第2話 私の背中について来て
中庭に到着して俺たちは仲良くベンチに腰を下ろした。手には缶ジュース。これは弥生がさっき「りゅー君、のどかわいたー」と妙に可愛らしくおねだりしてきたから買ったものだ。自分のも買ったから計240円の出費。……今月ピンチなんだが……。
そんな事を考えながら一口飲む。弥生のジュースは前からあるヤツだが俺のは見覚えが無い。好奇心に負けてピンチなことも忘れ買ってしまったジュース。不味かったら容赦しねーぞ!と意気込んで口に入れたが……。
「――くん。――りゅー君」
「……え?」
なに?
「大丈夫?」
「大丈夫って……何が?」
「何がってりゅー君だよ。急に動かなくなちゃったから心配したんだよ?」
俺が動かなくなった?
「冗談だろ? 俺さっきジュース飲んでただろ」
そう言ってそう言ってもう一度、缶を口につけた……いや、つけようとした。
「なんで……」
俺の手には缶が無かった。
「弥生。俺のジュースはどこだ?」
弥生はちょっと引き気味に、
「どこって……りゅー君自分で捨ててきたんでしょ? あそこに」
そう言って空き缶入れを指差した。俺は黙ってそこに行く。果たしてそこに俺のジュースの缶があった。
「嘘……だろ」
俺には捨てた記憶が無いのに捨ててあった。目撃者もいる。でも俺の記憶は無い。
そうやって無限ループを繰り出しそうになった時。
「りゅー君。ちょっと来て」
と呼び出しを食らった。
「ちょっと待て今忙しいんだ」
そう言っても弥生は来てくれとうるさい。仕方なく行くと弥生は近くの茂みを指差した。
その茂みをジーッと見つめていると。ガサッと動き、声が聞こえてきた。
「大きすぎて入りきらない……」
女性の声。
――――オオキスギテハイリキラナイ……。
俺の脳みそは沸騰した。
「な……ナニが大きすぎるんだあああああああああ! ナニが入りきらないんだああああああああ!」
「落ち着いて! 落ち着いてよりゅー君!」
「そ……そ、そうだなまずはケータイで録画しないと。このときの為に画質が良いヤツに買い替えたんだ」
「このときの為だったの!? 買い替えたのは知ってたけど、このときの為だったの!?」
「うわあああああああ! 新しいから操作方法判らねええええええええ!」
「……貴方たち」
うわっ!?
一気に正気に戻った。
目の前に女の人。声でさっきの「入りきらない……」の人だとわかった。制服を着てるから生徒だ。
「ナンデゴザイマショー」
弥生はかつて無いほどカタコトだ。
「見た?」
女生徒は短く、それでいて嫌と言うほど何のことか判る様に尋ねた。
「見てませんよー」
俺の言葉に
「聞いただけですよー」
弥生が付け足した。間違い無く蛇足だ。
「そう……ちょっとこっちに来てもらえるかしら?」
そんなことを言って女生徒は返事も聞かずに歩き出した。
俺たちはその後ろに黙ってついて行った。
お久しぶりです。色々と忙しいことが続いてパソコンを触れない日々が続きましたがようやく解禁です。やったー。
色々あやふやにしちゃいましたが(ジュースとか)近いうちに判ります。
ではノシ




