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空気も読まず、頭の中に響くアドの声。
うん…知ってた…まあ、こうなるんだろうな、ってこと。
『どんどんどんぱふぱふぱふ〜〜〜♪さぁて皆様お待ちかね!こんな時でも《選択》タイム!!!アドベンチャーゲームブックと言えばこれ!選んだページで行き先が変わる!エイトの運命のショーーーターーーーーイムッ!!!』
「もうーーーーアド!!こんな時って分かってるなら勘弁してくれ!!!」
こんな集団クエスト中にも選択肢を出してくるのかよ。まあ今はまた、このアルマスしか居ないとはいえ。
そしてアルマスは俺の大声で立ち止まり、また俺のことをキョトンと見ている。
「どうされました、勇者エイト。また閉所恐怖症が出てしまいましたか?」
「だから、違うってば!」
まあいい、こいつは無視だ。
とりあえずアドが出してきた選択肢に集中しよう。
俺は心を落ち着けて、空中に浮かび上がるスクリーンを凝視した。
―38ページへすすむ→
―60ページへすすむ→
―79ページへすすむ→
前回は、90・91・92の連続というえげつないページ並びだったが、今回は普通な感じだ。
でも結局は勘に頼るしかないんだけどね。
「よし、アド!79ページだ。」
『畏まりました。ではエイトを79ページに転移します』
転移された先は、ダンジョン内の細い道か?薄暗い中の、登りになっている通路にいるようだ。
もしかして、正解の道なんだろうか?
じわりと、アドに勝った!という気持ちが沸き上がってきた時、妙な音が聞こえた。
前方からのどんどん大きくなってくるドドド…という音だ。
突如、俺の目の前には、通路の幅いっぱいに波のように押し寄せてくる水が!
「水責め〜〜〜〜!?!?」
俺とアルマスはあっという間に濁流に押し流されていった……
〈終〉
「ゲホッゲホッ……ふぅ、まだ腹の中に水があるみたいだ……」
俺は、元の場所で仰向けのまま、片手で腹を押さえて息を整えていた。
巻き込まれたはずのアルマスは、今回も何事もなかったかのようにキョトンとしている。実際お前には何も起きていないんだもんな…ほんとうらやましいよ。
「どうされました、いきなり寝転んだりして。新しい深呼吸健康法ですか?」
「もう!何なんだよそれ!大体そんな健康法あるのかよ!!」
また罠を踏んでしまった。悔しい!
俺はよろよろと起き上がり、次はどちらのページにするかを考え始めるのだった。




