51主人公は結構凄いらしいよ
《王宮研究室》に行くとそこは凄まじい状況になっていた。ある1箇所屋根に穴が空いていたり、1箇所だけ真っ黒げになる場所があったりと。やった犯人は僕が肩車している女の子だろうね。まぁ、今は《王宮研究室》の上の人にお叱りタイムだ。
「また、こんなに壊して……。魔法で直せるかと言って何度も壊さないの。もう少し、自重ってものを知りなさい、エン」
「だって…」
「言い訳しないの。あーーー。また、上に報告しないといけないじゃない。また、グチグチ言われるのね……。それと、エンを連れてきたそこのあなたは誰ですか?」
誰だ?あ、僕か。
「こんにちは。アランって言います」
「何者ですか?」
「アラン兄ちゃんはね、酒ポーションを作った人だよーー。シャランちゃーん」
叱っていた人はシャランって言うのか。
「え?あなたが?」
「そうですね。疑うなら今ここで作りましょうか?薬草と酒は持っていますし」
「ええ、頼むわ」
僕が作る準備をしていると《王宮研究室》で研究していた研究員の人達が人伝で段々集まってきた。まぁ、見たからって『調合』のスキルがないと出来る事じゃないしな。
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何かスタンディングオベーション的な事を研究員の人達にされた。うん。悪い気はしないしな。何か、むっちゃ感動されてたし。やっぱり、酒ポーションて言う概念が無かったんだな。ナイス。僕だね。
「素晴らしかったです。疑ってすみませんでした」
「いえいえ。気にしてませんから」
「幾つか作ってもらいましたけど、どれも一級品レベルのポーションですね。麻痺状態や混乱状態になるのはキツいですが」
「まぁ、状態異常に強い耐性を持つドワーフにあったポーションになりますかね。鍛治をして傷ついた箇所を直せて酒も飲める。まぁ、一部例外も存在しますけど」
「なるほど。それと、あの、この作った酒ポーションは……」
「シャランさん達にあげますよ。《王宮研究室》の研究員としてガンガン使ってくださいよ」
「「「「ありがとうございます」」」」
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いやーー。人の為になる事はいいもんだな。ん?そう言えば、ここに来たくて来たんだっけな。どんな事を研究しているか気になってたんだ。
エンやシャランに聞くとここでは、未知の魔法の開発や魔法の分析。新しいアイテムを作ったり分析したりしているらしい。シンプリット国は、新しい魔法の開発が得意な国で数年に1度ごとに新しい魔法を発表しているらしい。今年は中々厳しいと話していた。
まぁ、僕には魔法は無理だろうから関係ない話なんだけどね。そんなこんなで、《王宮研究室》で見る物も終わったし他の所に行こうかとも考えているのですが……。
「エンちゃん。僕は他の所を見たいから降りてくれないかな。《王宮研究室》でお仕事は残ってるでしょ」
「イーヤーだー。アラン兄ちゃんと一緒に見に行くのーー」
どうしよう。ものの2時間ほどで懐かれてしまった。こういう時に頼りになるのはシャランさんだよな。
「シャランさん。どうにかしてくださいよー」
「エンを説得するなんていう労力は使いたくありません。連れていきたくなくても連れて行ってください。《王宮研究室》の備品を壊して今日はやらせるつもりありませんから。それと、これ」
「なんです、これは?」
「エンの歴史よ。こんな小さいのに《王宮研究室》で研究員として働いているわ。それで、知らない人に何故あんな小さい子が働いているんだとかなんとか言われていちいち説明も面倒だからエンの親とその他諸々を調べて作ったエンの歴史年表よ。暇なときにでも読んでおいて。じゃあ、今日1日はよろしくね」
「はぁ」
「アラン兄ちゃんレッツゴー」
エンはお気楽だな。まぁ、仕方ないか。さて、次に向かうのは《王宮図書館》だな。




