(24)神々激闘
白銀と黄金が交錯する瞬間、戦場の空気が一変した。
リミッターを解除したルミナスフローラが放つ青白い光。そして、黄金に輝くソレイユヴァンガードが生み出す烈光。二機が激突した瞬間、戦場全体が揺れる。その光景はまるで神々の怒りが衝突する伝説の戦場のようだった。
「…ちょっと、どうする?」
アヤカからの通信。軽い口調の中に、明らかな緊張が滲んでいる。
「どうするったって…あんなのに割って入ったら即お陀仏だろ。」
言葉にしながらも、操縦桿を握る手にじっとりと汗が滲む。
あの速度、あの破壊力。俺たちの機体では到底、追いつけない。
――無理に割り込めば、一瞬で吹き飛ばされる。
だが、次の瞬間――
ソレイユヴァンガードの背後に控えていた二機の付き人機が、静かに前進を始めた。その動きは滑らかで威厳があり、まるで黄金の騎士に仕える忠実な従者のようだ。
純白の装甲に黄金の装飾。端正なデザインは一切の隙を感じさせない。それぞれ異なる武装を抱えながらも、その動きには隙がなく、研ぎ澄まされた完成度を誇っていた。
そのとき、通信が入る。
「さて――ゼファー様がルナ様とのお戯れを始められた今。」
艶やかな女性の声が響く。
その口調は優雅で落ち着いていた。
だが、その裏に込められた挑発の意図は、明白だった。
「残るお二方は、私たちがお相手をして差し上げましょう。」
さらにもう一機のパイロットが、冷たく言葉を続ける。
「楽しみですね。地球の機体がどれほどのものか…」
「…マジかよ。」
ディスプレイに映る二機を睨みつける。
こいつら、単なる挑発じゃない。本気で俺たちを「遊び相手にすら値しない」と思っている。まるで勝利が確定しているかのような、圧倒的な余裕。そして、さらに追い打ちをかけるように、もう一人のパイロットが言い放つ。
「しかしながら…すぐに雪の中へ沈み、見ることなど叶わぬことになるでしょうが。」
「おいおい、こいつら…マジで嫌味全開だな。」
舌打ちしながら、操縦桿を強く握る。
そのとき、通信越しにアヤカの声が響く。
「やるよ、リュウト。」
短く、だが力強い一言。
「……ああ。」
指先に力が入る。
「秒で月まで送り返してやるわ。」
アヤカの軽口。いつもの調子。
その一言が、戦場の空気を少しだけ軽くする。
このノリに、何度助けられてきたことか。
だが、戦いは始まる。
本当はふざけている余裕なんて、どこにもない。ルミナスフローラだけに全てを背負わせるわけにはいかない。あれだけ戦わせておいて、自分たちが後ろで見ているだけなんて、絶対に許されない。
俺たちはチームだ。
俺たちの戦いで、必ず結果を出す。
――ここで負けるわけにはいかない!
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