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鋼月の軌跡  作者: チョコレ
第一章 蒼白の月鋼機
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(7)挑戦布告

 解説の紹介が終わり、司会のテンションはさらに上がっていく。


「続いて、本大会のメインスポンサー、ルナヴァルドCEOルシウス氏からの特別メッセージをお届けします!なんと、全世界共通ではなく、この関西大会だけに向けたオリジナルメッセージだそうです!それでは、スクリーンにご注目ください!」


 観客席がざわつく中、巨大なスクリーンに映し出されたのはルシウス・ヴァルドCEO。洗練されたスーツに身を包み、整った白髪交じりの髪と鋭い眼差しが威厳を漂わせる。その存在感だけで会場全体が静まり返った。


 「ムーンギアバトルのファンの皆さま、そして挑戦者の皆さま。」

 低く、重みのある声が響く。


「関西大会の開催、おめでとうございます。この地で、卓越した技術と戦術が織り成す素晴らしい戦いが繰り広げられることを期待しています。」


 一言一言に特別な重みがあり、観客全体が聞き入っていた。


「ムーンギアバトルは、単なる競技ではありません。」

「その起源は、月面採掘の現場で培われた協力の精神にあります。」


 一瞬の間を置き、ルシウスの眼差しがさらに鋭くなる。スクリーン越しでも、まるでこちらを見透かしているかのような視線だった。


「一人では越えられない壁を、仲間と共に乗り越える。」

「そこにこそ、人類の進歩が宿るのです。」


 わずかにトーンが強まる。


「このタッグマッチで挑戦者たちは、仲間と信頼を築き、新たな可能性を切り開いていく。その姿が未来への道を照らす光となるのです。そしてその先には、さらなる挑戦が待っています。」


 一瞬の沈黙。


「地上を超え、宇宙へ。そして月へ。」

「その新たな地平で、皆様をお待ちしています。」


 スクリーンが静かに暗転すると、厳粛な空気が一瞬漂い――

 次の瞬間、大きな歓声と拍手がアリーナ全体を包み込んだ。


「全国大会の次は宇宙で世界大会…マジで熱いな!」

「月面都市ルナフロントへの招待って本当なのかよ!」


 観客の興奮が最高潮に達する中、俺は隣のルナに目をやった。

 彼女はじっと下を向き、肩を震わせている。


「ルナ、大丈夫か?」

 そっと声をかけると、ルナは小さく息を吐き、低い声で答えた。


「…父は私に挑戦状を叩きつけてるんです。『月まで来い』って。」


 その言葉には、悲しみと覚悟が絡み合っていた。ルシウスのメッセージが、ただのスポンサーとしての激励ではないことが明白だった。


 この大会の先に待つ未来が、俺たちを試そうとしていた。

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@chocola_carlyle

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