表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鋼月の軌跡  作者: チョコレ
序章 廃鋼の叛逆機
13/190

(13)決戦準備

 ロードラストのコックピットを開けた瞬間、涼しい風が一気に流れ込んできた。


 戦闘の熱気でこわばっていた体が、少しずつほぐれていく。耳に飛び込んでくるのは、観客席からの歓声。その音が、ようやく勝利の実感を呼び覚ました。


 下を見ると、アヤカが急いで駆け寄ってくる。慣れた手つきで梯子をかけ、そのまま勢いよく登ってきた。彼女の顔には笑みが浮かんでいる。

 ——だが、その目の奥には、微かに心配の色が見えた。


 「リュウト! 初戦突破、おめでとう!」


 元気な声に、少し気が抜ける。

 だが、彼女の目はすぐにロードラストのコンソールへと向かっていた。


 「でさ、エネルギー残量は? どれくらい使った?」


 その質問に、ハッとする。

 コンソールを見ると、エネルギーメーターが微妙な位置で点滅していた。


 「えっと……半分くらいかな。」


 自信なく答える。

 戦闘中は夢中だったし、ドリルを使いすぎた自覚がある。


 アヤカが眉をひそめ、深くため息をついた。


 「半分って! 初戦でそんなに使ったら、次マジでヤバいよ!

 ルナドライブからの供給って、そんなに早くないんだから!

 次の試合に間に合わなくなったらどうすんの!」


 「ああ、わかった。次はもっと抑えるって。」


 軽く答えたものの、内心焦る。

 エネルギーの配分なんて、まだ全然慣れてない。


 ふと、下から控えめな声が聞こえた。


 ルナがロードラストを見上げながら、そっと近づいてくる。


 「でも、すごかったです。リュウトさん、ロードラストも……本当に見事な戦いでした。」


 その声には、驚きと喜びが混ざっていた。


 「まあ、運が良かっただけだよ。」


 照れくさくてそう言うと、

 すかさずアヤカが口を挟む。


 「運だけじゃないでしょ! あんな派手なドリル攻撃、観客も大盛り上がりだったんだから!」


 アヤカの声が弾む。

 なぜか、彼女の顔が誇らしげに見えて、思わず笑いそうになる。


 ルナは考え込むように、少し首をかしげた。


 「ルナドライブって、本当に興味深い動力機関ですよね……。ルナリウムがどうやってエネルギーを生成しているのか、未解明の部分が多いのに、これだけ信頼されて使われているなんて……。」


 「さあな。俺には難しすぎてわかんねぇよ。」


 そう言いながら、ロードラストの装甲を軽く叩く。


 「ただ、今はこいつを信じて、次の試合をどうにかするしかない。」


 ルナは静かに頷いた。

 その目はどこか遠くを見ているようだったが、すぐに優しい笑みを浮かべる。


 「次もきっと勝てますよ、リュウトさんなら。」


 その言葉に、胸の奥で静かに決意が湧き上がる。

 ロードラストのエンジン音が再び高鳴るのを心に思い描いた。


 「……ああ、勝つよ。」


 次の戦いの準備はまだまだだけど——

 気持ちは、少しずつ整ってきている気がする。

ページを下にスクロールしていただくと、広告の下に【★★★★★】の評価ボタンがあります。もし「続きを読みたい!」と思っていただけた際は、評価をいただけると嬉しいです。Twitter(X)でのご感想も励みになります!皆さまからの応援が、「もっと続きを書こう!」という力になりますので、どうぞよろしくお願いいたします!


@chocola_carlyle

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ