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フットボールのギフト ~底辺Jリーガーの俺がフットボールの神様からもらったご褒美とは~  作者: 相沢孝
第十一章 飛躍のリバプール2年目編

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vsホットナム戦 その9

 EPLイングランド・プレミアリーグ 第36節 リバプールSC vs ホットナム・トットスターズFCの試合は後半35分を過ぎるも0対1のまま。


 そうして、()鳴瀬神児の一世一代のプレーが始まる。


 GKのウーゴ・ロドリから蹴られたボールが左WBのセニョンに入った瞬間、俺はフルスプリントを開始する。


 セニョンは分かってたかのようにロドリに返す。


 そして俺はロドリにプレスを掛ける。


 ロドリは余裕をもって逆サイドのエドモンドにパス。


 そこにプレスを掛けるのは司。それにあわせてルイ・デービスがCBのダイバーへのパスコースを切る。


 だが、エドモンドは前線から降りてきたハリルにボールを預けリバプールのプレスを回避する。


 クソがっ!!


 再びGKのロドリにボールが戻る。


 俺は懲りもせずレ・ブルーの守護神に対しプレスを掛けに行く。


 だが、2018年ロシアW杯チャンピオンは小憎らしいまでに俺のプレスを易々とかわしボールを繋げる。


 俺はロドリの蹴ったボールを追いかける。


 CBのダイアンに入ったボールをサイドに開いたセニョンに叩く……


 賽の河原で石を積むかのような終わりの無い悪あがき。


 だが、勝利を信じてるKOP達の為に俺は足を止めることは許されない。


 それにな、ロドリ、お前がW杯の決勝(ファイナル)でやらかしたのを俺はしっかりと覚えてるからな……


 2018年ロシアW杯決勝、フランス対クロアチアの後半23分、4対1となり試合の体勢が決まったと思われたその直後、CBからのバックパスを僅かにトラップミスしたロドリ、その瞬間をクロアチアFWのマンジェキッチに狙われた。


 慌ててボールを蹴り出すも、なんとそのボールがマンジェキッチの伸ばした足に当たってしまい痛恨のゴールを許す。


 おそらく、2018ロシアW杯における最大のやらかしといっていいプレーだ。


 まあ、その一カ月前のCL決勝でマドリー相手にウチ(リバプール)の当時のGKだったカリカスさんがやってしまったあれと似たり寄ったり。


 カリカスさんのやらかしは、マドリーへの先取点というゲームの行方を大きく左右してしまったものだったのに対し、ロドリのやらかしはクロアチアの最後の抵抗として人々の記憶の奥底に封印されてしまったまま。


 だがな、ロドリ、俺は忘れてねーからな!!


 あれ以来、少しでもリスクのあるボールには、ビビッてでっかく蹴り出してるだろ……お前。


 俺はその瞬間が訪れるのを愚直に信じボールを追い続ける。


 筋肉が悲鳴を上げる。


 酸欠で視界が歪む。


 骨が軋み、心臓が早鐘の様に鼓動を打ち続ける。


 それでも、KOPの声が聞こえる限り、俺はボールを追い続ける。


 このピッチに立つプレイヤーは須らくその義務を背負っているのだ。


 そうしてボールを追い続けた後半の43分、既に何度目のチェイスなのかは覚えて無いが、俺の鬼気迫るプレスに遂にロドリは根負けしたかのようにボールを大きく蹴り出した。


 ボールの行き先は当然の如く、三度の得点王スリータイムストップスコアラーに輝いたハリケーンに……


 だが、そこにはいつの間にかDFラインに下がっていたウチ(リバプール)の鯱が待ち構えていた。


 先日、練習中に測定したところ、最高到達点が2m95cmに達し、見事昨季のクリロナ様の記録(非公式)を更新した神の鯨(カムイフンペ)


 もう、それだけでお金が取れるといった感じのスプラッシュジャンプで無慈悲なまでにハリケーンに入れたボールを大きくクリアした。


 いや、クリアではなく、分かりきっていたかのように拓郎の15m手先で待ち構えていた司にパスを通した。


 あまりのスピードに珍しく司がトラップを浮かす程の威力で……


「この大飯ぐらい、ちっとは手加減しやがれ」と司の悪態がここまで聞こえてきそうだ。


 それでも無難にマイボールに納める司。


 今やレッズの司令塔に納まった偽サイドバック(ファルソラテラル)は、リバプールの自軍20mの場所からカウンターを発動させた。

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