Changeling~サキとフローラ(仮題)の、世界観をまとめたい③
【最終回に納得できない、陰キャ少女の私】
その日。
どうやら『透明ドリちゃん』は最終回の模様。
よく覚えてませんが、おそらくは私はポテチもしくはカール(うすあじ)なんぞをつまみつつ、漫然とテレビを見ていました。
おぼろ気な記憶をたどると、お話は以下の通り。
(記憶を頼りに再現します)
妖精の大王は、娘のゼリアン王女(だと彼らが思い込んでいる、ドリちゃんことミドリ)が一向に自分を父親だと思ってくれないつらさに、ついに心身を病んでしまう。
大王の病を治すのは、ゼリアン王女の愛の力。ミドリは妖精たちに懇願され、妖精の王国へ行って、病を治そうと大王の手を握る。
が、大王の病は治らない。
ゼリアン王女の父親への愛が、人間の父親へのみ注がれていることに嫉妬と羨望を抑えきれなくなった大王は、不穏なエネルギーをミドリの住む家の周りに放つ。
そのせいで家の周りには、動物たちが怯えて近付かなくなる状況へ(ミドリの父親は動物病院を経営している獣医さんなのに)。
追いつめられるミドリ。
その時、彼女は呼び声に気付く。
深い谷底で、卵の状態で身動き出来ずにいた(卵を運んでいたコウノトリが、事情があって卵を谷底へ落としたとか何とか、言ってましたねえ)本物のゼリアン王女の声だった。
声に導かれ、ゼリアン王女の卵を見つけたミドリは、ゼリアンの声に従ってその卵へ『ドリームボール』をぶつける。
ドリームボールの力でようやく卵の殻を破ることが出来たゼリアンは、幼虫、蛹を経て、最終形態?である、アゲハ蝶を思わせる王女としての姿を取り戻す。
二人の少女は急いで大王の許へ戻り、ゼリアンは病んで死にそうな大王の手を握る。
たちまち病は快癒し、大王や妖精たちは、人違いをして、迷惑をかけてすまなかったと、ミドリへ詫びと礼を言う。
ミドリは人間としての日常を取り戻し、ゼリアンは妖精の王女として幸せに暮らすのであった……めでたしめでたし。
……な訳あるかい!
と。ポテチを食みながら陰キャ少女・後のかわかみれいは思いました(笑)。
まず、主人公のミドリ。
彼女は単純な人違いで、カエルになるかもしれない恐怖におびえつつ(ドラマ中はその部分をほとんど描写してませんが、普通に考えてそうですよねえ)、みんなに内緒で妖精の王女として仕事をしなきゃならなかったんですよ?
十歳そこそこの子供に、何やらしてんねん!
おかーちゃんになった今の私はそう思って更に腹立たしいですが、少女の私であっても『ごめん人違いだった。で、終わらせるんかい! 割に合わねえ……』ともやもやしました。
まあそれでもね。
妖精の王女として妖精たちから傅かれ、楽しいこともいっぱいあったでしょうよ、ミドリちゃんは。
苦労はしたけど、いい思い出・いい経験だったでしょう。
……ミドリちゃんはね。
だけど暗い谷底で十年以上、じっとしているしかなかったゼリアン王女は?
王女として暮らすはずだった幼少期、彼女は暗い谷底でただひとり、卵の状態でじっとしているしかなかった、ンですよね?
おいおいおい、普通、死ぬだろう?
まあ百歩譲って、『妖精の王女様』だという潜在能力のおかげで、命に別状はなかったにせよ。
寂しいじゃーありませんか!
メッチャ、メッチャ寂しいじゃー、あーりませんか!(クソデカ声)
ずっとずっとずっと、そりゃ王国sideも一生懸命、王女探索を行っていたにせよ。
暗〜い谷底に放置されていたんですよ、幼い子が。
卵の中で、身動き一つ出来ない状態で。
十年以上も!
多分彼女は、ずっと助けを呼んでいたでしょう。
だけどその声は十年以上、届かなくて……ようやく聞き取ってくれたのは、自分の親ではなく人間の少女。
しかもその少女は、親も仲間たちも王女だと信じて執着している子。
ちょっと考えただけでも地獄のような状況だと思うのは、私が陰キャの暗い少女だったからかもしれませんが。
冷静に考えて、やはりかなりヤバいでしょう。
とてもじゃないけどわだかまりなく、ミドリに『今まで私の代わりを務めてくれてありがとう』とか言ったり、十年以上まったく交流のなかった親と、今後仲良く暮らせる気にはなれません。
少なくとも、私がゼリアンならば。
(ドラマではそうなっていました。まあ、ここで揉めたら話が終わらないしw。何にせよゼリアン、君は天使か?女神か?)
陰キャ少女・後のかわかみれいは、ゼリアン王女への同情で激しくもやもやしながら、『透明ドリちゃん』最終回の視聴を終えました。




