表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鋼月の軌跡  作者: チョコレ
序章 廃鋼の叛逆機
18/190

(18)激戦制覇

 エアバーストキャノンの爆風を浴びたシラハマ三号が、ゆっくりと姿勢を立て直している。その動きは相変わらず滑らかで威圧的だが、さっきまでの余裕は確かに薄れている。


 「月と繋がっとるスペースポートとか、金の匂いしかせん場所に、うちらが負けるはずないやろ!」


 通信越しに響くユイの挑発的な声。

 その言葉が、胸に鋭く突き刺さる。


 「ふざけんな…!」


 奥歯を噛みしめながら、操縦桿を握り直す。


 ——何も知らないくせに。

 俺たちがどんな状況から這い上がってきたのか、

 どれだけ必死にここまで辿り着いたのか。


 「俺たちはなぁ!」


 思わず叫ぶ。

 操縦桿を全力で押し込むと、ロードラストが轟音を上げて突進を開始する。


 右腕に装備したドリルタービンが鋭く唸り、回転の振動がコックピット全体を駆け巡る。胸の奥に宿る熱が、さらに燃え上がる。


 「月のジャンクでマイナスから這い上がってきたんだよ!

 金の匂い? んなもんするわけねぇだろおおおおお!」


 叫び声がコックピット内に響き渡る。


 ディスプレイに映るシラハマ三号がウォーターブラスターを構えようとするが、その動作は明らかに遅い。エアバーストキャノンの衝撃でシステムが狂ったのかもしれない。


 「これが俺たちの全力だ!」


 ロードラストの右腕が大きく振り上げられる。ドリルタービンの回転が最高潮に達し、轟音がコックピットを揺らす。ディスプレイ越しに映るシラハマ三号が、巨大なクジラスラッシャーを展開して反撃しようとする。


 だが——俺の方が速い。


 「貫けぇぇぇぇぇ!」


 ドリルタービンがシラハマ三号の側面装甲に突き刺さる。

 金属が裂ける鈍い音と共に、激しい抵抗が操縦席全体に伝わる。


 だが、それは一瞬だった。


 ドリルが装甲を貫き、内部の構造を破壊する感覚が手に伝わる。

 破片が飛び散り、ディスプレイの端で火花が散る。


 「うそやん…!」


 通信越しに聞こえるユイの震える声。

 ディスプレイには、大きく傾いたシラハマ三号が映し出されている。


 その巨体は完全に動きを止め、地面に膝をついている。


 「マイナスからだって、こんなふうに這い上がれるんだよ…!」


 操縦桿をゆっくり引き戻し、ロードラストのエンジンが低く唸りながら静かに停止する。


 コックピット内に広がる静寂が、勝利の実感をじわじわと押し寄せてくる。

 外からは観客の歓声が爆発的に響き、その熱が肌に伝わるようだった。


 「決まったーーーッ! 勝者、リュウト選手!」

 「和歌山大会の新たな王者は、スペースポート紀ノ國の挑戦者、リュウトとロードラストだ!」


 司会者の声がアリーナ中に轟く。


 ディスプレイには、停止したシラハマ三号と堂々と立つロードラストが映し出されている。その対比が、俺たちの勝利を鮮やかに物語っていた。


 「俺たち、やったんだ…!」

ページを下にスクロールしていただくと、広告の下に【★★★★★】の評価ボタンがあります。もし「続きを読みたい!」と思っていただけた際は、評価をいただけると嬉しいです。Twitter(X)でのご感想も励みになります!皆さまからの応援が、「もっと続きを書こう!」という力になりますので、どうぞよろしくお願いいたします!


@chocola_carlyle

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ