(11)策戦連破
初戦を圧勝で飾ったルミナスフローラを見て、「俺いなくても優勝できるんじゃね?」なんて甘いこと考えてたのが間違いだった。
準決勝で当たった奈良代表――これが厄介すぎた。ステルス特化の機体と、地雷&バリケードでガチガチに固めた防御型機体のコンビとか、どんな嫌がらせだよ。
それでも何とかルナと力を合わせて突破。大きな損傷はなかったけど、ロードラストのドリルが限界を迎えていた。やばい、こいつがなくなったら俺の戦い方が成り立たねぇ。
アヤカは控え室の隅でタブレットを睨みつけている。
指で画面をスワイプしながら、眉間にしわを寄せ、小さく舌打ちした。
「さっきの試合でロードラストも結構目立ったから、次の決勝では相手が確実に対策してくる。」
その言葉に、俺も思わず身が引き締まる。
たしかに、決勝戦は簡単には勝たせてもらえそうにない。
でも、このまま手をこまねいてるわけにはいかねぇよな。
「なら、こっちも手を打たなきゃな。」
俺がそう言うと、アヤカがニヤリと不敵な笑みを浮かべた。
あの顔、絶対何か企んでる。
「そうよ。ここで活躍するのが、ユイちゃんと協力して作った新武装!」
「ドリルもエアバーストも、全部取り替えるわ!」
アヤカがタブレットを操作し、新しい設計図を映し出す。
画面には、大きく「リペアドリルMK-II」と書かれていた。
「これ、今までのドリルとはワケが違うわよ。」
アヤカの声に、俺もぐっと画面を覗き込む。
「射出式だからね!」
「……は?」
俺は思わずアヤカを見つめる。
まさか、ドリルを飛ばすのか?
「そう、飛ばす!」
アヤカは得意げに頷く。
「しかも、ただ飛ばすだけじゃない!左右の肩に一基ずつ搭載して、遠距離攻撃できるの!」
「さらに、相手の装甲をぶち抜く威力があるから、一撃で試合の流れを変えられるのよ!」
「…ぶっ飛んでるな。」
呆れたように言いながらも、その発想にワクワクしている自分がいる。ロードラストみたいな重装型の機体でも、これなら新しい戦術が生まれるかもしれない。
ふと、ルナが静かに顔を上げ、俺たちを見つめる。
「リュウトさん、この武装なら、私が前線で注意を引きつけている間に攻撃のチャンスを作れますね。」
「確かに、それは使えるな。」
俺が頷くと、アヤカはすぐに次の武装を画面に映し出した。
「そしてもう一つが、《ブレイククロー》よ!」
画面には、三本の鋭い刃が並んだ巨大な爪型ユニットが表示される。
一目でただの飾りじゃないと分かる迫力だ。
「右腕のドリルに代わって取り付ける、格闘特化の武装よ。」
「これ、刃の表面にエネルギー伝導ラインを仕込んであるの。」
アヤカが自信満々に説明を続ける。
「このラインが衝撃を増幅させて、相手の装甲をズタズタに引き裂く威力を生み出すのよ!」
俺はその説明を聞きながら、改めて爪のデザインを見つめる。ただの力任せの武器じゃなく、攻撃を最大限に活かす仕組みが組み込まれている。
「…なんか、頼りたくなってきた。」
アヤカは勢いよく立ち上がり、手を叩いて宣言した。
「よし!早速取り付けに取り掛かるわよ!」
「決勝戦まで時間がないんだから、さっさと仕上げる!」
「頼む。」
俺も立ち上がり、拳を握りしめた。
胸の奥から、熱い決意が湧き上がる。
「ロードラスト、新しい武装で、次も勝つぞ。」
控え室の薄い壁越しに、観客席の熱気が伝わってくる。
その熱を背中に受けながら、俺たちは黙々と準備を進めていった。
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