秘密の世界
怖いこと
それは誰にも言えない秘密のこと
ナイフで突き刺されるより、首を絞められるよりも怖いこと
口に出したらこの関係が壊れてしまいそうで
感情を隠しすごしていること
風に吹かれ顔にあたる通り雨の雫
濡れた髪の毛を撫でるタオルの上の手
左頬を触れる右手
肩を抱く貴方とその腕
まぶたの上の口づけとその唇
優しさに包まれる私は幸せだった
毎日語り合った
悲しいことは忘れることが出来た
貴方と一緒ならどんなことでも耐えられた
でもそれは過去のお話
私が光ならば貴方は闇
私が闇ならば貴方は光
そう、すべて逆の存在
片方が欠けたら無くなってしまう存在
だから愛おしい
だから憎らしい
だから恐ろしい
気がたかぶるほど頭が冴え渡る
逃げることに疲れて
今ここで命が絶えても
それはそれでいいのかもしれない
死なんかは怖くない
怖くない?
怖いかもしれない
でもそんな経験はしていない
だから分からない
分からないから怖くはない
無知というより気分なんでしょうね
死が怖いという人はたくさんいる
自分が死ぬのは構わないが
友人が、それが親友や恋人であったなら
死は怖いと感じる
死んだものは感情なんてものは持たないのだから
死んだあと、怖いことは残される
遠い場所で思う
どれだけ頭の中で考えても
それは独りよがりで
何も出来なくて
苦しくなったり悲しくなったり
誰も自分の心を知ることができないから
余計に思いは強くなっていくし
訳も分からず座ったり立ったり
机に突っ伏して何も考えないようにしても
やっぱり考えてしまう
真実を知ろうとすれば何かを失う
失ったものはもう取り戻すことはできない
広がっていく世界の中で
私は歩き続けることを強制されている




