表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鋼月の軌跡  作者: チョコレ
第二章 双月の覚醒機
51/190

(13)氷雪戦場

 専用車の揺れに身を任せながら、スタッフがフィールドの説明を始める。


 「今回の全国大会は、旭川の大雪山を舞台に戦っていただきます。観客はドローンによる戦場撮影をドーム内でホログラム中継し、臨場感あふれる観戦をお楽しみいただきます。」


 ホログラム中継って…金かけすぎだろ。

 いや、全国大会だし当然か。そんなことを考えているうちに、車が止まる。


 ドアを開けて外に降りると、目の前に広がるのは雄大な雪山…のはずだった。だが、すぐに違和感に気づく。クレーターのような凹地、湯気を吹き出す巨大な穴、高低差の激しい崖…。これ、完全に人工じゃないか。


 「やりすぎだろ…これ、戦う場所なのか?」

 呆れつつ周囲を見渡す俺をよそに、隣のアヤカは腕を組みながら得意げな顔をしている。


 「何言ってんのよ! こういう見せ場があるからムーンギアバトルは盛り上がるんでしょ!」


 …戦術どころか、まずこのフィールドでまともに動けるかが問題だろ。

 アヤカの言葉に釣られて少し冷静になりつつも、胸の奥にじわじわと不安が広がる。


 「ほら、ぼけっとしてないで早く準備するわよ!」

 アヤカに急かされ、俺も覚悟を決める。

 ここで悩んでいても仕方ない。やるしかないんだ。


 司会が進行を始め、各チームと機体の紹介が淡々と進む。

 俺は少しずつ気持ちを落ち着けていた――

 が、次の瞬間、司会者の声が弾けた。


 「関西代表チームの三体目、バスターディガー…えぇ!?これは、重機がベースなんですか!?」


 「そうよ! もっと言っちゃって!」

 隣でアヤカが満面のドヤ顔。いや、確かに目立つけど、本当にこれで大丈夫なのか?冷や汗がじわりと滲む。


 「なんということでしょう。ムーンギアバトル史上初ではないでしょうか。深野さん、この機体、一体どんな可能性を秘めているのでしょう?」


 スクリーンに映し出された深野は、明らかに興奮した表情で解説を始めた。


 「ルナドライブの高出力を重機に適用するという発想自体が、まず破天荒です。通常の機体構造では耐えられない負荷がかかるはず。しかし、もし駆動系とルナリウム装甲を連携させ、エネルギー負荷を効率的に分散させていると仮定すれば――非常に挑戦的な設計ですね。」


 彼の声に力がこもる。


 「技術者として、この機体の設計思想には強く興味を惹かれます。これを実現するための試行錯誤や技術的工夫がどれほどのものか、ぜひ伺ってみたいですね。」


 …やっぱ普通じゃないんだな。俺は心の中で呟く。注目されるのはありがたいが、本当にこれで戦えるのか?不安が顔に出ていたのか、アヤカが肘で俺を軽く突いた。


 「何ビビってんのよ。これで勝つから、ここにいるんでしょ?」


 「あ、ああ…そうだな。」

 その一言に、少し肩の力が抜けた。そうだ、俺たちはこのためにやってきたんだ。


 相手チームの紹介も終わり、ついに試合開始のアナウンスが響く。

 俺は深呼吸をして、視線をまっすぐ前に向けた。


 「さて、やるか…!」

ページを下にスクロールしていただくと、広告の下に【★★★★★】の評価ボタンがあります。もし「続きを読みたい!」と思っていただけた際は、評価をいただけると嬉しいです。Twitter(X)でのご感想も励みになります!皆さまからの応援が、「もっと続きを書こう!」という力になりますので、どうぞよろしくお願いいたします!


@chocola_carlyle

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ