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フットボールのギフト ~底辺Jリーガーの俺がフットボールの神様からもらったご褒美とは~  作者: 相沢孝
第十一章 飛躍のリバプール2年目編

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881/903

vsホットナム戦 その4

 満身創痍のリバプールベンチ。


 クラップ監督から後半戦のプランニングが伝えられる。


 おそらくホットナムは後半開始直後から一気に攻勢を掛けて来るはずだ。


 このところのホットナムの試合展開を見てみるとおそらくそれは間違い無い。


 後半開始10分間、とにかく失点には細心の注意を払うようにとのこと。


 だが、連戦の疲労により分かっていても出来ることと出来ない事があるのは自明の理。


 後半の交代予定の選手はあらかじめ告げられているが、残念なことにリバプールの両サイドバックは今日の試合ではその予定はない。


 優秀なプレースキッカーの司はゲームの最終盤までピッチに残して置きたいし、怪我明けのTAA(アレックス)をこのインテンシティーの高い試合に途中出場させるには怪我の再発のリスクが高いとのことだ。


 まあ、そこまで信じてくれるのは選手冥利に尽きるのだが……別に、ミルトンさんに変わってもらってもいいんですぞ。いや、マジで……


 たしかに、一週間後のチェルシーとのFA杯の決勝(ファイナル)、そしてリーグ戦残り3試合、更には宿敵、アール・マドリーとのCL(チャンピオン)決勝、TAA(こいつ)はチームにとってなくてはならない存在なのだ。


 ならばしょうがない。腹を括ってもう一肌脱ぐとしよう。


 おい、TAA(アレックス)、このお礼は、今度『Moor(ムーア) Hall(ホール)』※1でランチでも奢ってくれればいいからな。気にすんなよ。


 ロッカールームの片隅では、南君や優斗が既に真剣な表情でアップを始めている。この後のスケジュールを考えると、サルーさんもマネラさんもあまり引っ張ることも出来ないのだ。


 シーズン最終盤となり、正に緊急事態(エマージェンシー)のリバプール。


 4冠の壁とはこうも厚いものだったのか。だが、世界中見渡してもこれほどまでの快挙に挑めるチームも俺たち以外に存在しない。(すでにアール・マドリーは国内カップ戦で敗戦しているため)


 『選ばれしものの恍惚と不安、二つ、我にあり……』※2


 ですよね!!日明(アキラ)兄さん。


 すると、「それを言うなら太宰だろ」と明後日の方向から司のツッコミが入った。






※1、『Moor(ムーア) Hall(ホール)』=近代イギリス料理のレストラン。2026年、リバプール初のミシュラン三ツ星を獲得。ランチのご予算で大体3万~4万円なり。



※2、『選ばれしものの恍惚と不安、二つ、我にあり……』=これは太宰の短編集「晩年」の一節。これを引用して、前田日明兄さんが第二次UWFの旗揚げ時に引用したのは有名な話。ちなみに元ネタはフランスの詩人 ヴェルレーヌの引用からはじまります。だってよ、司。

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