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page.82

「ねぇ、ふたりとも大丈夫?ワーウルフは来なかったの?」


弓使いのシャルだ。サブリーダーの彼女は、通路に駆け込んで行った俺たちの様子を見に来たらしい。


「ああ、今は居ないようだ。でもちょっと偵察してくるから、こいつが勝手な行動をしないようにしておいてくれ。」


俺はアルマスの首根っこを掴んでシャルに突き出した。ほんと迷惑の自覚が無いやつだ。


「偵察ですか!ならば私も一緒に……」


「はいはい、あんたはこっち。エイト、気をつけてね。」


シャルはアルマスの腕をガシッと掴んで、引きずるようにして先程のスペースに戻っていった。



ふぅ、これで落ち着いた。どうもアルマスがいると俺のペースが乱される気がする。


「アド。次は60ページだ。」


何のことはない。前回は前のページから選んだから、今回は後ろから選んでいるだけだ。

前回のように罠がひとつとは限らないが、どうせ2分の1の確率だ。


『畏まりました。ではエイトを60ページに転移します』




転移した先は石造りの小さな部屋だった。

中央には同じような石で作られた低い台がぽつんとあり、その上にはA3サイズくらいの大きさの平たい紙の箱が置かれていた。


「良かった、これは当たりっぽいな!」


俺は台に近づき、一応用心しながらその箱を開けてみた。


「ん?何だこれ?地図…かな?」


その中には古びた紙が入っていた。何語で書かれているか分からない文字と、でこぼこした地形のようなものが描かれている。しかし、どこの地図だか、まったく見当もつかない。


まあ、いいか。そのうちどこかの鑑定屋で見てもらおう。

俺は箱のフタを戻し、その箱ごとマジックバッグの中に入れた。


元の場所に戻ったが、残った38ページには行かずに、皆のところに戻ることにした。これまでのことから考えて、行っても何もないか、たいしたものはないはず。それよりワーウルフの件をなんとかしないとな。




その後俺たちは意外なほどあっけなく、ワーウルフを呼び出している魔法陣を見つけた。

魔導士たちがその魔法陣を囲み封印する。これで、もうこのダンジョンからワーウルフが大量発生する恐れは無くなった。


「よし!皆、良くやったな。さあ戻るぞ!今夜は宴会だ!!」ダーマルクが雄叫びを上げる。


「おー!」「やったー!」「よっしゃ、朝まで飲むぞーーー!」


皆、やり遂げた達成感で笑顔になっている。

アルマスなんてとびっきりの笑顔だ。

……いや待て、結局お前何もしてなかったよな。



俺たちはダンジョンを出て、依頼完了報告の為に意気揚々とバンシルのギルドへと向かうのだった。


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