表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/18

第13.5話 変わる二人

「うそ、もういなくなってる……?」


 グループラインのメッセージを見て、私、姫乃有紗は息を切らして教室に戻る。しかし、すでに佑人や玲夏ちゃんの姿はなかった。荷物も無くなっている。いるのは達也と八坂だけ。


 改めてスマホを開いてみる。


「大広さん見つかった。本当にありがたう」


 あいつにしては珍しく、文字を打ち間違えている。よっぽど急いでいたのかな。


「あいつ、人を泣かしておいて。明日あったらぶっ飛ばす」


「まあまあ。とりあえず大広さんが見つかったんだからよかった」


 八坂はそう言いながらリュックを背負う。達也も物騒な言葉とは裏腹にどこかホッとした表情。


 私は彼らが教室から出ていくのを見送ったあと、私は近くの席に腰掛ける。

 玲夏ちゃんにメッセージを送り、目を閉じた。

 

 不思議だった。佑人と玲夏ちゃんがこんなに自分勝手な行動をするのが。

 

 私が知ってる佑人なら、屋上の件はもっとうまく立ち回ろうとしたはずなのに。

 あいつは危ない橋を渡らない。

 それなのに屋上に玲夏ちゃんを連れて行って、自分も一緒に行くなんて、魔が刺したのかな。


 私が知ってる玲夏ちゃんなら、ちゃんと私たちのことを待ってくれてか行くのに。

 「ごめんね! もう大丈夫!」って言ってなんでもないような顔をして、私たちから曇りをなくしてくれるんじゃないの。

 今まで、玲夏ちゃんは辛かったり悲しかったりしてもそれを私たちに見せようとしなかった。佑人だけじゃなくて私たちも探してるってことを知らなかったのかな。


 ……違う。多分、あの二人は何か変わろうとしている。


 雲に隠れていた太陽が顔を覗かして、教室に一筋の道を作る。私が座っている場所と、君たちの席を分けるようにして。


 佑人には、明日思いっきり問い詰めてあげよ。

 外から野球部の威勢のいい掛け声が飛び交い始めた。すでに部活は始まっちゃっている。

 ボール拾いの一つや二つ、やってあげようじゃないの。

 私は汗ばんだ制服を風で乾かすように、走ってテニスコートへと向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ