夜がくる
太陽の光は物に当たり影を作るが、この影は明るい場所と隣り合わせで居るから恐怖を感じさせない。
月明かりではその影は薄暗い地面と接しているから少し怖さを感じる。
同じ場所であっても時間が違えば感じ方が違うもの。
心霊スポットである場所に昼間行ってもそれほど怖くは無いだろう。
暗いところがより恐怖心を煽る。
誰でもそう、暗い場所は恐ろしいのだ。
不気味なもの、何かが襲いかかってくるかもしれないという漠然とした恐怖。
何も無いと分かっていながら、人は何故か恐れる。
私は子供の頃、近くの寺で何曜日か決まった日に子供が寺に集まってお経を読むことをしていた。
これは宗教とは全く関係なく、夜の遊び、行けばお菓子が貰える、友達もいるといった具合だから。
お経なんか訳分からず、今も殆ど覚えていないが、寺の中を肝試しをするというイベントがあった。
何人かグループになり出発するのだが、私たちのグループは怖いという理由で出発することはなかった。
直前に聞かされた水たまりから手が何本も出てくるという話。
昼間なら何ともない水たまりだが、夜という時の恐怖は何倍にも増してやってくる。
怖がっていたのは幼かったからかもしれない、しかし、何故何も無い場所を恐怖に感じたのか。
夜は恐怖。
夜がくるたびに一日は過ぎていて、終わりの見えないカウントダウンを始める。
また明日も明後日も、夜がくる。
ずっと日が沈まない場所でなら気づかなかっただろう。
夜と会うたび死に近づくことに。
朝もまた然り




