! これでもういーから、他人様の御自宅ダンジョン読むー!」

としたい誘惑に時々駆られます。

自分の欲望との現在進行形の闘いの行方次第です。

もしも一晩のうちに10人くらいから

  もういいんだ・・・・・・・

  本当に良く頑張った・・・もう充分じゃないか・・・

  楽になっていいんだ・・・

  忘れるんだ・・・何事もなかったように・・・・・・

というレスがついたらすぐにも打ち切ります!

(゜∀。) アヒャ!

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