リーグ最終節(対ワラビーズ戦) その4
あちらの監督さんが、「今のプレーにマネラさんとジョコちゃんが関与してた」と盛んに抗議するも、そこは審判、華麗にスルー。
それを見てますますヒートアップするKOPの皆。
もうこうなったらウチの流れは止められませんぞ。
その後は、右からはTAA、左からは司がワラビーズのゴール前に高速クロスを雨霰の様に降らせ続けるも、そこは流石、プレミア一の残留力のあるチーム。
ワラビーズの選手がクリアしたボールが悉く、バーやポストに当たりまくり、まるで結界を貼ってるかのようにゴールを割らせない。
うーん、流石、プレミアで何年も降格争いをしているチームなだけある。やはり一筋縄ではいかないのだ。
前半の時同様に、悪い流れになって来たなー……と思い始めた後半の24分のことだった。聖地アンフィールドに衝撃が走る。
なんと、同時刻で行われているシティー vs アストン・ベラ戦で、アストン・ベラが追加点を奪ったのだ。ウェイウェイウェーイ!!
ってことは、アレか?
この時点でウチが首位!?もう、やるっきゃない!(六度目)
すると、「いや、ちがうで。この時点でウチもシティーも勝点は90やけど、得失点差が4差あるからまだまだシティーの方が首位やな」と、思いのほか数字の強い優斗。
「あっ、どうもすみません」(優斗のくせにやるじゃねーか……)
なぜだか、クラップさんも優斗に頭を下げてる。(エッ!?)
そして、「もう、こうなったら、やるっきゃない!!」とクラップさん、ここで魂の二枚替えを発動。(クラップさんもですか!?)
すると、「シンジー、イケるかー」とクラップ監督からのお呼びが掛かる。
「もちろん、行けます(ワンッ!)」
「じゃあ、右サイドのDF、よろしくー!!」
クラップさんはそう言うと、颯爽とベンチを出て第四の審判に交代のカードを渡す。
えーっと、あれ……僕の攻撃力でどうにかするんじゃ……だって、ほら、まだ引き分けだし……
その時、アンフィールドに津波のような歓声が沸き起こる。
『66番OUT(TAA) 24番IN(僕)』
そして……
『20番OUT 11番IN』
千両役者の登場だった。
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交代の間際、「まだ、サルーは本調子じゃないのでサルーの分までDFを頼む」と補足説明をしてくるクラップさん。(大丈夫ですよ、言われなくたって……)
まあ、確かに、そりゃ、そうですよねー。
「サルーさん、大丈夫っすか?」と俺と同じくピッチ脇でアップするサルーさんに尋ねる。
「大丈夫、シンジ、全ては神様のお導きね」
「……はい」
「あと、DFの方、よろしく」
「……はい」
すると、サルーさんがピッチに入るや否や、最重要危険人物が来たと、二枚のマークをサルーさんに付けるワラビーズ。
そうなるってーと、結果として左サイドがスカスカになる訳で、今度は司が水を得た魚の様に左サイドで暴れ始める。
なるほど、サルーさんを囮に使うたぁー、随分と贅沢なことやってくれちゃってんじゃん、上司。
だが、司は、サルーさんを囮に使うだけではなく、しっかりと、ピンポイントでクロスも入れて来る。
右に左にと、ワラビーズにとっちゃたまったもんじゃないな。
モハメド・サルーという絶対的なエースの登場でバランスを崩してしまったワラビーズDF陣。
後はもう、その瞬間を待つだけとなっていた。
俺はサルーさんの後ろに構え、サルーさんが納め切れなかったボールを拾いまくる。
リバウンド王ならぬ、セカンドボール回収王の鳴瀬神児たぁ、俺のこったい!なんか文句あんのかよっ!!
すると、その時だった。
俺の真横を、何やらでっかい物体が、ヌッと通り過ぎて行く。
えーっと……拓郎?
拓郎はサルーさんに二枚付いたDFのギャップを突いて、掟破りのアンダーラップでゴール前ドフリーで上がる。
そんな、電信柱のようなターゲットマンを司君は見すわけもなく、左サイド、ワラビーズゴール前30m付近から、リバプール湾の鯱目掛けて、インフロントでのピンポイントクロスを入れた。
なるほど、拓郎が触らなくともそのままゴールに入っちゃうっていう寸法だ。
だが、並み居るプレミアリーグの強豪からゴールを守り続けているワラビーズのGK、サティは一か八か、ゴールから飛び出し拓郎との競り合いを挑む。
人外海獣の拓郎。なんと、ジャンプしたサティのパンチングよりも上から司のクロスをジャストミート。
もう、お前、人間、止めてんのかいっ!
だが、拓郎のヘディングは、ついでにクロスバーもジャストミート。
“バイーン”と無情の無情の衝突音が響き渡るアンフィールド。
だが、そこにいるのは、リバウンド王ならぬ、セカンドボール回収王の俺。
誰よりも早く、拓郎の外したセカンドボールをスライディングで回収すると、勢いそのまま、無人のゴール目掛けてスカッド発射。
ワラビーズゴール前33m、勝ち越しゴール、行ったか!!
だが、そこにいたのはワラビーズの3CB。
バッキバキに決まった目で、両手を後ろに組んで俺のシュートに体を投げ出してきた。
ヤッバ……あったまおかしいんじゃねーの?
俺だったら絶対やらないねそんな事。やはりこれが残留力のなせる技なのか!?
“ドスンッ”とCBトチのどてっ腹にスカッドが命中すると、トチはそのまま口から泡を吹いてバッタリ。
そして勢いを失ったボールはそのままコロコロとワラビーズのゴール前に転がっていく。
すると、そこから両軍入り乱れての『スマッシュブラザース』状態が発生。
今日、影が薄かったデービスが、ここぞとばかりシュートを打つも、今度はCBのコナが両手を後ろに組んで顔面ブロック。(痛ったそー)
今度はそのボールをクリアしようと、CBのボリが大きく蹴り出そうとするも、ならばと、ウチの鯱が負けじとでっかい体を投げ出して“バカンッ”と顔面ブロックのお返し。(まあ、拓郎なら大丈夫だろ)
その後も、“ドスンッ”だの“バカンッ”だの“ベチンッ”だのワラビーズのゴールエリア(PA内のさらに内側の四角の中ね)で盛大なボールの蹴り合いが発生する。
そして、最後の勝者は『スマッシュブラザース』においての主役とも言える、マリオ……もとい、口ひげを生やしたモーさんがつま先でチョンとゴールに押し込んだ。
はへー、やっぱ、持ってる人は持ってるんだなー。
そんな感じで、 EPL 最終節 リバプールSC vs ウルフバーハンプト ワラビーズSCとの試合は、後半39分、モハメド・サルー選手のゴールにより、2-1となる。
ヤッター!!




