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フットボールのギフト ~底辺Jリーガーの俺がフットボールの神様からもらったご褒美とは~  作者: 相沢孝
第十一章 飛躍のリバプール2年目編

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vsホットナム戦 その7

「クソがぁー!!」


 俺は拳をピッチに叩きつける。


 分かっていたのに止められなかった。


 ファン君とのデュエルに頭に血が上ってしまいハリルのオーバーラップに全く気付けなかった。


 もし、もう少し冷静に周りの状況を見ていたのなら、あんなにやすやすと苦し紛れのルーレットなどに引っ掛かりはしなかったはずだ。


 後半の25分に失点。


 残り20分そこそこで1点、いやシティーを追いかけるには2点は必要なのだ。


 俺は今、もしかして取り返しのつかない過ちを犯してしまったのかもしれない。


 俺はピッチの上に跪いたまま……


 チームの皆に、そして試合が始まってからここまで、一度も声を途切れさすことなく応援し続けてくれたKOPの皆に顔向けが出来ない。


 その時だった。


  ♪ Shinji Naruse Shinji ,He'll pass the ball 40yerds ♪


 (シンジ ナルセ シンジ 奴は40ヤード(36.58)mのパスを通す)



  ♪ He's big and he's f**king hard, Shinji Naruse Shinji……♪


 (奴はでっかく、クソみたいにタフな奴だ。シンジ ナルセ シンジ……)



 割れんばかりの大声で、俺のチャントをKOPの皆が歌ってくれたのだ。


 そんな、取り返しのつかないやらかしをしてしまった俺なんかの為に……


 すると……「まあ、やられちまったことはしょーがねぇ気にすんな神児。ありゃ、ファンとケインしか出来ないとびっきりのスーパープレイだ。運が無かったな」と、珍しく司が励まし(?)の声をかけてくれたのだ。


 俺は、「スマン」とただ一言。正直それ以外の言葉が見当たらない。 


 だが……「まあ、でも、もしかしたら痛み分けかも知んねーなー」と司。


「えっ?」と、ようやく俺は顔を上げる。


 すると司は俺の背後に向かって目配せをした。


 振り返るとそこには苦悶の表情で足を押さえる韓国の英雄が……


「まあ、明和の粉砕機の本領発揮ってとこか?」とおどけた表情で司。


「ファン、大丈夫か?」とハリルケインが。


 ゴールを祝うよりも先に心配そうな顔でファン君の周りに集まるホットナムの選手達。


 すると、「大丈夫、攣っただけだ。つま先を伸ばしてくれ」と周りの選手達に気丈に声を掛けるファン君。


「まあ、単なる痙攣だと思うけれど、これでパフォーマンスは間違いなく下がるな。頼んだぞ、ロードローラー君」


 司はそう言い残すとさっさと自分のポジションに戻って行く。


 そうか、ならしょうがない。


 もう俺に残されたことはたった一つだけ。


 今からリバプールの右サイドを制圧する。


 俺は‶断固たる決意"って奴をKOPの皆に見せつけなければならない。


 世界最高のサポーター達の為に。


 俺はリバプールのゴール裏に向かって拳を掲げる。


 スタンドでは相も変わらずチャントが鳴り響いていた。



 ♪ Shinji Naruse Shinji ,He'll pass the ball 40yerds ♪


 ♪ He's big and he's f**king hard, Shinji Naruse Shinji……♪


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