君の色気にあてられて.2
《透子さーん》
「一騎くん!おはよー」
<かーくんだー>
《ひなちゃん、おはよ きょうはたのしみだねぇ》
<うん!ぷいきゅあ!>
《うんうん!じゃ、ここにすわってね くるしくないかな?》
<うん!>
「今日は誘ってくれてありがとう!よろしくお願いします」
《いいえーじゃあ行きましょうか》
「うん!」
今日は待ちに待ったぷいきゅあショーの日
会場は少し距離があるから、一騎くんが運転してくれるんだ
ひな、楽しんでる 私までうれしい!
ショーの間も一騎くんはひなと一緒に踊ったり歌ったりしてくれていた
もしかしたら覚えてきてくれたのかな…ひなのために
あ…ジュニアシートとか、メドレーもひなのために用意してくれたのかな…
《透子さん、楽しかったですね!》
「うん!ひな、よかったねぇ」
<うん!かーくん、ありがとう!>
《どういたしまして♪
またチケットとれたらいっしょにこようね!》
<わぁい!>
「さ!お弁当にしよっか!
ひな、おしぼりでてをふいてね
一騎くんも、はい」
《ありがとうございます!》
<できたー おにぎりたべるー>
「こっちはしゃけだよ はい」
《透子さんのお弁当…うまそー!》
「ひなが好きなものばかりでごめんね」
《いえ!玉子焼きおいしいです!おにぎりも!》
「よかったぁ!」
お腹いっぱいになったひなは気持ちよさそうに
眠ってしまった
明日も仕事だから、ひなが眠っている間に車に乗せて、家に向かうことにした
「一騎くん、ありがとう」
《僕が来たかったんですよ》
「ねぇ、こういうのも全部準備してくれたのね?
ひなのために」
《わかってくれました?僕の覚悟》
「うん…ありがとう」
《ちょっと停まりましょうか》
「あっ!何か飲み物でも買ってくるね」
《透子さん 僕が行きますから待っててください》
「あ、ありがとう…」
ひな、よく寝てるなぁ
《透子さん、どうぞ》
「ありがとう 一騎くん」
《ひなちゃん、よく寝てますね》
「うん たまに笑ってるのよ
いい夢見てるのかしら」
《僕たちといる夢だといいなぁ》
「きっとそうかも」
《…はい じゃ、出発しますね》
「うん!」
スーパーにも寄ってくれて 助かったぁ
「ほんとにありがとう!ひなもよろこんでて…
疲れちゃったよね、ごめんね」
《いえいえ!じゃあまた明日》
ひな、あんなに寝てたのに、もう眠ってる
私も家事終わらせて早めに休もうっと
「おはようございまーす」
《透子さん、おはようございます
今日も玉ねぎいっぱいですよー》
「うわぁ 頑張ろうね!」
《はい!》
〔♪〜〕
「司さん、ご機嫌ですね?」
『ついに結ばれたんだよなーこっちも』
「恭子さんですか!?」
〔そうなんだよー可愛いくてさー〕
《…あんまり、想像したくないですね》
『なんかわかる』
「ちょっと、2人とも…」
〔想像なんかすんじゃねーよ 俺の恭子だぞ〕
「わぁ…そういうの、いい…」
《透子さん!僕もいつも思ってますからね!?》
「ん?なにが?」
『お疲れ、一騎…』
《ほんとですよ…》
「え?なにー!?」
〔あ、そうだ 透子 昼休憩の時、一騎とちょっと
ひとっ走り行ってきてくんねーか?〕
「え?いいですよーどこへ?」
〔はなまるベーカリーだよ〕
《新しいパンですか?》
〔そうそう 試食!行ってきてくんね?〕
《僕でいいんですか?》
〔耕平と行かせてもいいけど〕
《だめです!透子さんは僕が連れていきますから》
「え?うん」
『おーおー熱いねぇ』
〔じゃ、頼むなー〕
【透子point of view】
「試食かぁ 楽しみー!」
《透子さん、はなまるのパン好きですもんね!》
「うん!」
《着きましたよー》
「はーい!」
ひだまりが提携してるパン屋さん
【はなまるベーカリー】の米パンなんておいしくないわけがないっ!
来月からかぁ 人気になりそうー
「めちゃくちゃおいしいです…ふわふわぁ」
《ほんとだ、最高です!》
お土産まで頂いてしまった
《ただいま帰りましたー》
〔どうだった?〕
「おいしかったですー
これ、お土産いただきました」
〔あいよ お疲れーあ、多いな…ひなちゃんにも持ってってやんな!〕
「ありがとうございます!ひな、よろこびます!」
『透子ちゃん、ちょっとこっち来てー』
「焙煎ですね?今行きますー」
《早く帰ってきてくださいよぉ?》
「はーい!」
【一騎point of view】
〚あ、米パンでしょ?楽しみにしてたのー!〛
〔恭子、これつけてみ ぜってーうめーから〕
〚わっ!ほんとだぁ…〛
〈どれどれ!?食べたぁい〉
〔未来、あーん〕
〈きもー〉
〔ひどいっ なんでだよ…なぁ、恭子ー〕
〚よしよし でも、他の女にあーんはだめよね?〛
〔あ〕
〚あとでいらっしゃい?〛
〔悪かったって!すまん!〕
〚そういえば…一騎、あんた 透子ちゃんと付き合ってんでしょ?うまくいってる?〛
《いや、それが…》
〚え?まだなの!?〛
《この間はノリで言っちゃいましたけど、まだ返事もらえてないんですよー》
〔あーふんぎりつかねーのかもな
一騎、透子の離婚の原因とか聞いてんのか?〕
《いえ…》
〔前の旦那は女遊びがひどかったからなー そこらへん、気をつけろよ お前なら大丈夫だと思うが〕
《当たり前です!》
〚あーいう傷は、なかなかね…癒えてきた頃に何かあると深くなるから…〛
《…僕が守りますから》
〔よく言った!〕
〚えらい!〛"ぽんぽん"
《…はい!》
【耕平point of view】
『透子ちゃん、だいぶ筋がいいねぇ』
「ほんとですか!?」
『うん!コーヒー好きなだけあって、いいセンスしてる』
「耕平さんにほめてもらえるなんてうれしいです」『えー?たくさんほめてあげるよー?』
「ほめるところありますか?」
『たくさんあるよ』
「えー照れる…例えばー1つだけ挙げるとしたらなんです?」
『透子ちゃんは、ひなちゃんのために一生懸命仕事して家事やって頑張ってるし、自分が無理してでも俺たちの役に立とうと頑張ってくれてるからなぁ
そういう君を見てると、俺元気になれるんだ』
「…耕平さん…そんなにほめてくださるなんて…ありがとうございます!」
『もっとあるよ?』
「やっ、大丈夫です!照れますから…」
『えー?言わせてよー』
「だめですよー!もう…」
『そういうところも、可愛いよ』
「え…?」
『さ、急がないと一騎にヤキモチ妬かれちゃうからな 僕の彼女ですよー!とかいって』
「あ!付き合ってないんです…」
『え?』
「告白はしてくれたんです…けど、返事はまだ…」
『どうして?』
「好きなのかわからなくて…」
『焦ることはないよ ゆっくりでいいんじゃないか?大事なのは、透子ちゃんの気持ちだからね
さ、行こうか』
「…はい」
こういうところ、真面目で可愛いんだよな…本当に
付き合ってなかったのか…
なら、良かった
一騎が入ってくるずっと前から、
透子ちゃんのことが好きだったんだ 俺は
【透子point of view】
ドキドキしちゃった…
耕平さん、普段も優しくて大人で
憧れの人ではあるけど 手の届かない人だから
考えないようにしてたんだった…
自分の気持ちが…よくわからない
好きって、どういう気持ちなんだっけ
〚透子ちゃん〛
「はーい?」
〚そろそろよー〛
「あ!すっかり時間見ないで仕事してました」
《透子さんすみません、僕も手が離せなくて見てなかったです》
「いいのいいの!では、お先に失礼します!」
〔おう!おつかれー〕
『あ、透子ちゃん、俺、混んでないうちに買い出しに行くんだ 送るよ』
「すみません、耕平さん」
《耕平さぁん、早く帰ってきてくださいよぉ!?》
『わかってる!』
『さ、乗って』
「ありがとうございます…あれ?」
『ん?どうした?』
「いい匂い…」
『え?そう?いつも乗ってるから自分ではわかんないけど…』
「安心する…」
『…俺の匂いが?』
「耕平さん…の?」
『どう?この匂い?』
「わ…っ」
抱きしめられてる…
そう、この匂い…
『おっと…そんなに安心したのかな?』
「あっ…すみません!!私…」
思わず…ぎゅって…抱きしめちゃってた…
『はは、光栄だよ さ、行こうか?』
「はい…お願いします…」
「ひなぁ、おまたせ」
<こうちゃんだー!>
『ひなちゃんひさしぶりだね たのしかったかい?』
<うん!こうちゃん、おうち、くるー?>
『んー?ひなちゃん、あそんでくれるのかな?
お邪魔してもいーい?』
「あ、うちは構いませんけど…耕平さん、買い出しがあるんじゃ…」
『買い出しはすぐ終わるから ひなちゃんのご厚意に甘えようかな』
「はい!」
<やったー!だっこー>
『おいでー』
…どうしてわたしまでこんなにうれしいんだろ
ひなが一騎くんに特別懐いてる、って思ってたけど
耕平さんが来ても、こんなによろこんで…
そうだ ひなはみんなにこうしてたんだっけ…
『おっと!透子ちゃん?考えごとかな?つまづいたら危ないぞ』
「あ、すみません!ありがとうございます」
耕平さん
ひなばかりじゃなくて、私のことも見てくれるんだ…
『疲れてるんじゃないか?』
「いえ!そんなことは…」
『あんまり無理しないようにね
何かあったら頼ってくれよ』
「ありがとうございます!」
『透子ちゃん
ひなちゃん、寝ちゃったよ ベッドに運ぼうか?』
「わぁ、すみません!珍しい…ご飯の前に寝ちゃうなんて…」
『そうなの?
よっと…ちょっとだけおやすみ、ひなちゃん』
「ありがとうございます」
『ううん 透子ちゃんもお疲れさまだね』
「いえいえ…」
『ん?どうした?』
「耕平さん…」
『なんだい?』
「ちょっとだけ…いいですか?」
『…いいよ』
安心する…大きな背中…大きな手…
避けていた気持ちがどんどん大きくなっていく…
『…』
耕平さんは
しばらく黙って、私のそばにいてくれた
「おはようございまーす!すみません!遅れて!」
〔え?遅れてないだろ〕
『どうした?透子ちゃん』
「あれ?あ、ほんとだ…30分くらい遅れてると思ってました…」
〔なんだー?寝ぼけてんのか?〕
「家の時計が進んでたのかな…」
『あとで確認しときなね?』
《はい!あれ?一騎くん、まだなんですね?》
〔もう来る頃だなー〕
「こんなに早いんだ…」
〔透子 無理すんなよ〕
「え?」
『私も、とか言い出すつもりだったのかな?
ひなちゃんの負担が増えちゃうからね
無理はしちゃいけないよ』
「あ…」
〔そ!いつも通りでも充分早いんだ
透子、わかったな?〕
《はい…》
ねぇ!待ってよ!一騎!!
「ん?」
『…なんだぁ?痴話喧嘩かな?』
〔誰だよ、こんな朝っぱらから 窓開けてみるか〕
『うん あれ?…一騎か?』
「…え?」
〔なにしてんだ、あいつ〕
「…」
【一騎point of view】
さてと、店ついた 今日もがんばろ…
{ねぇ!!}
《…断ったはずだけど》
{納得いかない あの人のどこがいいの!?
子どももいるんでしょ!?}
《僕が好きになっただけ もういい?》
{あたしも一騎が好き}
《悪いけど…応えられない》
{一騎 子どものめんどう見させられてるだけじゃん!}
《… 仕事だから帰って》
{ねぇ!待ってよ!一騎!!}
《離してくれ…》
{一騎…}
《ちょ、…っ》
抱きしめられた…
幼馴染みで、昔からそばにいたけど
そんなこと一度も考えたことなかったのに
なんだこれ…
女の匂いがする…頭がクラクラするような…
気づいたらキス、してたんだ 何回も、何回も…
見られてるなんて、思いもしなかった
〔いい加減にしろ!!店の前で何やってんだ!〕
《え!?司さん!?見られて…た?》
{行かないで…}
《…!とりあえず今は帰ってくれ!》
彼女を無理やり帰らせて、店に入ってきた
《すみませんでした…あの、透子さんは?》
〔…向こうの部屋にいる〕
最悪だ…普段なら来てない時間なのに…
《…透子さんっ!》
〔一騎!〕
《あ…》
〔落ち着け 耕平がついてるから〕
《…っ》
【耕平point of view】
「すみません…仕事、できますから」
『無理するなよ…』
〔透子、まだ休んでていいんだぞ〕
「大丈夫ですから」
《透子さん…あの…》
「仕事しよう?遅れちゃってるから」
《あ…》
〔…どうだった?〕
『あの通りだよ
無理に笑って大丈夫の一点張りだ』
〔真剣に考えてたんだろうにな…
昔の透子を見てるみてぇだ〕
『あの時は…ほんとに見てられなかったからな
早く元気になればいいが…』
〔…あぁ〕
【一騎point of view】
キスしてるところを透子さんにまで見られてた
言い訳もなにも出来ないまま
結局休憩時間もゆっくり話せなくて
忙しくしている間に
透子さんは時間になって帰ってしまったし…
僕は…何してるんだ…
{一騎…待ってたの}
《…》
{帰ろう}
《…うん》
{ねぇ、一騎}
《…ん?》
{好きよ}
《…》
{あたしのこと、好きじゃなくてもいいから…}
《…ごめん 僕は透子さんが好きだ》
{それでもいいから…}
《無理だよ…》
{…ずっと、待ってるから}
《一人にしてくれ》
{…うん}
透子さんに会いに行こう
会いたい 顔が見たい 声が聴きたい…
追い返されるかもしれないけど…
嫌われたかもしれないけど…
話しがしたい…
話しを聞いてくれたら…きっと…
《え…、なんで》
透子さんの家に…耕平さんが、入って行く
耕平さん、まだ店の時間じゃ…
嫌な予感がして
その場で立ち尽くしたまま動けなかった
【耕平point of view】
『大丈夫かい?』
「はい…」
『ひなちゃん、寝ちゃったのか』
「お腹いっぱいになったみたいで」
『子どもは可愛くていいよな』
「はい」
『朝は…ごめんな』
「いえ…」
『見てられなかった…』
「耕平さん…」
『でも、俺、好きだ…透子ちゃんが…』
「あ…」
↷あのとき、
〔…耕平、透子と向こう行ってろ〕
『透子ちゃん…おいで』
「…はい」
『大丈夫 俺しかいないから 泣いてもいいよ』
「…っ、うっ、」
『つらかったな…昔のこと、思い出したんだろ』
「…うん…耕平さぁん…」
『透子ちゃん…落ち着いた?』
「はい…すみません、もうだいじょ…え…耕平、さ…」
透子ちゃんを抱きしめてた
子どものように泣いていた彼女を
安心させたかったんだ
「耕平さん…?」
『…俺にしなよ 大切にする』
「…あ…」
『好きだ…』
「…」
抱きしめ返してくれたのが"答え"かと思った
落ち着くまで、そばにいたんだけど
仕事に戻るっていうから、連れて行った
司には、ずっと抱き合ってたなんて言えないしな…
あーいうしかなかった
あいつ…僕が守るなんて言ってたらしいが…
あの時、自分からキスしてたじゃないか
透子ちゃんの前で…
前に進もうとしてた彼女を傷つけて…
あいつにはもう二度と触れさせない
俺が、透子ちゃんを守る
『透子ちゃん』
「…はい」
『愛してる』
「耕平さん…」
『愛してる…透子…ん、…』
「耕平さん…んんっ、…」
ーーーーー
『俺んちに来ないか?1人にしておきたくないんだ』
「…はい」
『明日の仕事終わったら迎えに来るから』
「耕平さん…」
『ん?』
「ありがとうございます…」
『俺が、君を好きなだけだ 気にするな』
「もう一回…して?」
『透子…?』
「私も…好きです」
『…好きだ…んん…っ』
「ん…んん…」
ーーーーー
【一騎point of view】
2時間経っても、耕平さんは出てこない
何してるんだ…怖くて近寄れない
朝まで出てこなかったら…?
そんなの耐えられない…
帰ろう…明日になったら、元に戻ってるかもしれない
《おはようございます…》
〔おはよう…顔色悪いけど仕事まともにできんのか?〕
《はい…》
〔そうか 頼むぞ?〕
『おはよう』
《あの、耕平さん…》
『なんだ?』
《あ、いえ…》
「おはようございます」
〔おはよ 透子〕
《透子さ》
『透子ちゃん、おはよう
今日はじゃがいも2箱だぞー』
「うわぁ…頑張ります!」
『皮むき終わったら恭子さんに回して
今日はそろそろ来るから』
「わかりましたー」
《…》
元に戻るどころか…
耕平さんに取られてるんじゃないか?
昨日何時までいたんだ…?もしかして、朝まで…?
透子さん…耕平さんを選んだの…?
《透子さん》
「ん?」
《あ、あの》
「どうしたの?」
《あの、昨日は…》
『透子ちゃん、終わったらこっち来て
コーヒー豆のブレンドするんだ』
「あ、はーい もう終わります!
安藤くん、ごめんね」
《え…》
「耕平さん、お待たせしましたー」
だめだ…もう無理なんだ…
やっと少し近づいたと思ってたのに
透子さんが遠くに行ってしまった…
【耕平point of view】
『よくできました 透子 これを覚えてくれたら
俺、助かっちゃうなー』
「耕平さん…」
『おっと…甘えん坊だなぁ?』
「もっと…」
『可愛いけど、続きは帰ったらな?んん…っ』
「んっ…じゃあ、煮込みのお手伝いしちゃいますね!またあとで…」
『うん』
一騎、悪いな…
透子とひなちゃんのめんどうは俺が見るから、
お前はあのお嬢ちゃんとうまくやんな?
〔耕平…やっとか ずっと好きだったもんな〕
『誰にも任せられないからな』
〔透子にとってもその方がいいだろ
思ったより元気そうで俺も安心した〕
『なるようになった、ってことだろ』
〚…ねぇ、一騎帰ったわよ〛
〔あーあー あの子のとこ行ったのかもな〕
『それならそのほうがいい』
〔そうだな でもあれだな、一騎がやめるとなると…どっかからもう一人くらい見つけてこないとな
店何日か休むかー〕
〚あたしも手伝う〛
『俺も探すから』
〔お前は透子についててやれ
いいよ、たまにはゆっくり休んで
また再開しよーぜ な?恭子〕
〚それもいいかも!
耕平、あたしがいるから、こっちは平気よ〛
『そうか、すまんな』
『透子』
「はい」
『1人減ったから忙しくなるだろうから、頼むね
明日から何日か店を休むことになったんだ
あとで、一緒にひなちゃんを迎えに行こう?』
「はい!わかりました!」
〈あれー?一騎は?〉
〔あー辞めたぞ〕
〈そうなの!?急だねーねぇーお腹すいたぁ〉
『今日はお兄さん特製、カルボナーラだぞー』
「わぁ!おいしそう!」
〈耕平さんのパスタだー!いただきまーす〉
この笑顔は…無理はしてなさそうだけど
吹っ切れた、のか?
【透子point of view】
昨日の"あれ"を見た時、元夫の不倫現場を見てしまったときのことを思い出しちゃって…また、みなさんに心配かけちゃった
4年前から、私のそばにはいつも耕平さんがいてくれてた
きっと、あの時から…好きだったんだなぁ
憧れって思ってただけで
きっと…
好きな人からの告白は、今までのつらかったことを すべて吹き飛ばしてくれた
「耕平さん」
『ん?どうした?』
「愛してます…」
『透子…俺も愛してるよ』
大人の色気が
私を包む
心が、潤っていく
こんなに幸せなことがあるなんて
<こうちゃんだー!>
『ひなちゃん、おかえり』
<ママー?>
「ん?」
<こうちゃん、パパになる?>
『お?』
「うん!きっと♪」
『透子…いいのか?』
「はい!」
『よべるかな?ひなちゃん おれをパパって』
<パーパ!だっこ!>
『…おう!おいで!透子、帰ろう』
「はいっ」
【半年後 一騎point of view】
あれから僕は、新しい職場を見つけて
結局あいつと付き合ってる
一緒に住むようになって3ヶ月になる
子どものめんどう見させられてるだけじゃん!って言われた時、
即座に否定できなかった自分が情けなかった
本気で好きだったのに自分から手放してしまった
それでも、あいつはこうしてとなりで笑いかけてくれる
{一騎、あのお店おいしかったね!また行こうよ!}
《…うん、そうだね このあとどうする?》
{あ!新しくできた雑貨屋さんに行かない?
食器とか、買い足さない?}
《いいね、行こう》
向こうから、家族連れが歩いてくる
入学式の帰りだろうか…
幸せそうにすれ違っていった女の子の胸のバッジには"前島 陽菜"と書いてあった
タイトル〘君の色気にあてられて〙
Fin…
こちらの記事はnote様で同一名義にて投稿しております。
再編集して投稿しております。




