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10・魔物、襲来


 「あ、え?」


 何が何やらと言った様子でグレタさんが戸惑い、ソフィアが『大丈夫』だと示す様にコクコクと頷く。


 「な、にやってるんですか?!貴族の護衛に手を出すなんて」


 グレタさんが状況を思い出したかのように喚き出す。


 「俺は悪くない」


 全くもって俺は悪くない。

 あえて、悪い事があるとすれば、将来的な脅威となる人物を脅威になる前に斬った事ぐらいだ。


 「じゃあ、誰が悪いって言うんですか?」


 「タイミングの悪い子と考えなしの子が悪い」


 俺だって好き好んで貴族にも武装した奴にも喧嘩なんぞ売りたくない。

 けれど、ここで我が身大事で助けない選択を出来る奴は、橘蒼司を名乗る資格はない。

 もっとも、まともな人ならどちらを選択するにしろ悩むのだろうが、助けるという選択で一切迷わない俺は、やはりどこか異常なのかもしれない。


 「き、貴様ッ!貴族たる私に、私の護衛に手を出したなっ!殺せ、殺せー!」


 こらえ性のない男だ。

 領主の護衛達はゆっくりとした動きで広まっていき、全方向を覆う様に俺達を囲む。

 さて、相手の動きは予想通りだけど、ここからは割とタイトな綱渡りだ。

 グレタさんとソフィアを庇いながら、広まった分だけ薄くなった囲いを一点突破し、この村から離脱する。


 「クソッ!よくも、俺の腕を切りやがったな。てめーの腕は叩き切ってやる」


 先程切った男が血を流しながら立ち上がり、大振りのナイフを取り出す。

 お怒りの様で、その矛先は俺へと向けられている。

 謝るから解散してくれないだろうか?してくれそうにないなぁ……。

 切り落とされた訳でもないんだから、さっさと治療でもしてくれ。

 さもないと、本当に切り落とす事になるかもしれないだろうが。

 

 「グレタさん、村から逃げます。立って逃げる準備をしてください」


 「村から、逃げる?」


 「状況的に逃げるしかないでしょう。もしくは村の為に自分の身を捧げるかですね」


 後者を選ぶのであれば、恩を返せないのは無念という他ないが、俺に出来る事は無いので、俺一人、あるいはソフィアを連れて逃げる事になる。


 「……分かりました。ソフィ、立って」


 抱えていたソフィアをグレタさんが解放し、手を差し出して立たせる。


 「このっ、私にっ、手を出しておいて逃がす訳がなかろう!」


 興奮気味に領主が凄む。

 凄もうが、睨もうが、領主からは危ない時に感じられる特有の感覚を感じない。

 ザッと地面を踏み込む音がする。

 死角からの攻撃だと察知し、そちらに最小の動きで振り向く。


 「せっ!」


 剣を適当に振る。

 剣の使い方など分かる訳もないが、牽制にはなる。

 ガチィンと死角から忍び寄って来た奴の盾に当たる。

 受けた盾とは逆の腕で剣を振ろうとする相手。

 咄嗟に剣から手を放し、剣を持っていた手で盾を掴み、その腕ごと盾を引っ張り、振るわれた剣の間にねじ込む様に剣の軌道上に盾を入れ、剣を振れなくする。

 盾を無理矢理引っ張られた結果、その相手は剣を振り下ろせず、俺が掴んでいる盾を自分の制御下に戻すべく、力いっぱい引っ張る。

 俺は盾を引っ張って、相手をこちらに引き込む動作をしつつ、足裏でその相手の腹を蹴り付ける。

 短い呻き声と共に、その相手は腹を抱えて倒れ伏す。

 

 「よっと!」


 次に別々の方向から襲い掛かってくる二人の内の一人に、その場に落ちている剣を拾い上げて、回転が掛かる様にしつつも適当に投げる。

 その直後に全速力でもう片方の相手に向かって走り込み、スライディングの要領で地面を滑り、相手の膝裏を蹴りつけて体勢を崩させる。

 剣で地面を突き、倒れるのを防ぐのを見届けると同時に俺も体勢を戻し、その場から離れる。

 

 「このっ!ちょこまかと!総員、攻撃せずにまずは囲みを狭くする。自由に動き回る距離を与えるな!」


 そんな指示が相手方から飛び出てくる。

 この人数差でそんな消極的とも取れる程に慎重になられると、こちらとしては崩す要素が無くなるので困る。

 トリッキーな動きで相手を挑発しつつ、相手の陣形を崩すぐらいしか取れる手段がないというのに……。

 馬鹿な領主に従ってる割にはしっかりとしてやがる。

 危険度は上がるが、一人ずつ倒していくか?

 しかし、向こうはこちらを殺す事も視野に入れているのに、こちらは殺さずにというのは、少々難しいが、かといってここで『向こうがやる気だからしょうがない。殺そう』とは言えん。

 生きる為に人殺しが必要ならするだろうけど、今この場ですぐに決意できるかと聞かれれば、答えはノーだ。

 世界が変わろうとも、俺の中での常識では、人殺しはやってはならない事だ。

 この世界で生きていくのなら、その考えも矯正するべきだろうけど、元の世界に戻る事を前提に動いている俺は、この世界のルールに染まり過ぎるのも良くない。

 ……そんな事言っている場合でも無いかもしれないな。

 踏ん切りが付かなかろうが、一手のタイミングをミスれば死にかねないのが、今の俺の現状だ。


 「仕方ないな」


 やりたくなくても、やらねばならない場面だ。

 

 「み、みなさ~ん!にげ!逃げてくださ~い!」


 じりじりと囲いが小さくなり始め、これ以上狭くされればこちらとしても動くしかない状況になった時に焦ったような叫び声が聞こえてくる。


 視線を巡らせると、遠目でもこの世界では上等だと一目で分かる装いの女性が駆け寄ってくる。

 ワイシャツにベストの様な物を着込み、タイトなスカートを穿く姿はどうにも辛そうな表情で走ってくる姿とは不釣り合いで、ますます異物感を強くする。

 駆け寄ってくるその女性を待つかの様な空気の中で、その女性の叫んだ内容が頭を駆け巡る。

 背筋に走った嫌な予感に従って、すぐさま同じように狭められた囲いの中で警戒していたグレタさんとソフィアに小声で囁く。


 「二人共、嫌な予感がします。いつでも逃げれる準備を」


 「え、嫌な予感って―――」


 何ですかと続くのであろう言葉は、走り寄って来た人が声の遣り取りがし易い距離まで近づいた事で途切れた。


 「貴様、何者か知らんが、この私を貴族であるフォルツ・ギルウゥス・アルスバイト伯爵と知っての―――」


 「逃げないと―――!危ないですよ―――!?」


 妙に間延びした口調とは別に、その女性は領主を無視して通り過ぎ、その護衛も追い越し、囲いの中をすり抜け走り去っていく。

 唖然とした様子でそれを見届けた人達が、彼女の言葉の真意に気が付いたのはその数秒後だった。

 唐突に鈍い音が響き、俺達を囲っていた護衛の一人の首が回転する。

 立ったまま、逆立ちした時の様に頭だけが地面を向く。

 それがその人の死だと認識した瞬間に、その人の近くの地面にこぶし大の大きさの石が落ちた。


 「ひゃ?!」


 グレタさんの短い悲鳴が妙にその場に響いた。

 その声に目の前で起きた現象を認識したかのように、周囲の人は揃って周囲を警戒する。

 そんな中で、俺はグレタさんの手を取り、ソフィアの事を片腕で小脇に抱えて走り出した。


 「ソージさん?!あ、あの、何が?」


 軽く足をもつれさせてから、その体勢をなんとか持ち直したグレタさんが俺に問いかける。


 「魔物です!」

 

 他の人は気が付かなかったかもしれないが、家屋の影からこちらを覗くようにしている猿の様な奴がいた。

 誰かに当たったのを確認すると甲高い笑い声を上げて、パチパチとその体躯からは想像できない程に長い手を頭の上で叩いて喜んでいる。

 その拍手の音に遅れて周りも先程の現象に気が付き、慌てて行動し始める。

 

 「ぐぎゃ?!あぁぅおぉあぁ!いぃてぇよぉ」


 次に飛んできた石が領主の護衛の中でも一際身体の大きい奴に当たり、そいつは倒れ込む。

 それを待っていたとばかりに次々に石が投げ込まれる。


 「何体居るんだよ」


 振り返って見ると、家屋の影から何体もの猿の様な魔物が的当てゲームを楽しむかのように順番に石を投げている。

 おそらく、俺達は安全域に出れたが、石に当たった何人かの人に続けるように石の投擲は続けられる。


 「グヘェ!」


 周りに石が無くなったのか、わざわざ獲物の近くまで石を取りに行き、わざわざ元の位置まで戻って石を投擲する。

 投げられた石が外れると、それを煽るかのように他の猿が指を指して笑う。


 「酷いっ」


 同じように振り返ったグレタさんが呟く。

 魔物が居て、戦争が身近で、貴族に好き放題される様な世界に住んでいても、この光景を酷いと思えるのは幸せなのか、それともそんな光景を見る事になって不幸なのか、俺には判断が付かない。

 酷い光景は加速していく。

 石を拾いに"的"の近くまで歩み寄った猿の一匹が何を思ったのか、唐突に石を握ったまま、その石で"的"を殴りつける。

 何度も、何度も……。


 「や、やめぇ!やめてぇ!たす、助けてよ、ママー!」


 それに合わせて"的"から悲鳴が上がる。

 猿は笑みを深めて、他の猿たちに愉悦の笑みで振り返る。

 それを受けた猿たちは、我先にと"的"に駆け寄って、石を握り"的当て"に興じる。

 "的"から当たる悲鳴に聞き入る様に、恐怖する様に、村人も、領主も、その護衛も、俺さえも、離れた安全圏でその地獄を呆然と眺める。


 「な、何をしている。あの程度の魔物!陣形を組んで蹴散らせっ!」


 領主の叱咤に護衛達が反応する。すぐに陣形を組んで魔物に向かって行こうとするが、その行動はすぐに止まる事となった。

 

 「グラン・ナールグノン……」

 

 一際大きい猿が遅れてやって来て、それを見た護衛の一人が呟く。

 その声が伝播すると共に護衛達の間に動揺が広まる。

 確か、グランはこの世界では大きいとか、長とか、優れているという意味だ。

 グランという言葉の前後に何が付くかで意味も変わってくるのだが、言葉のままで行くと大きいナールグノンか?

 

 「Bランクの魔物だと……。この戦力じゃ」

          「お、俺は逃げるぞ」

 

 「俺もだ!」


 「貴様ら!何を言っている。この私の命令が聞けないのか!さっさとあの魔物を討伐せよ!」


 「……領主様?つまり、アンタはこの場で死ぬ覚悟があると言う訳ですかい?」


 「な、なんだと?!貴様!誰に向かって―――」

                「あぁ、勘違いしないでください?」


 「ただ、ここで俺らが無策で突っ込めば、俺らは十中八九で死ぬでしょう。その場合は、後ろで見ているアンタも死ぬだろうって事でさぁ。何も俺らがアンタをどうにかするってことじゃありません」


 その発言を聞き届けるよりも先に、俺は緩やかにグレタさんの手を引き撤退を再開する。

 護衛と領主の遣り取りを聞き終える事もなく、その場を離れた。

 理由は勿論、魔物からは逃げるけど、逃げる前に俺達を確保する事に領主が拘る可能性を考えてだ。

 領主が拘ったのか、素直に撤退を受け入れたのかすら知らないままに俺はその場を後にした。


 「ここで良いんですよね?」


 「はい」


 俺とグレタさん、それからソフィアはパルウム密林へとやって来た。

 ナターシャが住み、採取に良く訪れるこの森は、村が魔物に襲われた際の村の緊急避難所的な扱いも兼ねているらしく、無事だった村人は此処に集まってくるだろうとの事だった。

 

 「けど、何でここなんですか?」


 ここも殆ど魔物が出ないとはいえ、一応は獣が出て危険もあるし、森の中で合流するのに手間が掛かる。


 「ここ以外に合流に適した場所がないんです」


 「適した場所?」


 アスファレスの王都側に向かえば、ずっと平原が続いてた筈だ。

 戦時の事を考えれば、そんな平原に国の中心部を作るとか何考えてるんだって感じだけど、見渡しが良いので合流のし易さを考えればあちらの方が上だと思う。

 

 「プレリア大平原の方だと、ちらほらと魔物が出ますから、それに集合するにも目印になる様な分かり易い物もないですから」


 「あぁ」


 納得した。確かに集合するのに適した目印がない。

 いくら見晴らしがよくとも、精々が数百メートル先の人影が見える程度で、数キロ、数十キロとなれば、見えもしない。

 となれば、魔物もほぼ生息せず、村から遠すぎずある程度近く、規模全体を含んでも数時間もあれば探索完了出来てしまうこのパルウム密林の方が合流に適していると言える。

 それから少しして、ちらほらと逃げ延びた村人がやって来た。

 心配していた領主やその護衛の姿はなく、ひとまずの安心を得る。

 集まって来た村人たちは、ぽつぽつとグループで行動して会話している。

 ファティマさんを探して森をグレタさんと歩き、少ししてその姿を発見する。

 その横には魔物の襲来を教えながらも全速力で駆け抜けていった女性が居て、ファティマさんと話していた。


 「―――んな、感じで驚きましたよ~」


 少し間延びした声。

 けれど、不思議ともたついたとか、どんくさいといったイメージは受けない声色だった。


 「お祖母ちゃん!」

 

 グレタさんが駆け寄る。

 それに続くようにソフィアが俺と繋いだ手を引っ張るようにそちらに向けて歩き出す。

 俺もそれに応じて歩いて近付いていく。


 「グレタ、よく無事で」


 「お祖母ちゃんこそ、無事で良かったよ」


 それぞれが確認する無事の意味合いが少し違う気もしたが、そこには突っ込まずに話を聞きながらも、横目で上等な服を着込んだ女性を警戒心から様子を窺う。

 少ししてから、ファティマさんから現状の様子を聞くこととなった。

 領主は自分の治める領地に戻って行き、村人はそれぞれが散り散りに逃げて来たとファティマさんが語る。

 

 「それでこちらの方は?」


 一通りの状況把握を終え、グレタさんが気になっていた事を聞いてくれる。


 「冒険者ギルドの職員の方じゃ。ほれ、前から申請しておったじゃろ?」


 「え?申請してたって、支部の件で?」


 「うむ」


 冒険者ギルド……、冒険者は魔物を狩る人って事は把握しているので、それのギルドとなると、労働組合とかだろうか?

 込み入った話になる前に分からない事は聞いた方が良い。


 「あの、冒険者ギルドって何です?そこらへんが未だに分からないんですが」


 「ですよね。んーと、なんて言えばいいのか、ギルドは仕事を頼む先で、冒険者がその労働者なんです。金銭の遣り取りもギルドを介して行います。こう言っては何なんですが、冒険者の中には粗暴な人や犯罪者紛いの人もいるらしいので」


 つまりはギルドは仲介人兼、斡旋所な訳か。

 

 「理解しました。けど、冒険者なんですね?狩人とかではなく」


 元の世界の言葉で言えば、ハンターとか、狩人とか、討伐師とか、陰陽術師とか、退魔師とか……、後半はちょっと違うか?

 冒険者って言うと、どちらかと言えば、トレジャーハンターとかそういうフィールドワーカーってイメージがあるのだが……。


 「冒険者のお仕事は魔物討伐だけじゃなく、珍しい物の採取や未知の探索、商人の護衛なんかも仕事の内なんですよ~。でもでも、魔物討伐のお仕事がメインで、それ以外の利用は一部なのは確かですけどね~」


 ギルドの職員と紹介された女性が俺の質問に答えをくれる。


 「理解しました。ありがとうございます」

 

 「いえいえ~」


 「それじゃあ、支部の件って?」


 追加で俺は質問を行う。

 この質問からはグレタさんも問いたい内容に関わってくるだろう。


 「冒険者ギルドは王都アスファレスに本部があり、アントリューズ帝国とクルクス聖教国以外の各国に支部が幾つもあるのですけど、この辺りで一番近いギルドって本部になってしまうんですね~?それで、前々からこの辺りに支部を~って声が多かったんですよ~。なので、ここらで一発作っちゃおう!って事になりまして~」


 「本当に来てくれるとは思いませんでしたけどね……」


 グレタさんが付け足す様に言う。


 「この辺りは普通に依頼を出しても冒険者は来てくれないんです。余程法外な値段を提示しないと」


 「ん?でも、この辺りって危険地っていうか、魔物が多いんですよね?だったら、これまでその魔物はどうしてたんですか?」


 「領主様が討伐隊を組んで対応してくださっていたのじゃがな……」

 

 今度はファティマさんが答えをくれる。


 「"前"領主がって事ですね?」


 「うむ」


 前を強調した問いに深く頷きが帰ってくる。

 大体の状況は理解したと思う。

 つまりは"鳴子"の維持の為にも、今までは国側である程度対応していてくれていたが、現領主にそんな知能はなく、魔物が今まで来なかったのは只の運で、今までの様にはいかないだろうと前々からギルドに、いざという時の為に支部をもっと近くに作ってくれと頼んでいたと……。

 先程のギルドの職員の女性の言い方的にはこの村だけではなく、周辺の村や街ももう少し近くに支部を欲しがってたって感じかな。


 「それでどこに支部が出来るんですか?」


 グレタさんが問う。


 「はい~?ファブール村にですけど~?」


 その問いに首を傾げながらギルドの職員は答えを返す。


 「ファブール村にですか?」


 「はい~」


 「なんでですか?」


 「なんでと言われましても~」


 グレタさんの疑問ももっともだ。


 「ギルドの支部には冒険者が必須だと思うのですが、御付きのと言えばいいのか、新しく出来る支部で働く冒険者も連れてきているんですか?」


 「?あの~、冒険者はギルドが雇っている訳ではなく、あくまで仲介をしていて、あ、でも~ギルドで雇ってる支部の護衛的な冒険者も居る事があってですね~」


 話が二転三転していくが、確認したかった質問の答えはそれとなく把握出来た。

 恐らく、ファティマさんもグレタさんも理解しただろう。

 

 「つまりは、冒険者はいないんですね?」


 「はい~。なんか、現地調達と言えばいいのか、そうする様に言われましたね~」


 「そうですか……」


 つまりは、ただ作ったという事実だけが残り、ギルド側は要望に応えたという事実が出来上がり、見捨てたという真実を覆い隠す事実だけが残る。

 あくまでギルドがやれるのは支部を作る所までという事を利用し、支部を作ったが冒険者は集まらなかった、しょうがないって状況を作る訳だ。

 ギルドの所為ではなく、冒険者が居付かなかったのはしょうがないと……。

 けれど、実際はこんな危険地帯と称され、他の支部や本部に比べて旨みの少ない支部に駐留する冒険者など存在する訳がない。

 後の話は俺に出来る事も無いので、事情の把握をした後にその場を後にした。




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