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11回目の人生は悪役貴族の息子でした〜かつて大賢者や剣聖だった俺、今度は公爵家の放蕩息子に転生して圧倒的に無双する〜  作者: 霧山鬼灯
第三章

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これからすべきこと

 冒険者ギルドへの報告を終えてアイリスを連れて自分の屋敷へ戻ってきていた。

 アイリスを連れて屋敷に戻るとセレナが出迎えてくれ、アイリスの事を視界に入れるや否やぱあっと目を輝かせた。


「あ、アレク様っ!この方は⁉も、もしやこ、こここここ婚約者というやつですかっ⁉」


「えっ⁉私とアレク様が……えへへへへ」


「騒いでいる所申し訳ないが、俺にその予定はない。そもそもグレンハルト家の落ちこぼれなんだから貰い手なんて滅多に現れないよ。俺はグレンハルト公爵家の庶子だから政治利用しにくい立場なんだ」


 エレンガル学園の首席合格といっても立場が上がるわけではないので扱いにくいというのは変わらない。ましてや冒険稼業をしているともなれば貴族から見て俺に価値を見出せなくなる。


 冒険者よりも騎士の方が重要視され、冒険者は野蛮なものの集まりとしか認知されていないのが悲しいところだ。


 王女に取り入ろうとしている俺が何故冒険者をやっているかの理由はまだ明かさずとも構わないだろう。というか俺が王女に取り入ろうとしていることを知っているのはアテナだけだしあいつに隠し事などできるとは思えない。


「こいつはアイリス・オーネン。森でぶっ倒れてるのを見たからここに住まわせる。使用人として雇っても良いが……こいつは人間嫌いだから向いてないと思う」


 俺がしてやれることは住まいを提供するだけだ。それ以上の事をしてやれるほど俺の立場は強くないしそんな義理も存在しない。

 野垂れ死なないようにするのが最大の温情であり、その先はアイリス自身が決めることだ。


 狐人族の元に帰っても良いし人間嫌いを克服して働いても良いし冒険者になっても良い。誰かからお咎めを喰らうことなく過ごせばいい。

 俺は俺ですることがあるので手を貸すことは出来ないが、あいつの子孫というのならうまいことやっていけるだろう。


「使用人というのはどういった仕事なのですか?」


「簡単に言えば、アレク様のお世話といった所でしょうか」


「でしたらやりますっ!」


「……別に俺は構わないが、お前が音を上げても知ったことじゃないからな」


 使用人とはいつも主人の事を思い、たくさんの人と接触する大変な仕事だ。正直、人間嫌いで有名な狐人族であるアイリスに務まるとは思えない。

 物は試しとも言うので、セレナたちに任せることにして俺はエレンガル学園の問題に注視するべきだ。


「それではアレク様、私たちはこれで」


「あぁ、ご苦労だったな」


 セレナがアイリスを連れて去ったことにより、玄関ホールに静寂が訪れる。普段であれば使用人の一人や二人はいるものだが、今日は全員が違う作業をしているようでここにはいなかった。


 玄関ホールの真ん中で、腕を組み顎に手をやりながら思考する。

 果たしてこのままで世界平和が達成できるのだろうか、と。


 王女に取り入り王位継承権を手に入れる。その後なんやかんや頑張って王位につけたとしよう。


「問題は、帝国だの公国だの共和国とも仲良くしなきゃって事なんだよな……」


 俺は何回も転生を繰り返しているが、ラグナロク王国以外に生まれたことはない。大賢者、剣聖、大商人の時は国境をまたいだりしたものだが、未だにどういう国なのかは把握できていない。


 変に攻め入ってこないあたり、王国との戦力差がそれほどないということなのだろうが。

 そんな得体のしれない国と和平を結ぶなど一代で成し遂げられるものではない。たとえ王になろうと、一代で世界平和を成し遂げられなかったら目標達成とは言えないのだ。


 魔法で寿命を延ばす手は考えたが、そろそろアテナに怒られても文句は言えないし民衆から見てもおかしなことになってしまう。

 信頼を失ってしまえば、今から入念に準備する意味がなくなってしまう。


「はぁ……取り敢えず王女と接触するのは当然として、その後だな」


 まずは王国での地位を確立しなければいけない。グレンハルト公爵家の庶子から新たな家名を授かり伯爵レベルまでには上げたいところだ。


 所謂成り上がりの貴族というもので他の貴族からは疎まれることになるが、暗殺者を向けられたりしても何の問題もないというのは大きな利点だったりする。


 政に口出ししたことがないためどうすれば良いかなどはまったく分からないが、そこら辺は交渉術を巧みに利用して行けば良いのだ。


 冒険稼業はこれからも続けるとして、これからはイリスの手も借りつつ王女に取り入る計画を立てなければ。

 王女に取り入る手として、聖女であるイリスは有効な手札だ。


 なにより彼女は純粋でまっすぐなので、きっと王女相手だろうと変わらず無自覚にご機嫌を取ってくれるだろう。

 そこに俺がどうやって割り込むかが問題になってくるが……あまり考えすぎてもぼろが出てしまう。


 ここはやはり、入学成績トップというアドバンテージを使うべきだ。

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