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入学式も終わり、まだ授業も始まらない今日は午前中で学校は終わった
「おーい拓也、早くグランド行こうぜ!他のヤツらはもう先に行っちまったぞー」
荷物をまとめて帰り支度を済ませた翔太が言った。
「ちょっと待てよ、そんな急がなくたってまだ練習始まらなねーよ」
オレも帰り支度をしながら応える
帰り支度を終らせ野球部の大きなカバンを抱え翔太と共に自転車で学校から少し離れた野球部の専用グランドへと向かう
グランドに着いたオレたちは挨拶をしながら部室に入った
「「おはようございまーす」」
「うーす」「おう」「おはよう」
など先輩や他の1年生部員の挨拶が飛び交う
「おーう拓也、クラスどうだ?カワイイ子いたか」
冗談交じりに話しかけてきたのは3年生の小林だった。
3年生に兄貴がいるオレは中学生のころから知っている先輩が多く1年生の中では特に先輩たちから可愛がられている
「コイツさっそくカワイイ子と仲良くなってやがりましたよ!」
翔太が話しに割り込んで応えた
「うっせぇ、お前余計なこと言うなよ」
翔太の頭を叩きながらオレは言った
「なんだよもう女たぶらかしてんの?やっぱさすがだなー拓也は」
小林がおちょくったように言った
「小林さん!からかわないで下さいよもー」
恥ずかしさを隠しながらオレは言った
その後も他の部員たちと談笑しながら着替えに取り掛かった。
うちの野球部は上下関係もほとんど無く、普段から先輩たちとも仲がいい。
着替えを終えて全員外へ集合
「みんなおはよう、今日は新入部員が入ったということで改めて挨拶させてもらう。監督の石井だ。よろしく頼む」
梅高野球部の監督である石井が挨拶をした
その後、部長先生の田波と顧問の杉田が続いて挨拶をした。
「じゃあ、まずは1年生に自己紹介をしてもらう。入学前から参加している者もいるが全員改めてしてくれ」
監督が言った
1年生全員の自己紹介が終わった
どうやら今年はオレも含め15人の新入部員と1人のマネージャーが入ったようだ。
「よし、今日は最初に1年生の実力を測りたいと思う。とりあえず全員でアップしてくれ」
監督の指示にしたがい、キャプテンの中村に続いてウォーミングアップを行った
最初は50m走を測るということになり2列にならんで2人づつ走りはじめた。次々と走っていきオレの番がやってきた
「よーい、スタート」
ーータッタッタッタ
「鬼崎拓也、5秒75」
ーーおお
ーーすげぇ
続いて遠投
ーービューン
「125メートル」
ーーマジか
ーーぱねぇ
遠投が全員終わったところでバッティング練習、その後守備練習が行われその日の練習は終わりを迎えた。
「お疲れ様でしたー」
「拓也、今日この後どうする?どっか寄ってかね」汗だくの翔太が言ってきた
「わりぃ、少し残って練習するわ」
まだ練習するの?と呆れたような表情を浮かべながら翔太はそそくさと着替えを終らせた帰っていった。
「兄貴、ティーバッティングしたいからちょっとだけ付き合ってくんね?」
まだ練習着姿でいた兄・太一に頼んだ
「ああ、いいよ。オレも少し練習して行こうと思ってたし」太一が応える
ーーキン
ーーキン
ーーキン
「なぁ拓也、ホントに梅高でよかったのか?せっかく強豪校から声がかかったのに。ウチじゃ甲子園なんて行けるかわからないぞ」
太一はトスを上げながら言った
「当たり前じゃん!オレは入りたくて梅高選んだんだから。それに今年は戦力が揃ってるだろ、頑張れば甲子園だって夢じゃねぇよ」
「そうかもしれないけどよ、でもやっぱりお前の実力なら」
「しつこいなぁ、いいんだって。オレはここの先輩たちも好きだし、あの人たちと野球やりたいって思ったんだから」
「それに…」
「ん、なんだ?」
「いや、なんでもない」
(それに兄貴と甲子園行きたい、兄貴に恩返しがしたいから。なんてこっ恥ずかしくていえねぇよ)




