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フットボールのギフト ~底辺Jリーガーの俺がフットボールの神様からもらったご褒美とは~  作者: 相沢孝
第十一章 飛躍のリバプール2年目編

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FA杯決勝 その5

 左足の付け根を押さえたままセンターサークル付近で悲しそうな顔で体育座りをするモーさん。(キュン)


「ど、ど、ど、ど、どしたー!!」


 司が珍しく取り乱してる。


「左足の付け根か?」


 そういや、モーさん。左足の付け根、前から痛めてたもんなー。(しみじみ)


 メディカルスタッフの人達がとんぼ帰りでピッチの中に戻って行く。


 今シーズン開幕した昨年の8月から5月中旬の今まで、ほぼスタメンで頑張っていたモーさん。


 チームを離れてた期間中も、代表の方でフル回転だったからなー。金属疲労の様に疲れが溜まっていたのかも……


 直ぐにマネラさんとチアゴさんが駆け寄り心配そうにモーさんの様子を伺っている。


 そして何故だかあちらのチアゴさんがさらに心配そうにモーさんの背中を支えて寄り添っている。(キュン)


 うーん、尊い……と、そんなことを言っている場合ではない。


 クラップ監督があわあわしながらも、どうにかジョコちゃんにすぐにアップをするように指示を出す。


 もしここで、モーさんが負傷離脱なんてことになってしまったら、このFA杯はもちろんの事ながら、残り2戦となったリーグ戦の方も、そして宿敵アール・マドリーとのCL決勝も……チームにとってとんでもないダメージだ。


 まあ、しゃーない、これもまたフットボール。切り替えてこ!


「そんなこと出来るわけないだろ!!」とすぐさま上司の激しいツッコミが入る。


 うおっ!また人の心勝手に読みましたね、あなた……


「口に出てたわ、このアホたれが!!」と口角泡を飛ばしながら司。


 おおっと、失敬、失敬。


 などと、ベンチでくだらないやり取りをやっている間もメディカルの人とモーさんが話し込んでいる。


 すると、悲しそうに首を振るモーさん。


 だめかー……


「ディアス、ピッチに入れ」とジョコちゃんに指示を出すと熱いハグでピッチに送り出すクラップ監督。(キュン)


 ガックリと項垂れるモーさんの背中にスタジアムの観客達から拍手が送られる。(パチパチパチ)


 すると今度は、それと入れ替わるようにベンチに帰って来たモーさんをハグで出迎えるクラップ監督。(キュン)


「まぁ、歩いて帰ってこれるのなら、それほど重症ってわけじゃないか……」と、心配そうに独り言ちる司。


 そんな司を尻目に、「監督、後半から交代の予定でしたが、どうしますか?」とこの後のゲームプランニングを確認する俺。


「うん、分かってる神児、ちょっと様子を見るから」と険しい顔してクラップ監督。


 ウチ(リバプール)のベンチは大忙し。FA杯決勝、リバプールSC対チェルシーSCの試合は前半32分、モハメド・サルー選手が負傷交代、替わりディアス・ジョコ選手が入り試合が再開する。



 すると、試合再開早々、性懲りもなくあっさり崩されるリバプールの右サイド。


「うぉーい、プリッチがどフリーじゃねーか!どうなっとんじゃー!!」


 だが、決定力の無さが功を奏しどうにかクリアで逃げる我が軍(リバプール)


「ふひゅー、ヤレヤレだぜ」


「さっきはオーバーラップで今度はインナーラップか。ほんと、相手に決定力あったら、2本ともやられてたぞ」と顔色を青ざめて司。


 相変わらず相手の一瞬の隙を突くのが上手いチェルシー。きっとトゥルエルさんからしっかり仕込まれているのだろう。


TAA(アレックス)のところが狙われてるなー」


「入ったばっかのジョコちゃんとの連携がまだ取れてないからなー」


「今のは、WBのアロンヌのマークの受け渡しが曖昧になった所を突かれたな。ジョコも釣られ過ぎだし、TAA(アレックス)もバタつきすぎだ」と相変わらず辛口の司。


「慣れない右サイドは厳しいのかジョコちゃん」


「かといって、優斗の右はなー」


 一瞬、優斗を右に回したらとも思ったが……


「オリンピックでやって以来だもんなー」


「うんうん」


 やはり、モーさんの離脱の影響はこれほどまでに大きいのか。


 すると……「神児、アップの準備を頼む」とクラップ監督。


 ええーっ、もうですか?まだ前半の30分ですよ。


「それから、司もアップをよろしく」と


「……マジかー」と溜息を吐く司。


 前半くらいはのんびり試合を見れるかと思ったがそうは問屋が卸してはくれなかったみたいだ。


 ピッチサイドでアップをしながら俺達は観戦することとなった。



 --------------------⚽⚽⚽--------------------



「3バックのチェルシーと4バックのウチ(リバプール)、トゥルエルさん、ミスマッチを狙ってきてるな」


「どうすんだべ、これ」


 だがすぐにジョコちゃんが下がり目となってWB的なポジション取りをし、アンドーさんが気を利かせてDFラインをケアしてくれた。


 修正力が半端無いリバプールの皆さん。


「あそこにアンドーさんがいるの助かるなー」とホワイトボード片手に司。


 おいっ、お前、ベンチに自前のホワイトボード持ち込んでんのか!?


 そんなこんなで、チェルシーとのミスマッチを整えた我が軍(リバプール)


 やっぱみなさん、戦術理解度が高いのですね。


 だが、TAA(アレックス)、お前ちょっと、前に行き過ぎじゃね?


 再びリバプールの時間となる。


 しかしDF(ディフェンス)を整えた分、オフェンスが手薄となり決め手に欠くようになってくると、再び一進一退のゲーム展開になる。


 もっともチェルシーもサイドでゲームを組み立てられなくなると、DFラインまでボールを下げて、チアゴさんのロングフィードで活路を見出そうとするも、そこはリバプール湾の鯱がしっかりと跳ね返す。やっぱ、でっかいことは、いいことだ♪


「こうなってくると、どちらかのミス待ちになってくるよなー」と司が予言した途端、


 ダンク師匠の不用意な縦パスをチアゴさんの死角から飛び出してきたマウニーが掻っ攫った。


「ソレ、あっかーんって、シショー!!」


 完璧な凡ミス。マウニーに完全に狙われていた。


 そしてDFラインに突っ込んで来たロカク師匠にパスが通る。 


 ダンク師匠とルカク師匠のデュエル。うおー、重量級だ、見ごたえあるぅー!


 だが、このシリーズ、ルカク師匠を完璧に抑え込んでいるダンク師匠。


 「自分のケツは自分で拭くぜ!」といった断固たる決意でロカク師匠を止めに掛かると、最後はロカク師匠が苦し紛れに上げたクロスをアンドーさんがクリア。


 どうにかこうにかチェルシーの攻撃を防ぎ切ったリバプールDF陣。ふー、やれやれだぜ。


 その後、注意深く自軍でボールを回し始める我が軍(リバプール)


 すると、司を意識でもしているのか、TAA(アレックス)の偽サイドバックで活路を見出そうとするも、所詮付け焼刃。 


「オイオイ、あんなんで大丈夫なのかよ?」


「知らね、まあ、アンドーさんとケンタが後ろで守ってるから大丈夫じゃね?」といけずな上司。

 

 すると、前半の45分、リバプールのゴール前、アロンヌからのスローインのこぼれ球をパヌッチがトラップミス。それをマネラさんが掻っ攫うと高速カウンターが発動だ。


「もういい、ここで決めちまえー!!」


 それに合わせて死に物狂いでダッシュする優斗。


 WB(ウイングバック)CB(センターバック)のギャップに走り込む優斗。


「いいぞ、優斗、完璧なコース取りだ」


「マネラさん、そこー!!」


 だが、前半散々やらかした優斗のプレーが一瞬脳裏に過ったのだろう、マネラさんは一瞬躊躇すると、DFの付いていたジョコちゃんの方にパスを出した。


「だから、マネラさん、そっちじゃないってー!!」


 マネラさんはどうやらワンツーで抜け出し自分で決めるつもりだったが、結局、DFが間に合ってしまい、渋々後ろに戻すジョコちゃん。


「今のは優斗を信じて欲しかった……」と悔しそうに司。


「まあ、結果残して無かったらああなってもしゃーない」


 その後、サイドからロバートさんがクロスを入れるもジョコちゃんのシュートは枠に入らず。天を仰ぐジョコちゃん。


 ほんと、チャンスの神様には前髪しかないってのが良く分かる一連のプレーだった。


 その後、チェルシーはスローインから右サイドを崩し、ロカク師匠が抜け出すもそこはダンク師匠がしっかりついてシュートをフかさせると、互いに決め手を欠いたまま前半を終了した。


 FA杯決勝、リバプールSCvsチェルシーSCの試合は前半を終了するも依然0-0のまま。

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