表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鋼月の軌跡  作者: チョコレ
第二章 双月の覚醒機
43/190

(5)宿命兄妹

 全国大会に向けた怒涛の準備の最中、スペースポートの小さな会議室にアヤカの勢いある声が響いた。


「リュウト!ついに全国大会の詳細が出たよ!」


 工具を置いて振り返ると、アヤカがパソコン画面を覗き込みながら興奮気味に続ける。


「出場者リストに『スポンサー枠』ってのがあるんだけどさ……」

「スポンサー枠?」


 気になって画面を覗き込む。その瞬間、視線がある名前に釘付けになった。


「…ゼファー・ヴァルド?」


 その名前を口にした途端、背後でガサッと音がした。振り返ると、ルナが手に持っていた書類を床に落としていた。彼女は俯いたまま、震える声で言う。


「兄です…私の兄、ゼファー・ヴァルド。」


 アヤカが驚きで目を丸くし、画面とルナを交互に見比べた。


「えっ、兄ってことは、あのルナヴァルド社の…!? マジで? ちょっと待って、これって超ヤバいやつじゃん!」


 ルナは静かに頷き、言葉を絞り出すように続けた。


「兄は父の後継者として育てられました。彼がスポンサー枠で出場するということは…全国大会で、私たちと戦うことになります。」


 兄妹で戦う――そんな展開、ドラマでもそうそう見ない。


「ってことは、ルミナスフローラみたいな最新式のムーンギアが出てくるってことか。」


 俺がポツリと漏らすと、ルナの表情がさらに曇る。


「いいえ…エリックさんも言っていましたが、母の機体は基幹部分が旧式です。けれど、兄の機体は…すべてが最新式です。」


 場の空気が一段と重くなる。なんだよそれ、勝ち目なんてあるのか? じわじわと不安が広がる。でも、そんな中でルナがふと目を閉じ、深呼吸をした。そして、震えを押し殺すように、はっきりと言葉を紡いだ。


「けれど…逃げるつもりはありません。兄が何を考えているのか、直接、確かめます。」


 その決意に満ちた瞳に、俺は息を飲んだ。

 そして気づけば、拳を握りしめて言葉を返していた。


「なら、俺たちは勝つだけだ。」


 その瞬間、アヤカがふっと小さく笑い、肩をすくめる。


「そうだね。ゼファーとかいうボンボンに負けたら、関西代表の名折れだからね。」


 冗談交じりのその言葉に、張り詰めた空気が少しだけ和らいだ。簡単じゃないのは分かってる。でも、ここで逃げるなんて選択肢はない。

ページを下にスクロールしていただくと、広告の下に【★★★★★】の評価ボタンがあります。もし「続きを読みたい!」と思っていただけた際は、評価をいただけると嬉しいです。Twitter(X)でのご感想も励みになります!皆さまからの応援が、「もっと続きを書こう!」という力になりますので、どうぞよろしくお願いいたします!


@chocola_carlyle

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ