↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

79/179

page.79

バルマスの王からの依頼は、ワーウルフの発生源のダンジョンを探索し、やつらを退治する協力をして欲しいというものだった。


そのダンジョン内には、ワーウルフを召喚する魔法陣か、発生源の核(コア)があると思われるが、それを探そうにも湧いてくるウェアウルフに手を焼いている。


やつらは銀が苦手だ。王は俺に銀の剣を下賜したことを思い出し、俺に連絡するよう指示したのだ。



なるほど、いかにも勇者案件だな。

俺はジリンに事情を説明し、ギルド同士が連絡している通信回線を使わせてもらえないか聞いてみた。

彼女はギルドマスターのグウェインを呼んでくれた。


グウェインは元賢者だ。彼は俺の話を聞き、通信用の部屋に案内してくれた。


「バルマス王国内のダンジョンだと、ここからは移動にかなりの日数がかかるな。場所にも寄るが、早くて2ヶ月だ。」


グウェインはそう言いながら、通信用の水晶でブシュタールのギルドを呼び出した。


「グウェインだ。バールを呼んでくれるか。」


バールはブシュタールのギルドマスターだ。彼も元冒険者だと聞く。直接話をしたことはないので詳しくは知らないけど。


「おう、グウェイン。久しぶりだな。どうした?」


「そちらから連絡があった勇者エイトが今こちらに居る。彼に詳細の説明をしてくれるか。」



バールは俺に再度王からの依頼内容を説明した。


「王はお前に剣を下賜したことをすっかり忘れておられてな。剣があればご自身で行く勢いだったようだぞ。」


バールが苦笑しながら俺に言う。俺はバルマス王のことを思い出した。あの壮健ぶりは、まだ鍛錬を続けていそうな感じだったもんな。


「バールさん、そのダンジョンはどの辺りでしょうか?今から向かっても大丈夫なんでしょうかね。」


教えてくれたその場所は、バンシル近くの、俺が魔族と遭遇したところだった。


「バールさん、そこには魔族の姿はありましたか?」


「いや、そんなことは聞いていないぞ。なんだ、気になることがあるのか?」


「いえ…別に何でもないです。」


アイツがあのダンジョンの辺りにいたのはたまたまだったのか。


「しかしオクハリからだと、到着した時には解決しているかもしれんな。無駄足になるかもしれないが王命だ。向かってくれるか。」


王命ならば仕方がない。しかも王は希少な宝石発見の褒美とはいえ、俺に1000ゴールドもくれた方だ。とりあえず向かうしか無いだろう。


移動手段なら考えもある。俺はバールに、いつ頃到着できるかは後で連絡すると言い、通信を切った。


「勇者は忙しいな。我々もあのワーウルフには手を焼いているが、まさかそんな遠くから来ているとはな。巣が見つからん訳だ。おそらく森の中を移動してきているのだろう。」


「おそらくそうでしょうね。ありがとうございました、また後で来ます。」




俺はギルドを退出し、いそいそと近くの森の中へ入った。

いつものようにエルフの指輪でハクを呼び出す。


「ハク〜〜〜〜!」


ハクの顔に抱きつき、さっそくリンゴをあげる。ハクは嬉しそうに顔をすりすりしてくる。あ〜もう、かわいいしかない。


「ハク、ムルーアと話したいんだけど呼んでくれるかな?」


以前、ハクを通じて話ができると聞いていたので、紅のエルフのムルーアを呼んでもらった。


『エイト殿。どうされました?』


わ、ハクからムルーアの声がする。超違和感。


「あ、ムルーア。ごめん、ちょっと聞きたいことがあってさ。」


俺はムルーアに、バンシルのダンジョンに向かわなければならないことを説明した。


『ふむ、オクハリからバンシルへですか。少々お待ちください。長(おさ)に聞いてまいります。』


しばらくして、ハクの口から別の男性の声が聞こえてきた。


『エイト殿、ハルバルトです。先日はありがとうございました。』


あ、式典で会った紅のエルフの長か。


「お久しぶりです。いつもハクを貸してくださってありがとうございます。」


『構いませんよ。ダイハクリョクは貴方によく懐いているようだ。貴方のためなら何でもするでしょうね。』


そうなんだ、それは嬉しい。


『移動手段なのですが、一番早いのはそのままダイハクリョクに乗って一旦エルフの国に入り、ここからチャーションに出る方法ですね。しかしそうすると、たぶん姫に気づかれます。エイト殿が姫に見つかってしまうと、恐らく当分出してもらうことはできないでしょうね…』


ゔっ!姫は相変わらずのようだな。しかし、エルフの国での当分って、いったい何年過ぎちゃうんだ。


「ですよね。それはやめておきます……」


『ハハ、懸命ですね。』


ハルバルトの声に合わせて頷くハク。かわいい。


『そうなりますと、ダイハクリョクで向かってもらうのが早いかと。その場合、申し訳ありませんが4日はかかると思います。』


「4日って、エルフの国での4日ですよね。こちらでは何日くらいになるかな…」


『いえ、人間界の4日ですよ』


ええっ!4日!たった4日で着くの!?

ハクってそんなに早いの!?!?


「そんなに早く着くのですか!」


『?……ええ、ユニコーンですから。そちらには1日1時間しか顕現できませんので、遅くなるのが申し訳ないのですが。』


「いえ、充分です。ありがとうございます!」


ハルバルトはハクに道草食わないよう言い聞かせておきますと言い、会話は終わった。


「ハク、お前やっぱり凄いんだな!」


ハクがかわいすぎて、1時間ただ遊んだりたてがみもふもふしたりのんびり散歩したりしてたことが多かった…いや、ほとんどだったけど、まさかそんな距離を早く移動できるとは!

まあこれが終わったら、またハクとゆっくり遊んじゃうけどね。


「じゃあハク。明日からよろしく頼むよ。」


ハクは分かったというふうに、鼻をぶるると鳴らした。


俺はハクを帰し、グウェインに到着日を伝えてもらうように言いに行くのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。