(32)英雄勲章
アリーナの混乱が頂点に達する中、通信チャンネルを割って響いたのは、アメリカ代表キャプテン、ジャックの熱い声だった。その声には、どんな窮地でも自分を信じさせる力が宿っている。
「Alright, heroes! 世界を牛耳る競技のトップチームになるだけじゃ足りねえよな。ヒーローになるチャンスだろ?」
軽口めいたその言葉に、仲間たちが即座に応える。
「You got it, Jack! 世界を救うのは、ヒーローの十八番だろ!」
「テロ機なんざ、俺たちのリバティガーディアンでぶっ飛ばしてやるさ!」
彼らの機体――星条旗をまとったリバティガーディアンが動き始める。
「親玉を倒せば他の無人機も止まるってのが、アメリカ映画の王道なんでね!」
ジャックの軽快な言葉と共に、彼の機体が真っ先に動き出す。無数の無人機に向かって一直線だ。
背後では仲間たちが即座にフォーメーションを組み、完全な連携を見せる。その様子はアメリカ映画のヒーローチームそのものだった。
「Light ‘em up! 行け、リバティバースト!」
ジャックの機体から放たれる強烈なレーザーが、無人機の一機を瞬時に蒸発させる。だが、それで終わりじゃない。その隙を突いて、二番手のサラが機体を加速させ、エネルギーブレードを振るう。
「これが、自由の力よ!」
彼女の声が響く中、無人機が次々に切り裂かれていく。その背後からは三番手のライアンが正確無比な援護射撃を浴びせ、彼らの前進をさらに加速させる。
「ジャック、サラ、親玉は見えたか?」
「Crystal clear, Ryan! あのデカブツがそうだろうな!」
ジャックの視線の先には、一際巨大な機体――おそらく無人機たちを指揮している親玉が映っている。
「なら親玉をぶっ潰して、映画みたいに大団円ってやつだな!」
ジャックの機体がスラスターを全開にし、親玉機へ突っ込む。その動きは無謀にも見えるが、仲間たちは冷静にその背を支える。
「スターフリーダム、フォーメーションD!」
三機が完璧な連携で無人機の群れをかき分け、親玉機に接近する。その動きは、緻密な計算と揺るぎない信念がなければできない芸当だ。
まるで本物のアメリカンヒーロー。彼らの姿は観客の心を奮い立たせた。
「世界は俺たちに任せろ!ヒーローってのは、こういう時のためにいるんだ!」
ジャックの叫びが宇宙アリーナに響き渡る。観客席からは熱狂の声援が飛び交い、まるで映画のクライマックスシーンそのものだった。
しかし、これは映画じゃない。これは現実だ――そして、俺たちもその現実の中にいるんだ。
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