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フットボールのギフト ~底辺Jリーガーの俺がフットボールの神様からもらったご褒美とは~  作者: 相沢孝
第十一章 飛躍のリバプール2年目編

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vsホットナム戦 その5

 ピッチに出ると、既にホットナムの選手達が待ち構えていた。


 相手のメンツを見ると、どうやらウチ同様メンバー交代は無いらしい。


 ホーム、アンフィールドの大声援を浴びているにもかかわらず、どこか余裕の表情のホットナム。気に入らねえな。


 EPLイングランド・プレミアリーグ 第36節 リバプールSCvs ホットナム・トットスターズFCの後半戦は、ウチ(リバプール)のキックオフでゲームは再開する。


 ゲームが始まるや否や、中盤での激しいボールの奪い合い。


 どうやら、ホットナムがここで試合を決めに来ているのは間違いないようだ。


 すると、ボールを奪ったホットナムはDFラインのロメオまで下げて、リバプールの右サイド、つまり、俺の背後にロングボールを入れた。


 ターゲットは言わずと知れたファン・ソンミン。現在EPLイングランド・プレミアリーグ得点王。相手にとって不足無し。


 俺とファン君の火の出るようなデュエルが始まった。


 デカくて速くて強い。おおよそ、アスリートとしての必要な全ての要素を兼ね備えたコリアンエキスプレス。


 U-15東アジア選手権で出会った時からその衝撃は未だ健在だ。


 大きなトラップで一気に俺をぶち抜きにかかる韓国の英雄。


 KOP達の悲鳴が上がるアンフィールド。


 やべっ、完璧に裏取られた。


 一か八かスライディングか!?


 だが、その時だった。


「まかせてなのねー!!」


 拓郎が八王子の鯱のあだ名よろしく芝生の上を滑空するかのようなスライディングですっ飛んで来た。


 タッチラインに大きく蹴り出すリバプールの鯱。


 間一髪、ファン君の蹴り出したボールをクリアする。


 やっべー、命拾いした。


「大丈夫、神児君、いざとなったら僕がいるのね」と拓郎らしからぬ心強い言葉。


 一瞬、拓郎が自分の持ち場を放り出してカバーに入ってくれたのかと思いきや、見れば、ダンク師匠に司も連動してスライドしており、リバプールのDFラインは盤石の構え。


 なるほど、では、心置きなく、韓国の英雄と一対一を楽しみますか。


 ロードローラーのエンジンに火が入る。さあ、ファン君。アンフィールドの右サイド。どちらが制圧することが出来るか、白黒はっきり決めようじゃないか。足が先に止まった方が負けだぜ。


 久しぶりに体感するアドレナリンが脳内から溢れてくる。もうこうなっては止めることなどできやしない。いざとなれば後はミルトンさんかTAA(アレックス)に骨を拾ってもらえばいいさ。


 俺は今、間違いなくフットボーラーなのだと実感する。


 先程のプレーを見て今度は中盤の底に下がったハリル・ケインからのロングフィードが入る。


 なるほど、どうやらリバプールの穴は右サイドだと認識したらしい。


 ならば上等だ。その判断が致命的な間違いだと思い知らせてやる。


 直後、ハリルからのボールをファン君と肩をぶつけ合いながら追いかける。


 火花が飛び散るような韓国の英雄との一対一(デュエル)


 俺はこういう戦いをするためにこの地(イングランド)に来たのだと実感する。


 激しく体をぶつけ合いながらボールはタッチラインを割る。


 ボールはファン君も俺も触ることが出来なかったために、リバプールボールとなる。


 すると、阿吽の呼吸で拓郎がボールをボールボーイから受け取り、息つく間もなく、ファン君の背後に放り投げる。


 分かってるじゃねーか拓郎。そうしてファン君との一対一(デュエル)がエンドレスで始まった。


 『Cool head,but warm heart』(冷静な頭脳と温かい心)


 これを言ったのは確かイギリスのお偉い学者さんだったっけ?


 だが、今俺の体は、アドレナリンに溢れた脳と乳酸の溜まりに溜まった体。


 どうやら俺にはこっちの方がお似合いらしい。


 さあ、息を止めての我慢比べ。先に頭を上げた方が負けだぜ、ファン君。


 言っとくけど、先にお前らがケンカを吹っ掛けたんだぜ。覚悟は出来てるんだろ。


 EPLイングランド・プレミアリーグ 第36節 リバプールSC vs ホットナム・トットスターズFCの試合は後半の10分を過ぎるも0対0のまま。

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