(1)御影祝宴
全国大会を終えた俺たちは、ようやく和歌山に戻って一息つける――そう思ってた矢先、スマホがけたたましく震えだした。画面にはユイの名前。あいつ、またなんか言ってくるのかよ。
「うちと一緒に作った武器、ちゃんと全国大会で使ったんかー!」とか、そんな感じの文句か?俺は少しげんなりしながら通話ボタンを押した。
「もしもし?」
「おーい!リュウトー!聞いてるかー!」
いきなり耳に飛び込んできたのは、ユイのけたたましい声だった。鼓膜が破れるかと思ったぞ…。
「なんだよ、急に大声出して。」
「お祝いするんやで!和歌山大会、関西大会で戦ったみんなでな!」
「お祝い?」一瞬、何のことかわからなかった。でも、すぐに思い当たった。「…世界大会の出場の?」
「そうや!新京都駅とかで降りるなよ!第二神戸駅で降りるんやで!会場もホテルも御影が全部押さえてくれてるってさ!ただ飯食い放題やで!」
ただ飯――その響きに、俺の脳内で全国大会での出費がちらつく。交通費、修理費、その他諸々…マジで金が飛んでったからな。
「でもさ、みんなって、どのくらい集まるんだ?」
「ほぼ全員や!関西大会の決勝で戦った御影が音頭取ってるからな。あの財力、めっちゃ使いまくってるみたいやで!お前らも早く来な!ルナちゃんとアヤカも忘れんように!」
「わかった、伝えとくよ。」俺が返事をすると、ユイは「ほなまた後でな!」と元気よく切った。
電話を切ると、すぐ隣で何か作業していたアヤカがこちらに視線を向ける。「今の、ユイ?」
「ああ。なんか、関西大会のやつらが世界大会出場のお祝いをしてくれるってさ。」
「へぇー。御影が仕切ってるなら、かなり豪華になりそうね。」アヤカは興味津々といった表情で腕を組む。「でも、なんで第二神戸駅なん?」
「それが、御影が会場もホテルも全部押さえたからだってさ。」
「さすが金持ち。」アヤカはクスッと笑う。「ま、あたしたちが戦った結果なんだし、堂々と楽しんでこようじゃないの。」
その時、ルナがひょこっと顔を出してきた。「その…皆さんでお祝いをしてくださるなんて、ちょっと、恐縮ですけど…嬉しいですね。」
「気にしない気にしないっ。」アヤカが笑いながらルナの背中を軽く叩く。「こういう時は素直に『ありがとう』って言っとけばいいのよ。それが一番の礼儀だからさ。」
「…そうですね。ありがとうございます、って言えるように頑張ります。」ルナは少し緊張した面持ちで微笑む。
「よし、決まりだな!」俺は立ち上がって二人を見渡す。
「了解!」アヤカが指を鳴らしながら笑う。「御影のおごり、遠慮なくいただきましょう!」
ルナも小さく頷きながら微笑む。なんだかんだで、楽しみな夜になりそうだ。
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