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ダルメル王国はとにかく広い…というか長い。
まるで静岡県のようだ、と言えばイメージしやすいのかな。10代の頃、東京から母親の実家の関西まで青春なんちゃらで電車の旅をやってみたら、無限に静岡だった…そんな感じだ。
俺が旅をスタートした、この世界の西側にあるバルマス王国から、この東側にあるダルメル王国への移動は、基本陸路のみだ。
ふたつの国の間には湖があるが、異常に広大な上、そのド真ん中には魔王城がそびえ立っている。そんな湖を突っ切ろうなんて、命知らずな奴はまずいないだろう。
この湖には多くの島があり、魔王城から遠く離れた岸辺近くには、人が暮らせる安全な島も幾つかある。そこで漁業や農業をやっている人も少なくない。
そういやダルメル王国側には、有名な預言者のおばばが住んでいる島もあったな。あのおばば、元気にしてるかな。
そんな感じで、クーリガルド正教国を出発し、ダルメル王国の南東にあるドワーフの国までは遥か先だ。とりあえずはここから一番近い都市のオクハリまで行って、そこのギルドで少し依頼を受けてみようと思っている。
『仕事をするのですか?また何のために?』
途中の村の宿で、この話をした時のアドの第一声がこれだ。
「だって聖女の加護でほとんど使ってしまったじゃないか。前みたいにエルフが宿代払ってくれてる訳じゃないしさ。旅のために金を増やしておかないと。飯代だってタダじゃない。」
『10年くらい食べなくても死なないでしょ』
「お前、前も同じこと言ってた!無理!食べなきゃ死ぬの!!」
『ふぅん、まあいいんじゃないですか。選択肢のネタもまだまだありますし』
「ネタって言うな!こっちは毎回本気で死ぬかと思ってるんだぞ!?」
あ、ネタで思い出した。ダルメル王国は米の生産が盛んなので、とにかくご飯が美味い。先程も宿の食堂で炙った魚の切り身をご飯にのせて食ってた。この魚は島の民が毎朝市場に売りにくるものだそうだ。
しかし、あの新鮮な魚の味ときたら…ごはんにのせて食べてると、ほんと寿司が恋しくなるよな。
元の世界に戻ったら、腹いっぱい寿司を食ってやる!
そんなことを考えながら、ベッドにゴロンと寝ころんだ。そろそろ寝るか。




