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フットボールのギフト ~底辺Jリーガーの俺がフットボールの神様からもらったご褒美とは~  作者: 相沢孝
第十一章 飛躍のリバプール2年目編

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FA杯決勝 その8

 そんな漢同士(おとこどうし)のむさぐるしい玉遊びが一段落した後半60分過ぎの事だった。


 偽CBとして一列前に上がった拓郎から大外をオーバーラップする優斗へのスルーパスが通った。


 左サイドを抉る優斗。


 そこから中央に走り込んだケンタに折り返すと、するすると3CBの外にスライドしたジョコちゃんにラストパスが通る。


 ナイスポジショニング!


 決めちゃえ、ジョコちゃん!!


 だが、ジョコちゃんは右足を鋭く振り抜くもボールは左ポストを僅かに掠めて行く。って、また決まらんのかーい!!


 そうなのである。このチェルシーとリバプールの試合、本当に何かに憑かれてるかのように両軍が決め切れないのだ。


 そして今度はウチ(リバプール)の時間となる。


 その後、64分にケンタ、67分にこっちのチアゴ(6番のアルカンシェル)さんがシュートを打つも、メンディーに抑えられると……再びチェルシーの時間帯になる言わばエゴとエゴのシーソーゲーム。(イエーイ、イエーイ、エイ)


 理由は明白。ずばり優斗のスタミナ切れだ。だが、既にモーさんと司で二回交代をしているため、人数に関係なく残された交代の回数はあと一回だけ。(俺はハーフタイムでの交代なので交代回数に入らない)


 クラップ監督にしては珍しく交代のタイミングをミスっている。延長に入れば交代の回数は一回追加されるのだが、出来れば優斗は引っ張れるだけ引っ張っておきたいといのが指揮官としての本音だろう。


 それにスタミナが切れ始めているのは優斗だけではない。チェルシーの選手達だって試合開始の頃に比べたらプレーのスピードも精度も、そして強度(インテンシティー)も確実に落ちているのだ。


 がんばれ、浪速のガウショ!!


 すると、後半の69分、むこうのチアゴ(シウバ)さんからのパスがピンポイントでアロンヌに入る。


 やべっと思う間もなくダイレクトでマウニーにパスが通るとゴール前にグラウンダーのクロスを入れる。


 だが、マロニーのクロスは誰も触れることが出来ずそのまま逆サイドに流れていく。コロコロコロ……


 そしてそれを回収する逆サイドのWBであるジェイミーが今度は中央に折り返す。(おいっ、司、足止まってんぞ!!)


 するとそこに走り込んで来たのはチェルシーの10番プリッチ。


 ノォォォー!!


 しかし、長い距離を走って来たプリッチは最後の最後で精度を欠くと今日何度目かの決定的なチャンスを逸した……(あっぶねーなー)


 やはり、チェルシーの選手達も相当足にキているらしい。


 俺達もこの試合何度目か分からないくらいの命拾いをする。


 まあそれはお互い様か。でも、最後の最後に拓郎のバカでっかい図体を寄せてコースを限定させていたのも効いていたのだろう。


 でっかいことはいいことだ。


 その後も、チェルシーのDFラインから、右に左にとボールを供給し始めるチアゴさん。


 流石はブラジル代表現役最多出場記録更新中のレジェンド。ミランやパリにいた頃の様な人外パフォーマンスって訳ではないが、この人が最終ラインにいると、ほんとやりずらいんだよな。


 カタールにも当然いらっしゃるんですよね?


 ってか、あれですよね?


 ネスタやマルディーニとコンビ組んでた方ですよね?


 前の世界ではウイイレで大変お世話になりました。


 自分、こう見えても熱心なミラニスタだったもんで……(ウイイレ限定)


 ところで、えーっと、今、一体、おいくつでしたっけ?


 えっ、37歳!?……今度のW杯では……はぁ、38歳ですか。(フットボール人生二周目の俺達と年数たいして変わんねーじゃねーか!!)


 お元気そうで何よりです……


 そんな感じで最終ラインからゲームを組み立て始めるチアゴさん。(あっちのね)


 これまでは優斗が押さえてたのだが、前半開始からフルスロットルで走り続けてきたのだから流石に足が止まって来た。まぁ、致し方ない。


 しかし、浪速のガウショがここで意地を見せる。


 守備で貢献できないのなら攻撃で貢献してやろうとFWとして至極まっとうな考えにたどり着く優斗。(ようやくですか?)


 そして、82分の事だった。


 優斗の足が止まり、前残りが功を奏すると、チェルシーからボールを奪ったチアゴさん(こっちのね)が優斗にパスを通す。


 チェルシーのPA手前でチェルシーの左のセンターバック、イングランド代表トレバー・チャロバーと一対一。


 そして遂に伝家の宝刀を抜く。


 稲森優斗、零式エラシコ発動!!


 この瞬間、まるでロナウジーニョが乗り移ったかのようなプレーのキレを取り戻す優斗。


 イングランド代表CBを一発でぶち抜くと、魂のフライングボレーが炸裂。 


 唸りを上げて優斗のシュートはチェルシーゴールニア上を襲う。


 よっしゃー!決まったかぁー!!


 と思うも、直後、"バイ~ン"と盛大な音を立ててゴールポストにブチ当たった。


 やっぱ、決まらんのかーい。


 思わず吉本新喜劇みたくガタガタガタと倒れ込みたいたいのだが、ポストに当たったボールがチェルシーに回収されるとおもいっくそカウンターで返される。


 優斗、悔しがってる暇あったらさっさと戻ってこーい!!


 ボールを失った者がファーストディフェンダーですぞ!! 


 だが、優斗は只今相手ゴール前で口から泡を吹きながら右足のふくらはぎを押さえて悶絶中。


 だめだこりゃ……


 うーん、大事に至らなければいいなー。(まぁ、いつものこむら返りだろ……)


 直後、どうにかボールを奪い返した司が、気を利かせて外に蹴り出しゲームを切る。


 というわけで、優斗はここでお役御免。


 口から泡を吹きながら担架で運ばれていく様子を敬礼でもって見送る俺と司。


 あいつ、無茶しやがって……(どの口が?)


 FA杯決勝 リバプールSCvsチェルシーSCの試合は、0対0のまま後半83分、稲森優斗が交代し、俺達の(タキ)君が入る。


 やっぱりタキ君がいないとダメなんだな!!

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― 新着の感想 ―
やはり、優斗ではヒーローには成れないか(*T^T) リバポーじゃなければ!(TДT)
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